大判例

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福岡地方裁判所 昭和46年(わ)535号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕なお弁護人は、被告人の判示第二の所為につき、被告人は藤田誓六郎の隠匿所持していた本件あいくちを、その隠匿場所から持ち出し、短時間これを持つて右藤田を追いかけたのに過ぎないから、被告人の右所為は未だあいくちの不法所持の概念に該当しない旨主張するので付言するに、銃砲刀剣類所持等取締法三条一項にいう刀剣類の所持とは、刀剣類を自己の支配しうべき状態におき且つこれを持続することを意味するものと解せられるのであるが、前掲諸証拠によれば、被告人は、義弟藤田誓六郎に文句を言うつもりで被告人方の隣家である右藤田方に赴いたが、家人が不在であつたので、同家六畳の間の仏壇の脇に右藤田が隠匿していた本件あいくちを秘かに持ち出し、これを持つて一旦自宅二階に戻り、自宅玄関付近に右藤田が現われるや、右あいくちを持つて同人の所に赴き、同人に対し右あいくちを突きつけながら付近の工藤早苗方裏路上に至つたところを通報によつて馳せつけた警察官に発見逮捕され、その際警察官よりあいくちを捨てるよう警告されてようやくこれを路上に捨てたことが認められ、右事実によれば、被告人は本件あいくちに対する右藤田の支配を排して自己の事実上の支配下におき、且つ比較的短時間であるとはいえ、右支配関係を持続していたわけであるから、被告人の右所為は刀剣類の不法所持罪を構成するものというべきである。 (吉田修)

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