福岡地方裁判所 平成8年(わ)1179号 判決
判決主文
被告人を懲役四月及び罰金五〇万円に処する。
右罰金を完納することができないときは、金五〇〇〇円を一日に換算した期間、被告人を労役場に留置する。
罪となるべき事実
被告人は、青木澄子、田中英明、さらには脱税工作等を請け負っていた夢工房サンコー有限会社の濵畑康正、高原博喜、木葉英幸、岩本信一、朝木正生と共謀の上、青木所有の土地を売却したのに伴う土地の譲渡所得にかかる所得税を免れようと企て、同女の平成六年分の実際の分離課税の長期譲渡所得金額が四七二一万五九〇〇円、総合課税の総所得金額が一一八万二六九一円で、これらに対する所得税額が合計で一一九七万五五〇〇円であった(別紙1修正損益計算書参照)にもかかわらず、債権者を田中、債務者を岩本、保証人を青木とする四五〇〇万円の架空の保証債務を設定し、同女が右債務を履行するために前記土地を売却譲渡して弁済したものの、その求償権の全部を行使することができなくなった旨仮装する方法によりその所得を秘匿した上、平成七年三月一〇日、福岡市早良区百道一丁目五番二二号所在の西福岡税務署において、同税務署長に対し、青木の平成六年分の分離課税の長期譲渡所得金額が二二一万五九〇〇円、総合課税の総所得金額が一七四万八五七七円(これは、支出の部において、繰延資産償却費五六万五八八六円の計上を忘れたため、実際の総合課税の総所得金額よりも高額になっている。)で、これらに対する所得税額が合計で五三万六九〇〇円である旨内容虚偽の所得税の確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、正規の所得税額との差額一一四三万八六〇〇円を免れた(別紙2脱税額計算書参照)ものである。
適用した罰条
所得税法二三八条、平成七年法律第九一号による改正前の刑法六〇条、一八条
(裁判官 川口宰護)
(別紙1)
修正損益計算書(合計)
<省略>
修正損益計算書
<省略>
修正損益計算書
<省略>
(別紙2)
<省略>