福岡地方裁判所 昭和44年(ワ)1475号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕原告は逸失利益として損害の主張をしないのでこれをも含めて慰藉料額を算定すべく主張する。損害賠償の一内容としての逸失利益について、この論証が不十分な場合には、これを慰藉料額に流用することは一概に否定できないとしても、逸失利益額の算定ができる場合にはやはりそれはそれとして論証すべきであつて、それを尽さず安易に慰藉料額に含ませることはできる限り避けるべきであると考える。のみならず、本件において、原告は前示のとおり自発的に退職したが、その後も臨時にしろ勤めていることからも窺える如く、本件事故によつて労働能力が、しかもそれが一〇〇パーセント低下したというわけでもなく、瘢痕も現在ではかなり目立たなくなつていることを勘案すれば、原告主張の逸失利益額をそのまま慰藉料額に含ませて算定するのは相当でない。(富田郁郎)