神戸家庭裁判所 昭和41年(少)4008号
主文
少年を中等少年院に送致する。
理由
非行事実及び適用法令
少年は、乗せて貰つていたと自供する(何故か運転者の氏名などを明らかにしない)普通乗用自動車(黒色ヒルマン)が昭和四一年九月○○日午前一時二〇分頃神戸市葺合区○○○×丁目地先路上で脇○啓○郎運転の普通乗用自動車(コロナ)と正面衝突した際通りかかつた藤○博運転の○亜タクシーで逃げていたものであるところ該事故の捜索に着手した兵庫県警察本部警邏二課無線自動車勤務巡査渡辺定宣、平尾春二が居合せた関係者や帰来した前記タクシー運転者などの協力を得ていわゆる当て逃げ、酒気帯び運転容疑の道路交通法違反事件として捜索続行中同日午前二時過頃同市同区○○町○丁目児童公園附近路上において、発見した少年に対し、前記違反被疑事件関係者として「事情を聞きたいので事故現場まで引返して欲しい」旨取調のため同行を求めた際「何ぬかしとんど行く必要はない」など暴言を吐きながら渡辺巡査の顔面を殴打したり足部を足蹴りしたりなおも胸ぐらをつかんで強くゆさぶりために制服上衣のボタンがひきちぎられる程であつたなどの暴行を加えて、その公務の執行を妨害した。
ものであることを認められ刑決第九五条に該る。
処遇意見
添付の社会記録中本件に関する少年調査票の調査者の意見及び鑑別結果通知書の総合所見、判定を、下記のとおり一部補正してここに引用する。
少年は鹿児島で中学卒業すると東京に就職したが一月余りで離職し親戚を頼つて大阪へ来て尼崎の工場に就労しているうち昭和三九年九月頃神戸葺合の○○組に住込んで種々の仕事に従事するようになり、同四〇年六月頃スーパーで万引をするなどの事犯をひき起すに至つた。
ところでその間大きな刺青をしている。また○○組は神戸○○附近の不良グループであり同四〇年七月頃グループ員が刺殺するような重大な事犯をひき起したことなどの諸情況であつたがそれらに鑑み更生を図るため郷里の親許に帰つて家業に従事する、神戸や大阪などに再び出て来ない、またやくざ的な生活行動をしないなど誓約すると共に母親に引取られたので不処分になつた、ものであるにかかわらず暫らくするとまたまた大阪へ出て来た、ばかりでなく前記○○組を頼つて来神し関係事業に従事しながら同様の不良傾向のある者らと交遊するの生活をしているうち本件の事犯をひき起したものであり乗せて貰つていた自動車が前記○○組関係者所有であるにもかかわらず運転者の氏名など明らかにしないなどに鑑みれば収容保護以外では、前記○○組と絶縁が至難であると思われる。絶縁できなければますますやくざ的傾向を深め非行を重ねるに至る虞が大であるにより早期に収容保護による矯正、改善を図らせる要があると思料される。
よつて少年法第二四条一項三号少年審判規則第三七条一項少年院法第二条に則り主文のとおり決定をする。