大判例

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福岡地方裁判所 昭和40年(ワ)605号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕原告は、訴外鹿幸子と被告間になされた前記売買予約は原告の訴外鹿幸子に対する右損害賠償債権を害するためなされた詐害行為であるとして民法第四二四条によりこれが取消を求める旨主張するが、およそ詐害行為取消権は債権者についてではなく特定の債権について生ずるものであるから、右取消権を生ずる債権は詐害行為と目される法律行為のなされる以前に成立していなければならないこと多言を用いるまでもないところ、本件において原告主張にかかる訴外鹿幸子に対する損害賠償債権の存在を認めるに足りる資料は全くない。なるほど前叙の如く原告が訴外鹿幸子を相手取り損害賠償の訴を当庁に提起したことは当事者間に争がなく、成立に争のない甲第二号証によれば、右訴における原告主張の要旨が、原告は本件土地において訴外鹿幸子と砂採取の共同事業をもくろみ、共同事業の契約を締結し、本件土地につき二分の一の持分を同女から譲り受け共有者となつたが、同女は原告にその旨持分移転登記はなしたものの、その引渡をなさず、かえつて自己の持分を訴外杉本福一に売渡したので前記共同事業経営は断念の止むなきに至り、結局同女の債務不履行により右事業からの得べかりし利益を喪失し、同額の損害を蒙つたので、同女に対し債務不履行にもとづく損害の賠償として右得べかりし利益のうち金三〇〇万円の支払を求めるというにあつたことが認められるが、もとより、これをもつて詐害行為取消権の前提をなすべき債権の存在を認めるわけにいかないことは云うまでもないし、かえつて当庁昭和三九年(ワ)第一一〇八号として係属、審理された右訴訟が既に原告の敗訴に終り、現に控訴中であることは当裁判所に明らかであり、そのうえ前叙のとおり右訴は詐害行為と目される売買予約におくれること四ケ月ののち提起されていることを思えば、なおさらのことといわねばならない (麻上正信)

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