福井家庭裁判所 昭和37年(少)592号
主文
少年を中等少年院に送致する。
理由
(非行事実)
少年はN、M、Gと共謀の上、昭和三七年○月○日午後六時五〇分頃福井県三方郡○○町△△通称××の砂取場附近路上において、同所を通行中の○川○恵(二一年)及び○原○え(二一年)の両名を強姦しようと企て、同女等を路上に押し倒して手足、顔等を押さえ、更に抵抗する同女等の手足、頭等を持つて上記砂取場まで引きずり込み、同女等に対し「騒ぐと殺すぞ」などと申し向けて脅迫し、マフラ、手拭等で同女等の口を塞ぎ、その反抗を抑圧してスカート、パンティ等を脱し、少年が上記○川○恵の顔面、両手等を押えている間に、Nが同女の上に馬乗りとなり強いて同女を姦淫しようとし、一方Gが上記○原○えの顔面、両手等を押さえている間に、Mが同女の上に乗つて強いて同女を姦淫しようとし、その際○川○恵に対し治療五日位の全身打撲傷及び陰部擦過傷を、○原○えに対し治療五日位の全身打撲傷及び口唇挫傷を、それぞれ与えたものである。
(適条)
上記少年の所為は、いずれも刑法第一八一条、第一七七条前段、第六〇条に該当する。
(処分理由)
少年の知能は限界級(I・Q=76)に属し、性格的にも意思薄弱で爽快性、衝動性、被暗示性等に偏りを示し、計画的、積極的に兇悪な非行を敢行したのに拘らず反省の念に乏しく、殊に生活態度が不良であつて、悪戯、浪費、不良交友等の問題行動が多く、その非行性は軽視できないものがあり、要保護性は極めて高度と認められる。しかるに少年の保護者は保護に対する関心が薄く、その保護能力も稀薄であり、かつ地域環境も極めて不良と認められるので在宅保護による更生は到底期待できない。よつて、少年の資質、年齢、罪質、環境その他諸般の情状に照し、施設に収容して矯正教育を実施し、その健全な育成を図る必要があると思料し、少年法第二四条第一項第三号、少年審判規則第三七条第一項、少年院法第二条を適用して主文のとおり決定する。