福岡地方裁判所 昭和29年(ワ)971号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
原告らの主張の要旨は次のとおり。原告ら所有土地を、被告国は、米空軍基地として提供して無権限で占有しているから、原告らは被告に対し、米軍使用の施設を撤去の上土地の明渡を求める。もつとも原告治一郎同英一と被告との間には昭和二十七年七月二十八日附で昭和二十八年三月三十一日までの賃貸借契約書が作成されているが、該契約は(1)代理権欠缺のため、また(2)憲法第九条違反の故に無効であり、仮に有効であるとしても、(3)期間満了により現在は効力がない。
被告の答弁の要旨は次のとおり。原告治一郎所有の飛行場敷地については昭和二十年十二月頃、原告ら三名所有の山間部オイルタンク地区については昭和二十三年一月頃、原告ら代理人と被告との間に、占領軍もしくは占領終了後外国軍隊が駐留する場合におけるその駐留軍の使用に供するためその必要とする期間被告に賃貸する旨の契約(但し右期間の点については黙示の)が成立している。もつとも契約書の作成は日附より遅れ、かつ毎会計年度限りの契約を更新した形となつているがこれは財政法等の関係からそうなつているのであつて、必ずしも事実上の契約関係を如実に反映していない。
本判決は、占領が継続する限り占領軍の用に供するために本件土地を被告に賃貸することは原告らが黙示で承諾したと認定したうえ、占領終了後は外国軍隊が駐留するとは限らぬし、占領軍と駐留軍とは性格もちがうから、占領が継続する限り占領軍の用に供するため土地を賃貸することを承諾したことは、占領終了後駐留軍の用に供することを承諾したことにはならぬという。
なお判決は原告らの代理人と称して被告に書面を差入れた者の権限について判断している。