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福井地方裁判所 昭和35年(わ)167号 判決 1964年11月11日

本店所在地

福井市日の出元町一〇〇番地の二

株式会社 前島商店

右代表取締役

前島万太郎

本籍

福井市佐佳枝中町八四番地

住所

同市同町一〇〇番地の一

株式会社 前島商店

代表取締役

前島万太郎

大正三年一月二三日生

右の者等に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官検事嶋田貫一、同能登哲也出席の上、審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社前島商店を

判示第一の罪につき罰金六〇〇、〇〇〇円に

判示第二の罪につき罰金六〇〇、〇〇〇円に

判示第三の罪につき罰金五〇〇、〇〇〇円に

被告人前島万太郎を懲役六月に

各処する。

但し、被告人前島万太郎に対してはこの裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

訴訟費用中証人大島進二、同朝日忠義(昭和三五年一一月一九日出頭分)、同石井喜代子、同池谷伸一、同小泉渥(昭和三六年二月一四日出頭分)、同樋間正勝(昭和三六年二月一四日、昭和三七年一〇月五日各出頭分)、同鈴木純男、同奥野宗美、同斎藤庄太郎、同吉村脩、同松本寛治、同児玉三男、同若宮俊一(昭和三七年一〇月五日出頭分)、同嶋崎茂雄(昭和三八年五月八日、同月一〇日各出頭分)、同宮森松太郎に各支給した分は被告人株式会社前島商店の負担とし、証人近藤駿に支給した分は被告人前島万太郎の負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社前島商店は昭和二八年一一月二五日食肉及び食肉加工品の販売等を目的として設立せられた法人であり、被告人前島万太郎は同商店設立以来その代表取締役であつて同商店の業務全般を統括、掌理しているものであるが、

第一、昭和三一年六月一日より昭和三二年五月三一日までの事業年度において被告人株式会社前島商店は金五、七五七、七〇〇円の所得があり、この法人税額は金二、二五三、〇八〇円であるのに、被告人前島万太郎において同商店の業務に関し、同年度中現金売上げの一部を同商店の正規の経理より除外して右所得を秘匿し、昭和三二年七月三一日付で所轄福井税務署長に右事業年度における法人税所得金額は金一一九、五〇〇円(一〇〇円未満切捨)、この法人税額は金四一、八二〇円(一〇円未満切捨)である旨を記載した虚偽の法人税確定申告書を提出するなど不正の行為によつて右事業年度における法人税金二、二一一、二六〇円を逋脱し

第二、昭和三二年六月一日より昭和三三年五月三一日までの事業年度において被告人株式会社前島商店は金六、四一六、九〇〇円の所得があり、この法人税額は金二、三三八、四二〇円であるのに、被告人前島万太郎において、同商店の業務に関し、同年度中、前同様所得を秘匿し、昭和三三年七月三一日付で所轄福井税務署長に右事業年度における法人税所得金額は金七八〇、七〇〇円(一〇〇円未満切捨)、この法人税額は金二五七、六三〇円(一〇円未満切捨)である旨を記載した虚偽の法人税確定申告書を提出するなど不正の行為によつて右事業年度における法人税金二、〇八〇、七九〇円を逋脱し

第三、昭和三三年六月一日より昭和三四年五月三一日までの事業年度において、被告人株式会社前島商店は金五、四七九、〇〇〇円の所得があり、この法人税額は金一、九八二、〇二〇円であるのに、被告人前島万太郎において同商店の業務に関し、同年度中、前同様所得を秘匿し、昭和三四年七月三一日付で所轄福井税務署長に右事業年度における法人税所得金額は金一、三〇一、八〇〇円(一〇〇円未満切捨)、この法人税額は金四二九、五九〇円(一〇円未満切捨)である旨を記載した虚偽の法人税確定申告書を提出するなど不正の行為によつて右事業年度における法人税金一、五五二、四三〇円を逋脱し

たものである。

(証拠の標目)

一、判示冒頭につき

1  福井地方法務局法務事務官藤沢豊作成の株式会社前島商店に関する登記簿謄本(記録二八丁ないし三一丁)

2  証人前島宗市の当公廷における供述(第一〇回公判調書中記録一一七六丁ないし一二二四丁)

3  昭和三四年九月一五日付大蔵事務官の被告人前島万太郎に対する質問顛末書(記録一七〇六丁ないし一七一三丁)

4  被告人前島万太郎の昭和三五年七月一八日付検察官に対する供述調書(記録一九〇三丁ないし一九一三丁)

5  被告人前島万太郎の当公廷における供述(特に第二一回公判中記録一九五〇丁ないし二〇〇六丁、第二二回公判中記録二〇九一丁ないし二〇九九丁、第二三回公判中記録二一〇五丁ないし二一六一丁)

二、判示第一につき

(一)  被告人前島万太郎は被告人株式会社前島商店(以下被告会社と略称する)の業務に関し、昭和三二年七月三一日付で所轄福井税務署長に対し、昭和三一年六月一日より昭和三二年五月三一日までの事業年度における被告会社の所得金額を金一一九、五〇〇円(一〇〇円未満切捨)、その法人税額を金四一、八二〇円(一〇円未満切捨)である旨記載した法人税確定申告書を提出したことにつき

6 昭和三五年六月二八日付福井税務署長内藤薫作成の証明書一通(検第二号、記録三二丁ないし七七丁)

7 前掲3、4、5の各証拠

(二)  逋脱所得の計算につき

(甲) 収入(利益)の部

(イ) 簿外売上分

(1) 被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した佐藤実名義普通預金口座中昭和三一年六月二日より昭和三一年一二月三日までの預入合計金四九五、〇〇〇円(但し同預入中同年八月二五日金九六九円預入分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

8 押収にかかる佐藤実名義の普通預金元帳一通(昭和三六年押第五号証第六二号の七)

9 昭和三四年一二月一七日付前島万太郎作成名義の上申書(記録二二六四丁、二二六五丁)

(右9の証拠の記録二二六五丁一行目上から四番目に押捺してある『佐藤』なる印影と前掲8の佐藤実名義の普通預金元帳に押捺してある『佐藤』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(2) 被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した原妙子名義普通預金口座中昭和三一年六月二日より同年一〇月二日までの預入合計金五四五、〇〇〇円(但し同預入中同年六月七日金一〇〇、〇〇〇円、同年八月二五日金五〇六円各預入分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

10 押収にかかる原妙子名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の八)

11 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁二行目上から三番目に押捺してある『原』なる印影と前掲10の原妙子名義の普通預金元帳に押捺してある『原』なる印影とは同一の印によるものと認められる。

(3) 被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した小坂恵市名義普通預金口座中昭和三一年六月二日より同年八月三日までの預入合計金四八七、〇〇〇円(但し同預入中同年六月二日、金三、〇二〇円、同月七日、同月一二日、同年七月一四日各一〇〇、〇〇〇円、同年八月三日金一、四七九円各預入分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

12 押収にかかる小坂恵市名義普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の九)

13 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁二行目上から二番目に押捺してある『小坂』なる印影と前掲12の小坂恵市名義の普通預金元帳に押捺してある『小坂』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(4) 被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した杉本康夫名義の普通預金口座中昭和三一年八月四日より同年一一月一三日までの預入合計金九九五、〇三一円(但し同預入中同年八月四日金二一九、五〇〇円預入分中金二一一、四六九円、及び同年八月二五日金八〇円、同年一〇月九日金八〇、〇〇〇円、同月一六日金一七三、二〇〇円、同月一七日金一五〇、〇〇〇円各預入分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

14 押収にかかる杉本康夫名義普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の一〇)

15 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁四行目一番下に押捺してある『杉本』なる印影と前掲14の杉本康夫名義普通預金元帳に押捺してある『杉本』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(5) 被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した吉田千衣子名義の普通預金口座中昭和三一年一〇月三日より昭和三二年一月二四日までの預入合計金五七八、一一六円(但し同預入中昭和三一年一〇月三日金一三〇、〇〇〇円預入分中金一二四、二八四円及び同月一七日金一五〇、〇〇〇円預入した分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

16 押収にかかる吉田千衣子名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の一一)

17 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁三行目上から二番目に押捺してある『石田』なる印影と前掲16の吉田千衣子名義普通預金元帳に押捺してある『石田』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(6) 被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した松本一義名義の普通預金口座中昭和三一年一一月一四日より昭和三二年三月五日までの預入合計金一、一一五、一四五円(但し同預入中昭和三一年一一月一四日金一〇〇、〇〇〇円預入分中金八七、八五五円及び昭和三二年二月二五日金九二二円預入した分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

18 押収にかかる松本一義名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の一二)

19 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁二行目上から四番目に押捺してある『松下』なる印影と前掲18の松本一義名義の普通預金元帳に押捺してある『松下』なる印影とは同一の印によるものと認められる。

(7) 被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した藤本信夫名義の普通預金口座中昭和三一年一二月一日より昭和三二年五月一四日までの預入合計金五八八、〇〇〇円(但し同預入中昭和三二年二月二日金三三、二六三円、同月一六日、金一七、二二〇円、同日金九、八七九円、同月二五日金二三八円各預入した分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

20 押収にかかる藤本信夫名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の一三)

21 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁一行目上から四番目に押捺してある『佐藤』なる印影と前掲20の藤本信夫名義の普通預金元帳に押捺してある『佐藤』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(8) 被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した小川安則名義の普通預金口座中昭和三一年一二月四日より昭和三二年三月二九日までの預入合計金三九六、八九〇円(但し同預入中昭和三一年一二月四日金三四〇、〇〇〇円預入分中金三三九、一一〇円及び昭和三二年二月二五日金六〇七円、同年三月二九日金一三七円各預入した分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

22 押収にかかる小川安則名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の一四)

23 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁一行目一番上に押捺してある『小川』なる印影と前掲22の小川安則名義の普通預金元帳に押捺してある『小川』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(9) 被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した天谷義信名義の普通預金口座中昭和三二年一月二五日より同年五月一四日までの預入合計金五六八、八二八円(但し同預入中同年一月二五日金一四五、〇〇〇円預入分中金一四一、一七二円及び同年二月二五日金二六一円預入した分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

24 押収にかかる天谷義信名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の一五)

(10) 被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した宮島藤作名義の普通預金口座中昭和三二年三月六日より同年六月一日までの預入合計金三四二、〇〇〇円(但し同預入中同年三月六日金二九〇、〇〇〇円預入した分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

25 押収にかかる宮島藤作名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の一六)

26 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁二行目一番上に押捺してある『土田』なる印影と前掲25の宮島藤作名義の普通預金元帳に押捺してある『土田』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(11) 被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した杉本正名義の普通預金口座中昭和三二年三月三〇日より同年六月一日までの預入合計金一六三、〇〇〇円の売上除外があることにつき

27 押収にかかる杉本正名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の一七)

28 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁四行目一番下に押捺してある『杉本』なる印影と前掲27の杉本正名義の普通預金元帳に押捺してある『杉本』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(12) 被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した土田良雄名義の普通預金口座中昭和三二年五月一五日より同年六月一日までの預入合計金四〇、〇六七円(但し同預入中昭和三二年五月一五日金一四五、七〇〇円預入分中金一四二、六三三円及び同月二四日金九、二一九円預入した分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

29 押収にかかる土田良雄名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の一八)

30 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁二行目一番上に押捺してある『土田』なる印影と前掲29の土田良雄名義の普通預金元帳に押捺してある『土田』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(13) 被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した佐藤香代子名義の普通預金口座中昭和三二年五月一五日より同年六月一日までの預入合計金四〇、〇一六円(但し同預入中同年五月一五日金八〇、八〇〇円預入分中金七七、七八四円を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

31 押収にかかる佐藤香代子名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の一九)

32 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁一行目上から四番目に押捺してある『佐藤』なる印影と前掲31の佐藤香代子名義の普通預金元帳の二枚目及び三枚目に押捺してある『佐藤』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

33 昭和三四年九月一五日付株式会社前島商店取締役社長前島万太郎作成の上申書(記録二二六一丁ないし二二六三丁)

(右33の証拠の記録二二六三丁三行目四行目の各一番上に押捺してある『近藤』なる印影と前掲31の佐藤香代子名義の普通預金元帳の一枚目に押捺してある『近藤』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

前掲(1)ないし(12)(二(ニ)(甲)(イ)(1)ないし(13))の各事実及びこれらの所得は現金売上げの一部であるのを被告会社の正規の経理より除外して、右所得を秘匿している事実につき

34 第三回公判調書中証人大島進二、同朝日忠義の各供述記載(記録一五九丁ないし二〇六丁)

35 第四回公判調書中証人前田哲夫の供述記載(記録二一二丁ないし二二九丁)

36 朝日忠義(記録二三三一丁ないし二三三七丁)、前田哲夫(記録二三〇丁ないし二三五丁)の検察官に対する各供述調書

37 証人鈴木純男(第九回公判、記録一一四二丁ないし一一六五丁)、同前島宗市(第一〇回公判記録一一七六丁ないし一二二四丁)、同樋間正勝(第一二回公判、記録一二九四丁ないし一三八三丁、第二〇回公判、記録一六五五丁ないし一六七四丁、第二五回公判、記録二二三一丁ないし二二四一丁)、同若宮俊一(第二〇回公判、記録一六七五丁ないし一七〇五丁、第二五回公判、記録二一八五丁ないし二二三〇丁)の当公廷における各供述

38 当裁判所の証人小泉渥、同樋間正勝、同若宮俊一に対する各証人尋問調書(記録三三六丁ないし四六三丁)

39 第七回公判調書中証人若宮俊一の供述記載(記録五五一丁ないし五九七丁)

40 昭和三五年五月一四日付大蔵事務官樋間正勝外七名作成名義の復命書(検第八号記録六一八丁ないし一〇〇四丁)

41 昭和三五年五月二五日付大蔵事務官小泉渥作成の復命書(検第九号、記録一〇〇五丁ないし一〇一九丁)

42 昭和三五年五月二〇日付大蔵事務官樋間正勝作成の復命書(検第一〇号、記録一〇二〇丁ないし一〇三一丁)

43 昭和三五年五月二五日付大蔵事務官樋間正勝作成の復命書(検第一一号、記録一〇三二丁ないし一〇四六丁)

44 昭和三五年五月二〇日付大蔵事務官樋間正勝作成の復命書(検第一二号、記録一〇四七丁ないし一〇五一丁)

45 昭和三五年五月二五日付大蔵事務官若宮俊一作成の復命書(検第一五号、記録一〇八八丁ないし一一〇四丁)

46 昭和三五年五月二五日付大蔵事務官小泉渥作成の復命書(検第一六号、記録一一〇五丁ないし一一〇八丁)

47 昭和三五年五月二五日付大蔵事務官樋間正勝作成の復命書(記録二三七五丁ないし二四四一丁)

48 昭和三五年五月二五日付大蔵事務官若宮俊一作成の復命書(記録二四四二丁ないし二四六三丁)

49 押収にかかる金銭出納帳三冊(前同押号証第一六号ないし第一八号)、銀行勘定帳七冊(前同押号証第二三号ないし第二九号)、元帳四冊(前同押号証第八号)、第九号、第一二号、第三三号)、総勘定元帳一冊(前同押号証第三四号)

50 大蔵事務官の被告人前島万太郎に対する昭和三四年一一月一六日付(記録一七二九丁ないし一七三三丁)、同年一二月三日付(記録一七三五丁ないし一七四〇丁)、昭和三五年二月九日付二通(記録一七六一丁ないし一七七一丁)、同年四月六日付(記録一八三三丁ないし一八三七丁)、同年同月七日付(記録一八三九丁ないし一八四四丁)、同年同月二八日付(記録一八六〇丁ないし一八六九丁)、同年五月一一日付(記録一八七〇丁ないし一八七四丁)各質問顛末書(判示認定に副わない部分を除く)

51 被告人前島万太郎の昭和三五年七月二七日付(記録一九二〇丁ないし一九二七丁)、同月二八日付(三項からなる分で記録一九二八丁ないし一九三一丁)検察官に対する各供述調書及び当公廷における供述(判示認定に副わない部分を除く)

なお、弁護人は、右50、51(被告人の当公廷における供述を除く)後記62、69、70を含む大蔵事務官の被告人前島万太郎に対する質問顛末書二六通及び同被告人の検察官に対する供述調書五通の各証拠につき、ド足で上つて来たり一〇時迄しらべて泊れと要求したり、どうにもならない状態においこみ三二回の取り調べを強行した結果によるもので、正に人権侵害も甚しく憲法違反であつて任意性がなく証拠能力を欠く旨主張するけれども、前記各証拠は弁護人において同意したものであることは第一九回公判調書により明らかな上、前示37(証人鈴木純男、同前島宗市の各供述を除く)の各証拠によるも当該取り調べ官において、その主張のような言動或は暴行脅迫を加えて取り調べを行つた形跡が認められない。

なるほど、取り調べ回数が三一回(うち二回は同一日)に及んでいることは前示質問顛末書二六通、供述調書五通により明らかであるが右調書によると、その取り調べは昭和三四年九月一五日から昭和三五年七月二八日の一〇ヵ月の長きに亘り、しかも不拘束のまま行われたものであつて、大蔵事務官の取り調べ回数が二六回にも及んだのは、主として、同被告人が個人の手持現金等自分に有利な資料収集の猶予期間を数多く求めて延引したこと等に基因するものとも窺えるので、その取り調べ回数の多いことをもつて人権侵害ないしは憲法違反となすことはできない。その他前示37(証人鈴木純男、同前島宗市の各供述を除く)の各証拠によるも所論のような人権侵害ないしは憲法違反に亘る取り調べを窺うことはできないので弁護人の右主張は採用しない。

以上認定の右(1)ないし(13)の被告会社の売上除外の合計が金六、三五四、〇九三円となることは計数上明らかである。

(ロ) 簿外受取利息分

被告会社には昭和三一年六月一日より昭和三二年五月三一日までの間において、次表のとおり合計金五三四、八七九円の簿外受取利息があり、これを正規の経理より除外して秘匿していたことにつき

<省略>

52 前掲8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、25、27、29、31、33、37、38ないし、41、49の各証拠

53 昭和三五年六月一日付大蔵事務官樋間正勝作成の復命書(検一四号、記録一〇七三丁ないし一〇八七丁)

54 昭和三五年五月一四日付大蔵事務官樋間正勝、同中河吉春作成名義の銀行調査報告書(記録二五五一丁ないし二五六六丁)

55 押収にかかる定期預金申込書二四冊(前同押号証第七四号ないし第九七号)

56 押収にかかる信託契約印鑑一四枚(前同押号証第九八号の一ないし一四)

57 押収にかかる改印届一枚(前同押号証第九九号)

58 押収にかかる金銭信託収益金領収書九八枚(前同押号証第一〇〇号の一ないし九八)

59 昭和三四年一〇月一九日付大蔵事務官樋間正勝作成の領置顛末書(記録二〇六一丁ないし二〇六四丁)

60 昭和三四年九月一五日付株式会社前島商店取締役社長前島万太郎、木村信夫作成名義の上申書(記録二〇六五丁ないし二〇六八丁)

61 昭和三四年九月一五日付前島信子作成の上申書(記録二〇七七丁ないし二〇八四丁)

62 大蔵事務官の昭和三五年四月二三日付被告人前島万太郎に対する質問顛末書(記録一八五五丁ないし一八五九丁)

(判示認定に副わない部分を除く)

したがつて、被告会社の昭和三一年六月一日より昭和三二年五月三一日までの簿外収入は

前記二(二)(甲)(イ)簿外売上分計金 六、三五四、〇九三円と

同 二(二)(甲)(ロ)簿外受取利息分金 五三四、八七九円とを

合計した金 六、八八八、九七二円

であることは計数上明らかである。

(乙) 支出の部

(1)  簿外給料手当分

被告会社は昭和三一年六月一日より昭和三二年五月三一日までの間において別表一のとおりのその役員並びに従業員中被告人前島万太郎、宗市こと前島宗市の各家族の公表計上給料に対する源泉徴収税額、市県民税額並びに健康保険料合計金三四四、七九五円を被告会社の架空名義普通預金より支出していることにつき

63 前掲6、37ないし40の各証拠

64 昭和三五年五月二五日付大蔵事務官樋間正勝作成の復命書(検第一三号、記録一〇五二丁ないし一〇七二丁)

65 押収にかかる給科明細表一冊(前同押号証第四一号)

66 押収にかかる一人別源泉徴収表二冊(前同押号証第四二号第四三号)

67 押収にかかる給与明細表一冊(前同押号証第四四号)

68 押収にかかる元帳三冊(前同押号証第八号、第九号、第一二号)

69 大蔵事務官の昭和三四年九月一五日付(記録一七〇六丁ないし一七一三丁)昭和三五年二月一〇日付(記録一七七三丁ないし一七八一丁)被告人前島万太郎に対する各質問顛末書

70 被告人前島万太郎の昭和三五年七月一八日付(記録一九〇三丁ないし一九一三丁)並びに同年七月二七日付(記録一九二〇丁ないし一九二七丁)検察官に対する各供述調書

したがつて、被告会社の右の支出を同年度の簿外給料手当(損失)と認める。

(2)  簿外支払利息分

被告会社には昭和三一年六月一日より昭和三二年五月三一日までの間において次表のとおり合計金一二、七二六円の簿外支払利息のあることにつき

<省略>

71 前掲6、37ないし40、53の各証拠

72 大蔵事務官の被告人前島万太郎に対する昭和三五年四月二日付質問顛末書(記録一八四六丁ないし一八五四丁)

右簿外の支払利息を被告会社の損失と認める。

(3)  事業税引当分

被告会社の昭和三一年六月一日より昭和三二年五月三一日までの事業年度における事業税引当額が金八九三、二〇〇円であることにつき

73 昭和三六年六月一五日付金沢国税局調査査察部長作成の「(株)前島商店の犯則所得税額の訂正方について」と題する書面(記録二五二一丁ないし二五五〇丁)

74 証人若宮俊一の当公廷における供述(第二五回公判、記録二一八三丁ないし二二三〇丁)

右73、74の証拠により被告会社の昭和三〇年六月一日より昭和三一年五月三一日までの事業年度における基本所得は金九、〇五三、五〇〇円であることが認められるのでその事業税額は金一、〇七六、四二〇円(金五〇〇、〇〇〇円までは一〇%で金五〇、〇〇〇円、金五〇〇、〇〇〇円を超える金八、五五三、五〇〇円につき一二%で金一、〇二六、四二〇円、合計金一、〇七六、四二〇円)で、前記証拠により当期損金に納入した被告会社の事業税は金一八三、二二〇円であるから、これを控除した残金八九三、二〇〇円が、昭和三一年六月一日より昭和三二年五月三一日までの事業年度の事業税引当額となる。

以上認定により被告会社の昭和三一年六月一日より昭和三二年五月三一日までの事業年度における簿外支出(損失)は

前記二(二)(乙)(1)の簿外給料手当分 金 三四四、七九五円と

同 二(二)(乙)(2)の簿外支払利息分 金 一二、七二六円と

同 二(二)(乙)(3)の事業税引当分 金 八九三、二〇〇円とを

合計した 金 一、二五〇、七二一円

であることは計数上明らかである。

したがつて、前掲二(二)(甲)の収入(利益)の部計金六、八八八、九七二円より同二(二)(乙)の支出(損失)の部計金一、二五〇、七二一円を控除した残金五、六三八、二〇〇円(一〇〇円未満切捨)が、被告会社の昭和三一年六月一日より昭和三二年五月三一日までの事業年度における犯則(逋脱)所得であり

また右逋脱所得金 五、六三八、二〇〇円と

前掲申告所得金 一一九、五〇〇円とを合計した

計金 五、七五七、七〇〇円

が改訂課税総所得となり

そしてこれに対する総税額は法人税法第一七条第一項第一号(昭和三三年三月三一日法律第四〇号による改正前のもの)により

Ⅰ  金一、〇〇〇、〇〇〇円については三五%で

金 三五〇、〇〇〇円

Ⅱ  金一、〇〇〇、〇〇〇円を超える金四、七五七、七〇〇円については、四〇%で

金 一、九〇三、〇八〇円

右ⅠとⅡとを合計した 金 二、二五三、〇八〇円

であり

これより前掲申告税額 金 四一、八二〇円

を控除した 金 二、二一一、二六〇円

が逋脱税額となることは計数上明らかである。

三、判示第二につき

(一) 被告人前島万太郎は被告会社の業務に関し、昭和三三年七月三一日付で、所轄福井税務署長に対し、昭和三二年六月一日より昭和三三年五月三一日までの事業年度における被告会社の所得金額を金七八〇、七〇〇円(一〇〇円未満切捨)、その法人税額を金二五七、六三〇円(一〇円未満切捨)である旨記載した法人税確定申告書を提出したことにつき

75 昭和三五年六月二八日付福井税務署長内藤薫作成の証明書一通(検第三号、記録七八丁ないし一一二丁)

76 前掲3、4、5の各証拠

(二) 逋脱所得の計算につき

(甲) 収入(利益)の部

(イ) 簿外売上分

(1) 被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した宮島藤作名義の普通預金口座中昭和三二年六月三日より同年七月二日までの預入合計金一〇一、五〇〇円の売上除外があることにつき

77 前掲25、26の各証拠

(2) 被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した杉本正名義の普通預金口座中昭和三二年六月三日より同年一一月二八日までの預入合計金六二〇、〇〇〇円(但し同預入中同年八月二四日金四四五円預入した分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

78 前掲27、28の各証拠

(3) 被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した土田良雄名義の普通預金口座中昭和三二年六月三日より同年九月九日までの預入合計金四〇五、五〇〇円(但し同預入中同年八月二四日金四六四円預入した分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

79 前掲29、30の各証拠

(4)  被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した佐藤香代子名義普通預金口座中昭和三二年六月三日より同年九月七日までの預入合計金三九五、五〇〇円(但し同預入中同年八月一日金七五〇円、同月二四日金三四一円各預入した分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

80 前掲31、32、33の各証拠

(5)  被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した近藤幸男名義の普通預金口座中昭和三二年七月三日より同年一〇月二四日までの預入合計金五〇四、〇〇三円(但し同預入中同年七月三日金二四、二〇〇円預入分中金二〇、一九七円及び同年八月二四日金一五三円預入した分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

81 押収にかかる近藤幸男名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の二〇)

82 前掲33の証拠(同証拠の記録二二六三丁三行目四行目中の各一番上に押捺してある『近藤』なる印影と前掲81の近藤幸男名義の普通預金元帳に押捺してある『近藤』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(6)  被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した森則雄名義の普通預金口座中昭和三二年九月九日より昭和三三年四月一六日までの預入合計金一、一四六、八四一円(但し同預入中昭和三二年九月九日金六七、五〇〇円預入分中金五七、一五九円及び同年一二月二七日金三、三五四円、昭和三三年二月二四日金七一六円、同年三月五日金一八〇、〇〇〇円、同月一〇日金五三、〇四〇円、同月二五日金九〇、〇〇〇円各預入した分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

83 押収にかかる森則雄名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の二一)

84 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁二行目上から五番目に押捺してある『森』なる印影と前掲83森則雄名義の普通預金元帳に押捺してある『森』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(7)  被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した原一峰名義の普通預金口座中昭和三二年九月一〇日より昭和三三年四月一六日までの預入合計金一、一三六、五四四円(但し同預入中昭和三二年九月一〇日金五四、〇〇〇円預入分中金五〇、〇二二円、同年一〇月二日金五、〇八八円預入分、昭和三三年二月四日金五、〇五八円預入分、同月五日金一、〇〇〇、〇〇〇円預入分、同月一三日金二九、〇〇〇円預入分中金二八、九三四円、同月二四日金八九二円預入分、同年三月八日金五、〇五八円預入分、同年四月五日金五、〇五八円預入分を各除いた以外の分)の売上除外があることにつき

85 押収にかかる原一峰名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の二二)

86 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁二行目上から三番目に押捺してある『原』なる印影と前掲85原一峰名義の普通預金元帳に押捺してある『原』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(8)  被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した佐藤信哉名義の普通預金口座中昭和三二年一〇月二五日より昭和三三年二月一二日までの預入合計金六一八、四一三円(但し同預入中昭和三二年一〇月二五日金八一、〇〇〇円預入分中金七七、五八七円及び同年一二月二日金五、〇五八円、同日金五、〇五八円、昭和三三年一月四日金五、〇五八円、同年二月一二日金四三二円各預入した分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

87 押収にかかる佐藤信哉名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の二三)

88 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁一行目上から四番目に押捺してある『佐藤』なる印影と前掲87佐藤信哉名義の普通預金元帳に押捺してある『佐藤』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(9)  被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した近藤嘉政名義の普通預金口座中昭和三二年一一月二九日より昭和三三年三月二五日までの預入合計金五一七、六三二円(但し同預入中昭和三二年一一月二九日金一三四、〇〇〇円預入分中金一三〇、三六八円及び昭和三三年二月二四日金二七一円預入分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

89 押収にかかる近藤嘉政名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の二四)

90 前掲33の証拠(同証拠の記録二二六三丁三行目、四行目の各一番上に押捺してある『近藤』なる印影と前掲89の近藤嘉政名義の普通預金元帳に押捺してある『近藤』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(10)  被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した土田祥太郎名義の普通預金口座中昭和三三年四月一七日より同年五日三一日までの預入合計金一六五、六八五円(但し同預入中同年四月一七日金一八五、〇〇〇円預入分金一七九、八一五円を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

91 押収にかかる土田祥太郎名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の二五)

92 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁二行目一番上に押捺してある『土田』なる印影と前掲91の土田祥太郎名義の普通預金元帳に押捺してある『土田』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(11)  被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した松下壮一名義の普通預金口座中昭和三三年四月一七日より同年五月三一日までの預入合計金一六五、二五二円(但し同預入中同年四月一七日金一一八、〇〇〇円預入分中金一一三、二四八円を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

93 押収にかかる松下壮一名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の二六)

94 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁二行目上から六番目に押捺してある『松下』なる印影と前掲93の松下壮一名義の普通預金元帳に押捺してある『松下』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(12)  被告会社には福井銀行佐佳枝支店に預入した佐藤義信名義の普通預金口座中昭和三三年三月二六日より同年五月三一日までの預入合計金二一八、〇七九円(但し同預入中同年三月二六日金二〇〇、〇〇〇円預入分中金一九七、九二一円を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

95 押収にかる佐藤義信名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の二七)

96 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁一行目上から四番目に押捺してある『佐藤』なる印影と前掲95の佐藤義信名義の普通預金元帳に押捺してある『佐藤』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

前掲(1)ないし(12)(二(二)(甲)(イ)(1)ないし(12))の各事実全部及びこれらの所得は現金売上げの一部であるのを被告会社の正規の経理より除外して右所得を秘匿している事実につき

97 前掲34ないし51、75の各証拠

98 押収にかかる金銭出納帳二冊(前同押号証第一九号、第二〇号)元帳二冊(前同押号証第七号、第一〇号)

右認定の三(二)(甲)(イ)(1)ないし(12)の被告会社の売上除外の合計が金五、九九四、九四九円となることは計数上明らかである。

(ロ) 簿外受取利息分

被告会社には昭和三二年六月一日より昭和三三年五月三一日までの間において、次表のとおり合計金七〇五、三二〇円の簿外受取利息があり、これを正規の経理より除外して秘匿していたことにつき

<省略>

99 前掲52ないし62、75、81、83、85、87、89、91、93、95、98の各証拠

したがつて、被告会社の昭和三二年六月一日より昭和三三年五月三一日までの簿外収入は

前記三(二)(甲)(イ)の簿外売上分金 五、九九四、九四九円と

同 三(二)(甲)の簿外受取利息分金 七〇五、三二〇円とを

合計した金 六、七〇〇、二六九円

となることは計数上明らかである。

(乙) 支出の部

(1)  簿外給料手当分

被告会社は昭和三二年六月一日より昭和三三年五月三一日までの間において別表二のとおりのその役員並びに従業員中被告人前島万太郎、宗市こと前島宗一の各家族の公表計上給料に対する源泉徴収税額、市県民税額並びに健康保険料及び前島周太郎に対する手当合計金三七〇、九四八円を被会告社の架空名義普通預金より支出していることにつき

100 前掲37ないし40、64ないし67、69、70、75、98の各証拠

101 押収にかかる元帳二冊(前同押号証第八号、第一二号)

したがつて、被告会社の右の支出を同年度の簿外給料手当(損失)と認める。

(2)  簿外支払利息分

被告会社には昭和三二年六月一日より昭和三三年五月三一日までの間において、次表のとおり合計金二三、七六〇円の簿外支払利息のあることにつき

<省略>

102 前掲37ないし40、53、72、75、98の各証拠

右簿外の支払利息を被告会社の損失と認める。

(3)  事業税引当分

被告会社の昭和三二年六月一日より昭和三三年五月三一日までの事業年度における事業税引当額が金六六九、三三〇円(一〇円未満切捨)であることにつき

被告会社の昭和三一年六月一日より昭和三二年五月三一日までの事業年度における基本所得は前掲認定により明らかな如く金五、七五七、七〇〇円であるからこれに対する事業税額につき計算すると

1  金五〇〇、〇〇〇円までにつき一〇%で 金 五〇、〇〇〇円

2  金五〇〇、〇〇〇円を超える金五、二五七、七〇〇円につき一二%で 金六三〇、九二四円

1と2とで 金六八〇、九二〇円(一〇円未満切捨)となる。

しかし前掲73、75の証拠により被告会社が昭和三二年六月一日より昭和三三年五月三一日までの事業年度の損金に算入して納付した事業税額は金一一、五九〇円であるから、これを右金六八〇、九二〇円より控除した残金六六九、三三〇円が当期事業税引当額となることは明らかである。

以上認定により、被告会社の昭和三二年六月一日より昭和三三年五月三一日までの事業年度における簿外支出(損失)は

前記三(二)(乙)(1)の簿外給料手当分 金 三七〇、九四八円と

同 三(二)(乙)(2)の簿外支払利息分 金 二三、七六〇円と

同 三(二)(乙)の事業税引当分 金 六六九、三三〇円とを

合計した 金一、〇六四、〇三八円

であることは計数上明らかである。

したがつて、前掲三(二)(甲)の収入(利益)の部計金六、七〇〇、二六九円より同三(二)(乙)の支出(損失)の部計金一、〇六四、〇三八円を控除した残金五、六三六、二〇〇円(一〇〇円未満切捨)が、被告会社の昭和三二年六月一日より昭和三三年五月三一日までの事業年度における犯則(逋脱)所得であり、

また 右逋脱所得金 五、六三六、二〇〇円と

前掲申告所得金 七八〇、七〇〇円とを

合計した金 六、四一六、九〇〇円

が改訂課税総所得となり

そして、これに対する法人税額は法人税法第一七条第一項第一号(昭和三四年四月二〇日法律一四八号による改正前のもので、昭和三三年三月三一日法律第四〇号により改正後のもの)により

Ⅰ 金二、〇〇〇、〇〇〇円までについては三三%で 金 六六〇、〇〇〇円

Ⅱ 金二、〇〇〇、〇〇〇円を超える金四、四一六、九〇〇円については三八%で 金一、六七八、四二二円

右ⅠとⅡとを合計した 金二、三三八、四二〇円(一〇円未満切捨)であり、

これより前掲申告税額 金 二五七、六三〇円

を控除した 金二、〇八〇、七九〇円

が逋脱税額となることは計数上明らかである。

四、判示第三につき

(一) 被告人前島万太郎は被告会社の業務に関し、昭和三四年七月三一日付で、所轄福井税務署長に対し、昭和三三年六月一日より昭和三四年五月三一日までの事業年度における被告会社の所得金額を金一、三〇一、八〇〇円(一〇〇円未満切捨)、その法人税額を金四二九、五九〇円(一〇円未満切捨)である旨記載した法人税確定申告書を提出したことにつき

103 昭和三五年六月二八日付福井税務署長内藤薫作成の証明書一通(検第四号、記録一一三丁ないし一五〇丁)

104 前掲3、4、5の各証拠

(二) 逋脱所得につき

(甲) 収入(利益)の部

(イ) 簿外売上分

(1) 被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した土田祥太郎名義の普通預金口座中昭和三三年六月二日より同年八月六日までの預入合計金二四八、〇〇〇円(但し同預入中同年六月二日金五、〇〇〇円、同年七月五日金五、〇〇八円、同年八月六日金六八四円の各預入分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

105 前掲91、92の各証拠

(2) 被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した松下壮一名義の普通預金口座中昭和三三年六月二日より同年八月六日までの預入合計金二四八、〇〇〇円(但し同預入中同年六月二日金五、〇〇〇円、同年六月一六日金五、〇五八円、同年八月六日金四七七円各預入分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

106 前掲93、94の各証拠

(3) 被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した佐藤義信名義の普通預金口座中昭和三三年六月二日より同年七月一九日までの預入合計金一四六、〇〇〇円(但し同預入中同年六月二日金三、〇〇〇円預入分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

107 前掲95、96の各証拠

(4)  被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した小川始名義の普通預金口座中昭和三三年八月七日より同年一月一八日までの預入合計金四七〇、五〇〇円(但し同預入中同年八月七日金六二、〇〇〇円、同月一二日金五、〇四八円、同月二六日金二二円、同年九月八日金五、〇〇八円、同年一一月一八日金二二一円各預入した分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

108 押収にかかる小川始名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の二八)

109 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁一行目一番目に押捺してある『小川』なる印影と前掲108の小川始名義の普通預金元帳に押捺してある『小川』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(5)  被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した森田幸太郎名義の普通預金口座中昭和三三年八月七日より同年一一月一八日までの預入合計金四五一、〇〇〇円(但し同預入中同年八月七日金三〇、〇〇〇円、同月二六日金二九円、同年九月二日金一〇〇、〇〇〇円、同月四日金五、〇〇八円、同年一〇月四日金五、〇〇八円、同年一一月一日金五、五〇四円、同月七日金一、四〇四円、同月一八日金二六五円各預入分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

110 押収にかかる森田幸太郎名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の二九)

111 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁一行目上から二番目に押捺してある『森田』なる印影と前掲110の森田幸太郎名義の普通預金元帳に押捺してある『森田』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(6)  被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した原誠名義の普通預金口座中昭和三三年七月二一日より同年一一月一五日までの預入合計金四一五、〇〇〇円(但し同預入中同年八月二六日金一二七円預入分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

112 押収にかかる原誠名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の四一)

113 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁二行目上から三番目に押捺してある『原』なる印影と前掲112の原誠名義の普通預金元帳に押捺してある『原』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(7)  被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した小坂信三名義の普通預金口座中昭和三三年一一月一七日より昭和三四年三月九日までの預入合計金四三九、六〇〇円(但し同預入中昭和三三年一一月一八日金五五、〇〇〇円、昭和三四年二月二八日金四四〇円、同年三月九日金一八円各預入分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

114 押収にかかる小坂信三名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の三〇)

115 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁二行目上から二番目に押捺してある『小坂』なる印影と前掲114の小坂信三名義の普通預金元帳に押捺してある『小坂』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(8)  被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した堀修一郎名義の普通預金口座中昭和三三年一一月一九日より昭和三四年二月二八日までの預入合計金五九一、六〇〇円、(但し同預入中昭和三三年一二月二日金五、五〇四円、昭和三四年一月六日金五、四〇四円、同年二月六日金一五五、〇〇〇円、同月二八日金二六〇円の各預入分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

116 押収にかかる堀修一郎名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の三一)

117 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁三行目一番上に押捺してある『堀』なる印影と前掲116の堀修一郎名義の普通預金元帳に押捺してある『堀』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(9)  被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した石田強名義の普通預金口座中昭和三三年一一月一九日より昭和三四年二月二八日までの預入合計金六一一、一〇〇円(但し同預入中昭和三四年二月二八日金二一〇円預入分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

118 押収にかかる石田強名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の三二)

119 前掲9の証拠(同証拠の記録二二六五丁三行目上から二番目に押捺してある『石田』なる印影と前掲119の石田強名義の普通預金元帳に押捺してある『石田』なる印影とは同一の印によるものと認められる)

(10)  被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した小山高名義の普通預金口座中昭和三四年三月二日より同年六月一日までの預入合計金一六一、五〇〇円(但し同預入中同年三月二日金六六〇円、同月七日金九八、五〇〇円各預入分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

120 押収にかかる小山高名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の三三)

(11)  被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した川島一名義の普通預金口座中昭和三四年三月二日より同年六月一日までの預入合計金一六一、五〇〇円(但し同預入中同年三月二日金六、六九二円預入分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

121 押収にかかる川島一名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の三四)

(12)  被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に預入した中村伸名義の普通預金口座中昭和三四年三月九日より同年六月一日までの預入合計金二四八、〇〇〇円(但し同預入中同年三月九日金四〇、〇五八円の預入分を除いた以外の分)の売上除外があることにつき

122 押収にかかる中村伸名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の三五)

前掲(1)ないし(12)(四(二)(甲)(イ)(1)ないし(12))の各事実及びこれらの所得は現金売上げの一部であるのを被告会社の正規の経理より除外して右所得を秘匿している事実につき

123 前掲34ないし51、103の各証拠

124 押収にかかる金銭出納帳二冊(前同押号証第二一号、第二二号)銀行勘定帳三冊(前同押号証第三〇号ないし第三二号)元帳四冊(前同押号証第一一号、第一三号、第一四号、第一五号)

右認定の四(二)(甲)(イ)(1)ないし(12)の被告会社の売上除外の合計が金四、一九一、八〇〇円となることは計数上明らかである。

(ロ) 簿外受取利息分

被告会社には昭和三三年六月一日より昭和三四年五月三一日までの間において、次表のとおり合計金一、〇五三、一〇八円の簿外受取利息があり、これを正規の経理より除外して秘匿していたことにつき

<省略>

125 前掲52ないし62、81、83、85、87、89、91、93、95、98、101、103、108、110、112、114、116、118、120、121、122、124の各証拠

したがつて、被告会社の昭和三三年六月一日より昭和三四年五月三一日までの簿外収入は前記四(二)(甲)(イ)の簿外売上分金四、一九一、八〇〇円と前記四(ニ)(甲)(ロ)の簿外受取利息分金一、〇五三、一〇八円とを合計した金五、二四四、九〇八円となることは計数上明らかである。

(乙) 支出の部

(1)  簿外給料手当分

被告会社は昭昭三三年六月一日より昭和三四年五月三一日までの間において、別表三のとおりのその役員並びに従業員中被告人前島万太郎、宗市こと前島宗一の各家族の公表計上給料に対する源泉徴収税額、市県民税並びに健康保険料及び前島周太郎に対する手当合計金三九二、八一一円を被告会社の架空名義普通預金等より支出していることにつき

126 前掲37ないし40、64ないし67、69、70、101、103、124の各証拠

したがつて、被告会社の右の支出を同年度の簿外給料手当(損失)と認める。

(2)  簿外支払利息分

被告会社には昭和三三年六月一日より昭和三四年五月三一日までの間において、次表のとおり合計金一二、一六〇円の簿外支払利息のあることにつき

<省略>

127 前掲37ないし40、53、72、101、103、124の各証拠

右簿外の支払利息を被告会社の損失と認める。

(3)  事業税引当分

被告会社の昭昭三三年六月一日より昭和三四年五月三一日までの事業年度における事業税引当額が金六六二、七〇〇円(一〇円未満切捨)であることにつき

被告会社の昭和三二年六月一日より昭和三三年五月三一日までの事業年度における基本所得は前掲認定により明らかな如く金六、四一六、九〇〇円であるから、これに対する事業税額につき計算すると

1  金五〇〇、〇〇〇円までにつき一〇%で 金 五〇、〇〇〇円

2  金五〇〇、〇〇〇円を超える金五、九一六、九〇〇円につき一二%で 金 七一〇、〇二八円

1と2とで 金 七六〇、〇二〇円(一〇円未満切捨)である。

しかし前掲73の証拠により被告会社が昭和三三年六月一日より昭和三四年五月三一日までの事業年度の損金に算入して納付した事業税額は金九七、三二〇円であるから、これを右金七六〇、〇二〇円より控除した残金六六二、七〇〇円が当期事業税引当額となることは明らかである。

以上認定により被告会社の昭和三三年六月一日より昭和三四年五月三一日までの事業年度における簿外支出(損失)は

前記四(二)(乙)(1)の簿外給料手当分 金 三九二、八一一円と

同 四(二)(乙)(2)の簿外支払利息分 金 一二、一六〇円と

同 四(二)(乙)(3)の事業税引当分 金 六六二、七〇〇円とを

合計した 金一、〇六七、六七一円

となることは計数上明らかである。

したがつて、前掲四(二)(甲)の収入(利益)の部計金五、二四四、九〇八円より同四(二)(乙)の支出(損失)の部計金一、〇六七、六七一円を控除した残金四、一七七、二〇〇円(一〇〇円未満切捨)が被告会社の昭和三三年六月一日より昭和三四年五月三一日までの事業年度における犯則(逋脱)所得であり

また 右逋脱所得金 四、一七七、二〇〇円と

前掲申告所得金 一、三〇一、八〇〇円とを

合計した金 五、四七九、〇〇〇円

が改訂課税総所得となり

そして、これに対する法人税額は法人税法第一七条第一項第一号(昭和三四年四月二〇日法律第一四八号による改正前のもので昭和三三年三月三一日法律第四〇号により改正後のもの)により

Ⅰ 金二、〇〇〇、〇〇〇円までについては三三%で 金六六〇、〇〇〇円

Ⅱ 金二、〇〇〇、〇〇〇円を超える金三、四七九、〇〇〇円については三八%で

金一、三二二、〇二〇円

ⅠとⅡとを合計した 金一、九八二、〇二〇円(一〇円未満切捨)であり、

これにより前掲申告税額 金四二九、五九〇円

を控除した 金一、五五二、四三〇円

が逋脱税額となることは計数上明らかである。

(検察官の主張についての判断)

検察官は、被告会社には株式会社福井銀行佐佳枝支店に藤田定信名義で預入した普通預金(昭和三一年一二月一〇日より昭和三二年八月一二日まで預入分)口座中合計金二三九、七〇〇円が昭和三一年六月一日より昭和三二年五月三一日までの事業年度における売上除外で、金一、一五二円が同年度における簿外受取利息であり、合計金一三二、三〇〇円が昭和三二年六月一日より昭和三三年五月三一日までの事業年度における売上除外で金七四六円が同年度における簿外受取利息である旨主張するけれども、証人朝日忠義(第一六回公判)、同前島宗市(第一六回公判)、同牧田吉則(第二七回公判)の当公廷における各供述、牧田吉則の検察官に対する各供述調書、被告人前島万太郎の当公廷における供述、押収にかかる藤田定信名義の普通預金元帳一通(前同押号証第六二号の三九)、前掲40の証拠を総合して考察すると前示藤田定信名義の普通預金は被告会社の預入したものでなく、被告会社福井駅前支店の隣りで喫茶店を経営している牧田吉則の預入したものであることが推認される。前掲38、39、40の各証拠、大蔵事務官の被告人前島万太郎に対する各質問顛末書、同被告人の検察官に対する昭和三五年七月一八日付供述調書及び証人樋間正勝、同若宮俊一の当公廷における各供述中右認定に副わない部分は信用しがたい。

したがつて、右普通預金が被告会社のものであることを前提とする右売上除外及び簿外受取利息の主張は採用し得ない。

(法令の適用)

法律に照すと、被告会社の判示第一の所為は昭和三三年三月三一日法律第四〇号附則第二項、同法律による改正前の法人税法第五一条第一項、第四八条第一項、罰金等臨時措置法第二条に、被告人前島万太郎の判示第一の所為は前示法律第四〇号附則第二項同法律による改正前の法人税法第四八条第一項、第一八条第一項罰金等臨時措置法第二条に、被告会社の判示第二、第三の各所為は昭和三四年四月二〇日法律第一四八号附則第二項、同法律による改正前の法人税法第五一条第一項、第四八条第一項、罰金等臨時措置法第二条に、被告人前島万太郎の判示第二、第三の各所為は前示法律第一四八号附則第二項、同法律による改正前の法人税法第四八条第一項、第一八条第一項、罰金等臨時措置法第二条に各該当するから、被告人前島万太郎の各罪につきいずれも所定刑中懲役刑を選択し、被告会社については各所定罰金額の範囲内において、被告人前島万太郎については以上の各罪は刑法第四五条前段の併合罪であるから同法第四七条本文、第一〇条に則り犯情の最も重いと認められる判示第一の罪の刑に法定の加重をなした刑期の範囲内において、被告会社を判示第一の罪につき罰金六〇〇、〇〇〇円に、判示第二の罪につき罰金六〇〇、〇〇〇円に、判示第三の罪につき、罰金五〇〇、〇〇〇円に、被告人前島万太郎を懲役六月に処し、なお被告人前島万太郎に対しては諸般の情状に鑑み右刑の執行を猶予するのを相当と認め、刑法第二五条第一項を適用して、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予し訴訟費用については刑事訴訟法第一八一条第一項本文に従い、主文末項のようにその負担を定める。

以上の次第で、主文のとおり判決する。

(裁判官 高沢新七)

別表一

<省略>

別表二

<省略>

右合計 金260,948円 前島周太郎手当分 月額 10,000円 11ケ月分 金110,000円

合計 金370,948円

源泉税……源泉徴収税額の略記 健保……健康保険料の略記 市民税……市県民税の略記

別表三

<省略>

右合計 金272,811円 前島周太郎手当 月額 金10,000円 12ケ月分 金120,000円

合計 金392,811円

源泉税……源泉徴収税額の略記 健保……健康保険料の略記 市民税……市県民税の略記

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