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神戸簡易裁判所 昭和59年(ハ)1715号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

二請求原因の要旨は次のとおりであつて、1ないし4は争いがなく、5及び6の(一)は証拠によつて認めることができる。6の(二)については、本件事案の性質・事件の経過・認容額からみて、弁護士費用は五万円が相当であると認められる。

1 被告は子犬の販売店等を営む商人である。

2 原告は、昭和五九年七月八日被告から、イタリアン・グレーハウンドの子犬二匹を代金二五万円で購入し、同日、右代金を支払つた。

3 ところが、原告の住居においては、右子犬二匹を飼育することが困難であつた。原告は、同月一三日原告の父皿井五郎を通じて被告に右事情を説明し、右子犬を引取つて欲しい旨申入れ、これについて被告の了解を得たうえ、同月一五日右子犬二匹を被告方に持参し返還した。

4 しかるに、被告は、右売買代金を返還しない。原告は被告に対し、再三電話でその返還を督促し、さらに昭和五九年一〇月三日到達した書面で、右売買代金を同月九日限り返還するよう催告したが、被告はその履行をしなかつた。

5 右売買代金返還についての交渉経緯や、そこから窺われる被告の不誠実な態度からみて、被告は、代金返還の意思がないにもかかわらず、その意思があるかのように装つて右子犬二匹を受取つたもので、加害の意思ありというべきである。したがつて、被告は原告に対し、売買契約の合意解除に基づく代金返還義務とともに、不法行為責任を負うものである。

6(一) 原告は、思い余つて本訴の提起を原告代理人らに依頼し、昭和五九年一〇月一六日、弁護士報酬として一〇万円を原告代理人らに支払つた。原告は、被告が原告の再三の売買代金返還交渉にもかかわらず、その支払に応ぜず、情状も悪質であるため、やむを得ず本訴を提起した次第である。

(二) 右弁護士報酬は、衡平上被告の右不法行為と相当因果関係にある損害というべきである。

7 よつて、原告は被告に対し、次の金員の支払を求める。

(一) 売買契約の合意解除に基づく二五万円及びこれに対する昭和五九年一〇月一〇日から支払ずみまで商事法定利率年六分の割合による遅延損害金。

(二) 不法行為による損害賠償請求権に基づく一〇万円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日である昭和五九年一〇月二六日から支払ずみまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金。

三被告の抗弁の要旨は次のとおりであるが、被告主張の合意のあつたことを認めるに足る証拠がない。

被告は、原告との間で、本件小犬二匹が他に売却できたら二五万円を原告に支払うことを合意して、右小犬の返還を受けたが、今だにその売却ができない。 (金谷確也)

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