大判例

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神戸家庭裁判所尼崎支部 平成2年(少イ)2号

主文

被告人を懲役8月に処する。

未決勾留日数中15日を右刑に算入する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、A子(昭和48年11月18日生)が満18歳に満たない児童であることを知りながら

第一Dと共謀の上、同女をして、平成2年8月23日、大阪市淀川区○○○×丁目××番××号ホテル「○○○」客室において、Cを相手に売淫させ

第二同女をして、同月28日、大阪府豊中市○○×丁目××審××号ホテル「○○○○」客室において、Bを相手に売淫させもって、18歳に満たない児童に淫行させたものである。

(証拠の標目)

判示事実全部につき

一  被告人の当公判廷における供述並びに検察官及び司法警察員に対する平成2年9月13日付、同月16日付各供述調書

一  Dの検察官及び司法警察員に対する各供述調書(いずれも謄本又は抄本)

一  A子の検察官及び司法警察員に対する各供述調書(いずれも謄本)

一  芦屋市長作成の身上調査照会回答書(謄本)

判示第一の事実につき

一  被告人の司法警察員に対する平成2年9月20日付供述調書

一  Cの検察官及び司法警察員に対する各供述調書(いずれも謄本)

判示第二の事実につき

一  被告人の司法警察員に対する平成2年9月26日付供述調書

一  Bの検察官及び司法警察員に対する各供述調書(いずれも謄本)

(累犯前科)

被告人は、昭和60年7月3日大阪地方裁判所において強盗致傷罪により懲役4年6月に処せられ、平成元年7月6日右刑の執行を受け終わったものであって、右は検察事務官作成の前科調書(甲)及び判決謄本によってこれを認める。

(法令の適用)

判示第一の所為につき 刑法60条、児童福祉法34条1項6号

同第二の所為につき 同法34条1項6号

刑種選択 いずれも懲役刑選択

再犯加重につき 刑法56条1項、57条併合罪加重につき刑法45条前段、47条本文、10条、14条(犯情の重い判示第二の罪の刑に加重する。)

未決算入につき 同法21条

(量刑の理由)

本件は、被告人が前刑で服役中知り合ったDの誘いにより、前後2回にわたり判示女子高校生を自己の所属する暴力組織の長及び幹部に紹介して、売淫させたという事案である。

本件児童は、早くも中学生時代に性交経験を有するような娘で、その友人同様小遣銭欲しさから本件に関係したふしも認められること、右Dが本件児童以外の児童にも売春を斡旋していたのに対し、被告人はDの誘いにのり、自己の組関係者に本件児童を紹介したにすぎないこと、被告人自身は本件で特に利得したわけではないこと、罪の意識が弱かったこと等被告人のため酌むべき事情を十分考慮にいれても、自己の所属する暴力組織の長や幹部に対し二度にわたり児童を淫行相手として紹介した点で、児童福祉法の精神にもどり、やはり犯情は芳しくなく、被告人の前科前歴に徴すると、その罪責は到底軽視できるものでなく、弁護人主張のように罰金刑で処断し得るほど軽微な事案ではない。

とはいえ、被告人には、前示の斟酌すべき事情のほか、更に、本件で1か月近く身柄を拘束されたこと、本件犯行後はまじめに働き本件を深く反省していることから再犯の可能性はないであろうこと等その他弁護人主張の被告人のため有利と思われる一切の事情を十分斟酌してみても、主文程度の量刑はやむを得ないものと思料する。

よって、主文のとおり判決する。

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