大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

福岡地方裁判所 昭和28年(行)30号 判決

原告 寺崎耕

被告 久留米市議会

一、主  文

被告議会が昭和二十八年十二月十八日開催された定例会において為した原告を除名する旨の議決はこれを取消す。

訴訟費用は被告の負担とする。

二、事  実

第一、請求の趣旨

主文と同旨の判決をもとめる。

第二、請求の原因

一、原告は昭和二十六年四月以来被告議会(以下単に被告という)の議員であるが、被告は昭和二十八年十二月十八日開催された定例会において、原告を除名する旨の議決をした。

二、右は、右定例会において成立した懲罰動議に基き、原告に対する懲罰として為されたものであつて、その事由とするところは、(1)原告が被告の議決を無視したこと、(2)一身上に関する事件について議事に参与し以て地方自治法(以下単に法という)第百十七条の規定に違反したこと及び(3)議長の命に従はず議場の秩序を紊し以て法第百二十九条の規定に違反したことの三である。しかし原告には右の如き事実なく、右議決は懲罰事由なきにかゝわらず為された違法のものであるか、又は懲罰権を濫用した違法なものであるからこれが取消をもとめる。

第三、被告の答弁及び主張

一、原告の請求を棄却する、訴訟費用は原告の負担とする、との判決をもとめる。

二、原告がその主張の日時以来被告の議員であること及び被告が原告主張の定例会において、原告主張の事由に基き原告に対する懲罰として原告を除名する旨の議決をしたことは認める。しかし、右議決はつぎにのべる事実に基くものであつて違法ではない。

三、(1) 原告は被告の議決を無視した。

被告は昭和二十八年十月二十七日開催された臨時会において久留米市議会常任委員会条例の一部を改正し、これに併い常任委員会委員の定数の変更及び委員の改選を議決し、その結果従前経済委員及び競輪競馬委員であつた原告は議長より総務委員及び警防委員に指名された。しかるに原告は右常任委員会条例の改正に伴う委員の定数の変更及びその改選は違法であるとして、つぎのような行動をとつた。

(イ)  昭和二十八年十一月十三日開催された総務、復興合同委員会において開会に先立ち委員長に対し総務委員として出席することを拒否すると申し出た。

(ロ)  同年同月十九日開催された警防委員会において、開会直後委員長に対し、右同様委員として出席することを拒否すると申し出た。

(ハ)  同年同月二十五日開催された予算調査特別委員会において、右十月二十七日の議決は無効であるとして、徒に異議をとなえ、議事を妨害し、右委員会を紛糾せしめた。

(ニ)  同年同月二十七日開催された総務委員会において、委員会に対し、右十月二十七日の議決に服従して出席するものではないと述べた。

(ホ)  同年十二月十五日開催された警防復興合同委員会に対し、委員として出席することを拒否すると通告し出席しなかつた。

(ヘ)  右同日附書面を以て被告議長に対し、新に選任された常任委員会は違法で法的な委員会と考えられないことが判明したから、従来の意思通り議員の任務を実行するから改選された常任委員会には出席できかねる。ねがわくば法的正式な委員会の開催を要求する旨の通知書を提出し、常任委員会及びその委員たる事実を明確に否認し、議会の議決を無視した。

(ト)  同年同月十七日開催された総務委員会において、委員長に対しすでに被告に対し右のような通知書を提出した旨を告げ、委員として議事に参与せず、重大な委員の職責を放棄した。

ところで被告は公営企業法の施行にともない久留米市役所の機構が改革され、事業委員会を新設する必要が生じたこと、経費節約上従来の競輪競馬委員会の所管事項を右事業委員会に移し、前者を廃止することゝなつたこと、復興委員会に土建業者である議員が数名委員となつており市民の疑惑を招く虞があつたこと、議員の所属会派に変動を生じ、各委員の割当が公平を欠くに至つたこと、各常任委員会の担当事項に変更を生じたゝめ委員定数の変更を必要とするに至つたこと等の理由に基き予め全員協議会を開いて十分検討を加えた上昭和二十八年十月二十七日開催された臨時会においてその常任委員会条例の改正及び委員会委員定数の変更を議決したのであるが、右は常任委員会設置に関する全面的改正であつたため、各議員は当然従前の委員たる地位を失うこととなり(昭和二五、二、一自連行第八号青森県総務部長宛行政課長回答参照)その結果議長が議会に諮り新に委員を指名選任したものであつて、かゝる条例の改正委員定数の変更及び委員の改選が適法であることは云うをまたない。しかも、右改正、改選等は形式的にもすべて適式になされているのである。しかるに原告がこれを違法であるとして、右に挙示したような行動に出たことは、まさに適法になされた被告の議決を無視し改正条例に基き改選された常任委員会の成立及びその委員たる資格を根本的且つ継続的に否認することに由るものであつて、単に議事の一時的妨害に止らず、かゝる議決無視、委員否認の態度を黙認せんか委員会の機能は痲痺し、議会の議事進行に重大なる障害を招来するものといわなくてはならない。而して被告議会における常任委員会は、地方自治法及び市条例により設置されたものであつて、法所定の常任委員会としての活動を為すは勿論、久留米市においては、議案審議の徹底と迅速化をはかるため、市長(乃至市執行部)は提出せんとする議案につき予め関係常任委員会の審議を経たうえ本会議に提出するを慣例としているのであつて、適法な常任委員会というべきであるが、原告の右の如き行動の結果関係常任委員会の審議は渋滞し、結局本会議の議事の進行に支障を来すことゝなるのである。又仮に前記各委員会が法第百九条第六項に定めた方法によつて開催されたものでないとしても、原告はこれを理由に委員会の適法性を争つて出席を拒んでいるのではないから、右各委員会の性格は本件と無関係である。従つて、原告が右の如き議決無視の行動に出たことは、被告議会の議員たる責務を拠棄したものであるのみならず、それによつて被告を侮辱したものであり、重大な地方自治法違反というべきである。

(2) 原告の本定例会の議場における行為は法第百十七条に違反する。

右定例会において原告の懲罰動議が提出され、所要の賛成を得て可決され、議案として成立し、議長の宣告によつて議題となつた以上、右は原告の一身上に関する事件であるから、原告は自発的に直ちに退場すべきであるにかゝわらず退場せず且つ議長の退去命令にも従はず、発言をもとめて右事件の議事に参与した。

(3) 原告の右議場における行為はまた法第百二十九条に違反する。

原告は右の如く原告の懲罰事案の審議につき除斥さるべきものとして及び法第百四条、第百二十九条第一項の規定に従つて被告議長より数度にわたり退去を命ぜられたにもかゝわらずこれに従はず、議長よりその執行を命ぜられた議会事務局職員にも抵抗したゝめ、被告は遂に警察権の発動をもとめざるを得なくなり、その間数十分にわたり議場は混乱した。かくの如きは議場の秩序の重大な紊乱といわなくてはならない。

原告にこのような地方自治法違反の事実ある以上、原告に対する懲罰として原告を除名することゝした被告の議決は正当である。

第四、被告の主張に対する原告の反駁

一、被告主張の右三の(1)について

(1)  本定例会における原告に対する懲罰動議は、被告主張の右(1)の(ヘ)の事実に基き提出されたものであつて、その他の(イ)乃至(ホ)及び(ト)の事実は懲罰の事由とはなつていない。従つてこれらの事実に基く原告に対する懲罰は無効である。

(2)  原告が被告主張の(ヘ)の通知書を被告議長に提出したことは認めるしかし右は右定例会の議場外且つ会期外の行為であつて、懲罰の事由とはなり得ないものであるのみならず右は正当な行為である。すなわち原告は、右条例の改正に伴う委員の定数の変更及びその改選はその内容においても又形式においても違法であると考えたので新に選任された常任委員の地位に不満をもつものではないが、一応原告の抱く法律上の疑義を解決すべく、昭和二十八年十一月五日地方自治庁に対し「(一)常任委員の任期は、条例に特別の定がある場合の外は議員の任期と同じであると解してよいか、(二)常任委員の総改選について一部委員中に反対がある場合、議会の議決により改選することができるか、右の場合常任委員の辞表提出がなくとも改選が可能できるか、改選に反対する者に対して所属委員会の変更をすることができるか」等に関し照会したところ、自治庁より同年十二月十日附書面を以て、右(一)については「お見込のとおり」、(二)については、「常任委員会条例に特別の定がない場合においてはできないものと解する」と回答して来たので、原告は自己の解釈が正当であるとの確信を深め、議長に対し右疑義を検討すべく其の考慮を促すため自治庁よりの回答書の写を添付して右のような通知書を提出したものであつて、これは議員として当然為すべき職責をつくしたに止まる。けだし右条例の改正は単に競輪競馬委員会の名称を事業委員会と改め、その分担事項に「企業部の主管に属する事項」を追加し、又復興委員会の分担事項中「水道課瓦斯課」を削つたにすぎぬのであつて、常任委員会設置に関する全面的改正とはいえず、従つて、右委員定数の変更及びその改選は、各議員の同意のない限り行い得ないにもかゝわらず、これなくして―少くとも原告は同意していない―なされたものであつて、実体上違法であるのみならず、又その形式においても、委員定数の変更は適式に議題とされておらず、しかも右改正条例の告示前従つて公布前になされたという瑕疵があるからである。

(3)  かりに被告主張の右(イ)乃至(ホ)及び(ト)の各事実を以て懲罰事由と為し得るとしても右はいずれも右定例会の議場外且つ会期外の行為であつて、本来懲罰の事由となり得ないものである。けだし、被告主張の右各常任委員会は、議案の事前審議のため会期外において慣例として行はれているものであつて、法所定の常任委員会ではなく、いわば、一種の協議会にすぎないからである。

かりにそうでないとしても、右のうち(ハ)の事実は否認する。(イ)(ロ)(ニ)及び(ト)の各委員会に「委員」として出席しなかつたことは争はないが、原告は右各委員会に「議員」として出席しその職務はつくしているから、被告の主張は理由がない。(但し(ホ)の事実は争はない。)

二、被告主張の右三の(2)について

原告が直ちに議場から退去しなかつたことは争はない。しかし、原告は下記の如き事情によつて退場しなかつたのである。すなわち当日の会議半ばに於て佐藤議長は原告より右の如き通知書が議長宛に提出されている旨の報告があり、書記をして右通知書を朗読させ之が終るや、間髪を入れず古賀副議長より「原告はみだりに異論を立て議員の職責を自ら拠棄したものであるから懲罰」を科すべきであるとの趣旨の動議が提出され、右動議は公友会所属議員二十五名の賛成を得て直ちに成立した。井元議員は原告の申出は当然の権利行使である旨発言してこの動議に反対の意見を述べんとしたところ、議長は直ちにその発言を中止させ、原告に対し退場を命じた。原告は動議に対する質問と右の如き通知書を提出した趣旨を弁明すべく発言を求めようとしたが、議長は頑としてこれを許さず、議会は原告に発言させる必要はないと議決し、議長は重ねて原告に退場を命じた。原告は事の意外に驚き暫しこれに応じなかつたところ、古賀副議長は更に原告が法第百十七条及び第百二十九条の規定に違反したものとして、これを懲罰理由に追加する旨提案し、被告はこれを追加することの議決をした。原告は発言を求めようとしたがその機会は全くなく、やむを得ず議場に於て其の成行を見守つていたところ、古賀副議長は遂に警察力により原告を退場させると極言するに至つたので、原告は井元議員の勧告に従い議場より退去した。原告退場後懲罰委員が指名され、その委員会の報告に基き、被告は公友会所属議員二十五名のみで(他の議員は全部退場)原告を全員一致で除名する旨議決した。原告は昭和二十六年四月議員定数三十六名中第十三位を以て当選するや、常に市民の真の代表者たらんことを念願し是々非々の態度を堅持し、市政の鋭い批判者であつたため、一部人士は原告を畏怖し、果ては原告を議会より排除せんと企てゝいた模様であつて、数ケ月前既に原告除名の動きが感知されたほどである。偶々原告が常任委員の改選に疑義を挿み、前記の如き通知書を議長に提出するや、原告の失脚を窺う公友会所属議員は好機逸すべからずとなし、多数を恃み、強引に除名を議決したものである。右の次第で原告は単に懲罰理由について質問し、通知書を提出した趣旨を議場において弁明するため暫く退場を躊躇していたに過ぎず、原告に対する懲罰の議事に参与したものではない。

三、被告主張の右三の(3)について

原告が退場を躊躇していた事情は右二に述べたとおりであつて、それによつて、議場の秩序を紊したことはない。若しも議場の秩序を乱し議会の運営を阻害したものがあるとすれば、右の如き全く不法な目的のために原告に質問と弁明の機会を与えず、多数の力を暴用して非民主的に行動した多数派議員に外ならぬ。

第五、証拠<省略>

三、理  由

原告が昭和二十六年四月以降被告議会の議員であつたこと、昭和二十八年十二月十八日開催された被告議会の定例会において原告に対する懲罰として原告を除名する旨の議決をなしたことはいずれも当事者間に争がない。よつて被告主張の懲罰事由について順次判断する。

(一)  原告が被告の議決を無視したとの事由

原告は本件懲罰は初め被告主張の(1)の(ヘ)の事実に基き提出されたものであつて、その他の(イ)乃至(ホ)及び(ト)の事実は懲罰動議中に含まれていなかつたと主張するので、まずこの点について検討するに、本定例会に於ける懲罰動議の事由として右(イ)乃至(ホ)及び(ト)の点は成立に争のない甲第九号証に証人古賀智信の証言(第一回)を併せ考えるも、これらが悉く明細且つ具体的に含まれていたとは認められないが、証人石橋幸八の証言によつても認められる如く原告が後記通知書を議長に提出した前後に於ける所謂委員会等に於ける後記認定の如き原告の行動はその概略に於ては全議員が既に承知していたこと、弁論の全趣旨によつて明かな原告の右通知書提出と各委員会に対する欠席又は議事不参加はいずれも常任委員会改選に関し法律上の疑義を有する原告の意見の具体的な現われと見るべきであつて、これを別異に取扱い得ない事情にあつたことを考えれば、右(ヘ)を除く其の他の事由も当初の懲罰動議中に含まれていたと認めるのが相当である。(但し如何なる観点から懲罰の事由となつたかは後段説示による)、右甲第九号証にはこの点判然たる記載はないが、会議録は必しも議会に於ける論議の詳細を記録するものでないことを考えれば、同号証の存在によつては右認定を覆すに足らず其の他右認定を左右する資料はない。

そこで被告主張の(イ)乃至(ホ)及び(ト)の事実の有無について考察する。成立に争のない甲第六、第七号証第十三、十四号証第十六乃至第十八号証に証人友田民治、同近藤徳之助の各証言、原告本人の供述を綜合すれば、(イ)昭和二十八年十一月十三日開会の総務復興合同常任委員会の開会直前原告は同日の議事を主宰した近藤総務委員長に対し前記委員の改選に疑義をもち研究中であるから本日の委員会にはオブザーバーとして出席したい旨告げたが、近藤委員長は原告がさきに新に選任された総務委員会の委員長選挙に投票しているので、原告の右申立にも拘らず原告が委員として出席したものと認め、原告の同委員会に於ける発言を許し、原告は事実上委員として議事に参与している事実、(ロ)同月十九日開かれた警防常任委員会に於て委員長が開会を宣言したところ、原告は常任委員の改選に疑義があり自治庁に照会中であるから、それが法的に明確になるまで、いろいろと委員会に迷惑をかけることもあるかと思い心苦しいが、委員として出席しているのではなく議員として出席しているのである旨の発言をしたので、委員長及び事務局長より交々原告の飜意を求めたがこれに応ぜず、ために委員会は定足数を欠く(原告を含め五名出席)ものとして委員長は暫時開会を見合せ、本山委員の出席をまつて議事を進め、原告は議事に参与している事実(近藤証人は原告が将来委員たることを認めるものとして原告に発言を許したと証言しているが、甲第十四号証の委員会録の記載によればこの点必しも明かでなく、記録上は寧ろ委員として発言したものと解すべきであらう)、(ハ)同月二十五日開会の予算審査特別委員会に於て、全議案の審査終了後古賀副議長より原告が常任委員会にオブザーバーとして出席することは議会の議決に反する行動であるから検討したい旨の発言があり、これを口火として鶴久、友田委員等と原告との間に委員会改選に関する応答があつた事実(被告主張の如く原告が右特別委員会の議事を妨害し、委員会を紛糾せしめたという趣旨の近藤証人の証言は甲第十八号証に照し措信出来ない。もつとも原告が当日審議された議案の多くに対し或は反対し、或は賛成を留保した事実は右甲号証上明瞭であり、原告の態度が一部委員等を刺戟したことはあり得ないことではない)、(ニ)同月二十七日開かれた総務常任委員会において開会へき頭近藤委員長は原告に対し、委員として出席しているのならば発言を許すがそうでなければ発言を許さないから態度を明かにせよと迫り、原告は自分の考えが誤つて居れば議決に従うが疑義を法的に解明してほしいと弁明し、結局井元委員のとりなしにより、原告は前叙委員会改選の議決に従うものではないが議員としての職責を果すために本日より総務委員としての権利義務を行使するとの諒解が委員長と原告との間に成立し、原告は右留保を条件として委員として当日の議事に参与した事実、(ト)同年十二月十七日開会の総務常任委員会において原告は委員席に着席せず、一般議員等が傍聴する座席に着いていたので、委員長は委員としての出席と認めず、議事を進行した事実並に、同年十月二十七日開会の市議会臨時会に於て議決された被告議会委員会条例の一部を改正する条例並に常任委員会委員定数の改正及びこれに伴う常任委員の議長指名による改選について原告は右議決の方法改選の効力等について法律上疑義があると考え、この旨議場に於て意見を述べ、殊に当該常任委員の承諾がない改選は法第百九条第二項の規定との関係上無効であるとの疑を抱き、この個人的意見の正否を確かめるため、議長の了解を得て翌十一月三日地方自治庁に出頭し資料を副えて同庁事務官の意向をただしたところ、常任委員会条例の一部改正によつては委員会の同一性が失われていないから、当該委員の承諾なしには改選できない旨の回答を得たので、更に文書による正式の回答を入手すべく翌々五日照会書を自治庁に提出の上離京し、其の後自治庁より甲第七号証の回答書を入手したので、自己の意見が裏付けられたものと判断し、(ホ)同年十二月十五日開会の警防復興合同常任委員会には警防委員として出席しないと通告し、事実上これに出席せず、同日附書面で議長に対し被告主張の(ヘ)の通知書を提出し、(ト)同月十七日の総務常任委員会に対しても前叙の如く委員として出席しなかつた事実(前記(ホ)(ヘ)の事実は当事者間に争がない)を夫々認めることが出来、右認定を左右する証拠はない。

そこで右の如き原告の言動が懲罰との関係に於て如何に評価さるべきかを考える。

(い)  原告の言動が懲罰との関連において常任委員会又は特別委員会の秩序を乱し、ひいては議会の運営を阻害したといえるか。

前認定の諸事実に照せば(イ)の常任委員会に於ける原告の行動には何等かゝる秩序紊乱のかどがないこと明白であり、(ハ)の特別委員会に於ける原告と他の議員との応しゆうは全議案審査終了後のことであり、且又右特別委員会に付議された事件とは何等関係がなく、前認定の事実によれば秩序を乱した所為があるとは認め難い。

(ニ)の常任委員会に於ても結局委員として議事に参与したのであつて、秩序紊乱とは言い難い。(ホ)及び(ト)の委員会には原告は委員として出席しなかつたのであるが、そもそも本会議又は委員会に出席することは議員の名誉ある権能であり、これに出席するかどうかは各議員の良心と良識に委せられていることがらであつて、一般には法律上出席を強制されることがないことは議員の地位の特殊性を考えれば当然の事理であらう。尤も代議制度の思想的意味よりすれば議員は自己を当選せしめた選挙民に代り、議会に民意を反映せしめるために出席する政治道徳上の義務あることは否定出来ない。しかし、この政治道徳上の義務違背たる欠席が法律上問責せられるのはたゞ欠席が定足数との関係上議会又は委員会の機能を妨げる如き特殊の場合に限るのであつて、議長が特に招状を発する等適当な手続を経た上でなお故なく出席しない場合、議長の職権として議会の議決を経てこれに懲罰を科しうるにすぎない。法第百三十七条には国会法第百二十四条の規定の如く委員会に欠席した場合のことを規定していないが、これは必しも委員会に欠席したものに懲罰を科し得ないという趣旨に解釈すべきではなく、条例に国会法に準ずる定をすることによつて処罰しうると考える。本件に於て被告議会にかゝる条例の定があり、且つ適当な手続を経た等の事実については何等主張立証がないから右欠席自体を懲罰の事由となすことはできない。次に(ロ)の事実について考えるに、原告は該委員会に出席しながら委員長等の要請を拒否し、委員として議事に加わることを拒否したゝめに定足数に満たず一時開会を延引するのやむなきに至らしめたのであるから、これを単なる欠席と同視することはできず、原告が故なくかゝる態度に出たものとすれば(故なくといえるかどうかは更に後述する)これは一応懲罰の対象となりうると解せられる。しかしながら普通地方公共団体の議会が、その議員に懲罰を科しうるのは、原則として議場又は議会における行動であつて議会の品位を汚し、その権威を失墜する言動又は議会の秩序を乱しその円滑な運営を阻害する言動に基くことを要し、議員の議会外の行為が懲罰事由たりうるは、それが正当の事由を全く欠除し、しかも議会の存立活動と場所的時間的に接着する等これと密接不可分の関係に立ち、これあるがため議会の円滑な運営が妨げられ或は妨げられる現在且重大な危険が存する等極めて例外的な場合に限られると解するのが相当である。ところで本常任委員会が議会開会中のものでなくして、所謂議案の事前審議のため議会の開会前即ち閉会中に開会せられたものであることは被告の認むるところであり(この点前記(イ)(ニ)(ホ)及び(ト)の各常任委員会に共通)右委員会が議会の議決により特に付議された事件についても審議する法第百九条第六項所定の常任委員会であつたかどうかの点は何等主張立証がなく、却つて弁論の全趣旨によれば同条所定の委員会ではなく、小都市の自治体議会の運営の便宜上慣例的に開会せられている一種の常任委員の協議会ともいうべきものであつたと認められる。かくの如き慣例上の常任委員会が一般に法的にいかに評価さるべきかは別問題としてかゝる委員会に於ける委員の言動は、少くとも法が懲罰の対象としている議会における行為の観念中には含まれないと解せねばならぬ。けだし議会がその機能を果すのは原則として会期中に限るのであつて、会期外においてこれをなすは例外の場合に限り、そのために法が特別の規定をなしている所以は事案処理の敏活迅速を期するためと同時に、執行機関の事務の遂行、住民の議会活動に対する監視批判並に議員の議会外政治活動と日常生活との関係に於て議会の機能をある程度時間的に制限する強い要請があるためである。それ故に議員の名誉と職務遂行に重大な影響ある懲罰に関する規定はその性質上厳格に解すべく、原則として会期中議会における行為か、又は閉会中の常任委員会においては法第百九条第六項所定の委員会における行為に限るべく、みだりにこれを拡張して前叙の如き法に規定のない便宜的な常任委員会における言動にまでこれを及ぼすべきではない。以上の理由により(ロ)の点もまたこれを懲罰の対象とすることはできない。

(ろ)  原告が常任委員の改選の適法性を争い議長に対し改選前の常任委員会の構成を求め、又は議長ないし改選後の所属常任委員長に対し、改選に関する法的疑義が明かになるまで改選後の常任委員会における委員としての職務執行を差控える旨通告することは議会の秩序を乱し、またはその品位を傷つけたことになるか。

以上(い)に於ては被告主張の所謂議会の議決無視の行動を常任委員会への出欠及び議事参加との関連において考察したのであるが、次にかゝる具体的な行為と離れて抽象的に常任委員会の適法性を争う意見を議会の代表機関又はこれに準ずるものに通告することが議会の秩序紊乱または品位損傷となりうるかどうかを検討する。これは主として当事者間に争のない(ヘ)の点に関するが、(イ)(ロ)(ニ)(ホ)((ホ)の事実は当事者間に争がない)にも関係する問題であつて、(ヘ)を除いて(イ)以下については当該常任委員会か法第百九条第六項所定のものであるかどうかという前叙認定事実は被告主張の如くこの点の究明に当つては一応これを度外視することができる。およそ常任委員会は議会の円滑な活動のために重要な機能を果す機関であるから故なくその存立を争い、または議員が自己の委員資格を争うことは議長の許可なく委員を辞任する等の所為があつた場合同様(衆議院規則第三十九条、参議院規則第三十一条参照)議会の品位を傷つけたとはいえなくとも、場合によつては議会の秩序を乱す行為となり得なくはない。本件に於て原告はかゝる抽象的意見を発表したというだけでなく、改選後の委員会に出席しない強固な意図を議会開会直前に議長に通告したのであるから、もしも改選が適法でありかつ原告の右通告が何等理由のないものであるならば全く懲罰の対象となりえないとは言いきれない。何故ならば、本件に於てかりに国会法第百二十四条類以の委員会条例の定があつたとしても、全く招状に応じない意向を表明した委員に招状を発することは迂遠且つ不適当であらうから、かゝる場合議長は法第百三十七条の規定に準じ一定の妥当な手続を経た上(この場合の処置は国会法の資格争訟手続が参考とされてよいか)当該議員を懲罰事犯に問うことも亦可能としなければならぬ。もつともこの場合の懲罰は委員会の機能保持という議長の職権に関連する懲罰であるから、法第百三十七条を準用して議長職権による懲罰としなければならぬ。そこで先ず原告の前記通知書を評価する前提として常任委員の改選が適法であつたかどうかを考える。昭和二十八年十月二十七日開会の臨時会において被告議会の常任委員会条例の一部を改正する条例案が付議され、原告を除く出席全議員の賛成により適法に可決されたこと、その改正の要旨は第一条第一項中「競輪競馬委員会」を「事業委員会」に改め、同条第二項中復興委員会の分担事項中「水道課、瓦斯課」を削り、事業部の分担事項を競輪競馬部と企業部の主管に属する事項とする第四条に「常任委員及び特別委員の選任は議会に諮り議長が指名する」との新な規定を置くこと、にあつたこと、右改正は公布の日から施行される定になつて居り、即日公布されたこと、右の議決に次いで議長は常任委員の定数改正を議会に諮り可決されたこと、右定数改正は総務、文教及び経済の各常任委員の定数を一人宛増加し、厚生及び警防は各一人、復興は二人を夫々減員し、競輪競馬の九人が新しい事業常任委員会では十人とするものであつたこと、更に引続いて常任委員選任が追加議題として提出され、該動議成立の上議事日程に追加され、一旦休憇の上再開された午後の会議に於て議長より新常任委員の指名があり、原告を除く全員の賛成により指名が議会により認められたこと、従前経済委員及び競輪競馬委員であつた原告は新に総務委員及び警防委員に指名されたことは当事者間に争のない事実と成立に争のない甲第二乃至第六号証により明白である。よつてこの点に於ける主張争点、すなわち原告主張の如く右は単に常任委員会の名称変更とその所管事項の一部改正に止り、従前の委員会と改正規定による委員会はその同一性を失わないと解すべきか、それとも被告主張の如く右は常任委員会の全面的改正であつて、改正前後の委員会の同一性が失われると解すべきかについて判断する。なるほど条例改正の文言及び競輪競馬も一種の市営企業と考えられるから、右の改正は単に競輪競馬委員会の所管事項を拡張し、その結果名称を事業委員会と改め、復興委員会の所管事項の一部を削除したに過ぎないとも解せられ、委員会の同一性は失われず、条例に特別の規定がない限り法第百九条第二項の規定により、当該常任委員の改選は本人の同意がない限り行うことができないと解せられるようにも見える。しかしながら委員会の所管事項の一部変更がありこれに伴つて委員定数を変更したときとか又は議員の会派所属の変更により委員の各派割当を変更する必要がある場合には議員の任期中と雖も適当な手続により委員の変更をなしうると解すべきところ(地方自治法には国会法第四十六条に対応する規定はないが、条例に定めることによつてこれをなしうると解する)本件に於て前認定の如く委員会の名称及び所管の一部変更に伴つて委員定数の全面的改正がなされたのであるからこの両者を相関的に観察すれば寧ろ被告主張の如く新旧委員会は全面的に同一性を失い委員の選任と同時に旧委員資格は当然に喪われるものと解する方が妥当であるように思われる。(原告は尚委員会改選には諸種の手続上の瑕疵があると主張し、委員会条例の一部改正より新委員の選任までの手続が必しも上手になされたとは考えられないが、手続上の著しい瑕疵は証拠上発見できないだけでなく、前叙認定の如くかゝる瑕疵は本訴提起までは当事者間の主要な争点とはなつていなかつたのであるからこの点の詳細な検討は省略する)。右の如く常任委員の改選は手続上の瑕疵がないとすれば、委員会の所属が変更される議員の同意がなくとも新委員の選任は有効であり、これにより旧委員は当然その資格を喪うと解する方が妥当であるが、このことたるや当然自明の事理というわけにはゆかず解釈上頗る困難な問題を含んでいるのであつて地方自治法の解釈について相当の権威をもつと考えられる地方自治庁ですら甲第七号証と乙第二号証の如き一見矛盾するかに見える解釈を下していることに照してもその間の消息が窺えるのであつて法律的に深い素養をもつと考えられない若年の原告が初め抱いた素朴な疑問を自治庁の解釈によつて信仰にも似た一種の確信にまで高め、これをあくまで主張することこそ議員の職責に忠実な所以であると考え、これに基き前叙の如き言動に出でたことは全く理由のないことではない。しかして委員会の改選に関するかゝる真面目な疑義(原告が不純な動機でかゝる疑義を主張した根跡は記録上何等存しないだけでなく、弁論の全趣旨によれば原告の疑義主張は真面目な動機に出たものと認められる)が議長に通告された場合前叙の如く議長はそれによつて委員会の運営、ひいては議会の運営に支障ありと考えるならば、前叙の如く適当な手続を経た上で、尚当該議員が新に選任された委員に就任することを拒む如き事跡ある場合、議長は始めてその職権によつてこれに懲罰を課すべきことを議会に求めうるのであつて、後段認定の如く、議長が議事半ばに原告の議長宛通知書を朗読させ、間髪を入れず副議長に於て議会の議決を無視したものとして懲罰動議を提出し、原告の弁明をも聴かずしてこれを懲罰委員会の議に附する如きは、全く懲罰事犯なきに懲罰を課する違法あるか又は著しい懲罰権の濫用であつて、かゝる動議に基く原告に対する懲罰は到底適法であるとは言えない。

以上の如く原告が議会の議決を無視したとの点は如何なる観点よりするも、これに懲罰を科する正当な事由とならない。

(二)  原告の行動が法第百十七条の規定に違反するとの事由。

前示甲第九号証、成立に争のない甲第一号証、甲第二十九号証に証人古賀智信(二回)井元二八郎、山下善助の各証言、原告本人の供述、被告代表者本人訊問の結果の各一部を綜合すれば被告議会における最大の会派(議長副議長を含み、定員三十六名中二十五名を占める)である公友会所属議員中には、かねてから原告が年少であるに拘らず事毎に異論をとなえて、多数派に反撥する態度に出ることを快しとしない者があり、原告の存在を頗るうるさく感じていたのであるが、偶々昭和二十八年十月二十七日の臨時会に於て前叙の如く原告が常任委員の改選に反対し、これにつき法的疑義ありとして慣例の常任委員会の内外に於て強硬に自説を主張し議長其の他の勧告をも却けて飜意の色を示さなかつたので、著しく反感を高め、内々地方自治庁にも照会したところ委員改選は適法であるとの回答を得たので、原告を処分する好機至れりとし、同年十二月十八日開会の定例会の前日開かれた公友会の所謂前夜会において翌日の会議で原告を除名すべく手筈を整え(公友会全員にかゝる意向があつたかは疑わしいが)翌十八日議長は議事半ばに報告すべき案件ありと冒頭して、原告から前記通知書が議長に提出されている、自分は委員改選の議決が適法であると考えるが一応通知書を朗読させると発言し、議会事務局員にこれを朗読させ、議長の報告が終るや古賀副議長は右通知書によれば、これは懲罰に該当するとして、原告を懲罰に附すること、懲罰委員の数は十名とし議長指名によりこれを選出する旨の動議を提出し、右動議は井元議員の反対があつた外発言なく多数によつて可決され、議事日程に追加された。そこで議長は法第百十七条の規定により原告を除斥する旨宣し、原告の退場を求めたが、当日の議会において原告が除名されるとの風評は既に相当広汎に拡がつて居り、当日の朝刊紙上にもその旨の報道があり、また市長等より原告に対し除名されるかも知れないから言動をつゝしむようとの忠告もあり、原告はこれを予測しないわけではなかつたが、議会開会後懲罰に該当する行動をとつた覚えがないから、公開の議場でこのことを弁明すれば懲罰に反対する議員もあると考え、議長が再三弁明を聞くかどうかは後刻議会に諮つた上で決するから退席せよと命じたにも拘らず、原告はこれに応じなかつた。そこで副議長は原告に法第百十七条違反の所為があつたものとして、これをも、懲罰理由に追加する旨の動議を提出し、多数をもつてこれを可決した。議長は書記に原告を退席せしむべく命じたが容易に退席しないので、古賀副議長より警察権の発動を要求する旨の発言があり議長は遂に警察力をもつて原告を退場させると宣した。そこで原告はやむなく井元議員のすゝめに従つて退場し、この間数十分間議事は停滞した。議長はついで発議者の趣旨弁明を求め、副議長は、適法な委員の改選を違法として常任委員の招集に応じないのは議事規則の違反であり議会政治の否認であり、議員の品位を汚す言動であり議会の運営を阻害する、しかも言語道断の通告文を提出したのであるから、多数党としての重責上慎重審議の上私情に於ては忍びないが、涙をのんで懲罰動議を提出したと趣旨弁明があり、議長より質疑の有無を確かめ原告に弁明を許すかどうかを諮つたところ、「必要なし」との発言があり、弁明は許さないことに決定した。引続いて懲罰動議が可決され、議長に於て副議長外九名の懲罰特別委員を指名し、原告を入場せしめて、懲罰委員会を開会する間暫時休憩を宣した。懲罰委員会が終つた上で議会は午後一時開かれ、原告を退場せしめた上で古賀懲罰委員長より被告主張の三つの理由により原告に懲罰を課し除名することに満場一致で決定した旨の委員会の報告があり、荒木議員より除名は重きに失するとの意見陳述が行われ、ついで原告の弁明が許され、原告より通知書提出に至るまでの経過を報告し、自己の抱いている疑義を皆で十分検討してほしいというのが本意であつて議会の運営を合法的にやつて貰うようすることが議員の責任を全うする所以であると考えたからである旨の弁明がなされ、原告退場の上社会党系其の他七名の議員退場裡に公友会所属二十五名の全員賛成により原告の除名が議決されたことが認められ、右証言及び供述中これに反する部分は措信しない。

ところで法第百十七条にいう一身上の事件について議事に参与するとは、当該事案の審議及び採決に加わることを指すものと解すべく右認定事実によれば、原告は単に懲罰事犯の審議に先だち議長に対し、弁明の機会が与えられるよう要求した(かゝる要求それ自体は何等違法性がないことは衆議院規則第二百三十九条、参議院規則第二百四十条に対応する規則の定がない場合でも条理上自明である)に止り、何等事案の審議採決に加わつていないのであるから、法第百十七条の規定によつて原告を問責することはできない。

(三)  原告の行動が法第百二十九条の規定に違反するとの事由

右(二)に於て認定した如く、原告に対する懲罰動議が可決され議長が原告の除斥を宣し、尚原告の弁明要求に対しては後に議場に諮つて許否を決する旨述べたのであるから、原告としては速かに退場すべき義務があるに拘らず、議長再三の勧告と命令にも拘らず、頑なに弁明を要求して退席せず、遂に警察権発動が云々され一時議事の停滞を来すに至つたことは、それ自体としては議会の秩序の重大な紊乱行為といわねばならぬ。しかしながら前段説示の如く本件懲罰事犯は原告に対して懲罰を課し得ない場合であるにも拘らず、これに懲罰を科すべき事由ありとして提起された全く正当性のない懲罰動議の提出に始まつたものであるだけでなく、前認定の如く公友会所属議員の一部が原告を除名せんと考え、これを決行した経緯には少からず公正妥当を欠く措置があつたと考えられるのであるから、議場混乱、議事停滞の大半の責は懲罰動議提出者側が負うべきであつてこの点に於ける原告の非行のみを責めることは著しく酷に失すると断ぜざるを得ない。言うまでもなく議員の除名は謂はゞ極刑であつて単に当該議員の人格名誉に対する重大な打撃であるだけでなく該議員を議場に送つた市民の発言権を奪う結果ともなるのであるから、その非行の情状が特に重い場合に限らるべきであつて(衆議院規則第二百四十五条参議院規則第二百四十五条参照)みだりにこれを強行すべきではない。ところで前記事実を斟酌すれば、結局原告の秩序紊乱行為の情状は如何に考えても特に重いということができない。

以上(一)乃至(三)いずれの事由によるも原告に対する懲罰としてこれを除名する旨の議決は、その事由がないにかゝわらずなされた違法のものであるから、取消を免れない。原告の本訴請求は理由があるからこれを認容し、なお民事訴訟法第八十九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 丹生義孝 亀川清 川上泉)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!