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福岡地方裁判所 昭和55年(わ)1621号 判決 1981年5月29日

本店所在地

福岡県北九州市小倉北区京町三丁目一三番一二号

法人の名称

小松総業株式会社

代表者の氏名

小松茂雄

本籍

福岡県北九州市小倉北区霧ケ丘二丁目二四番

住居

福岡県北九州市小倉北区霧ケ丘二丁目二四番五号

会社役員

小松茂雄

昭和一八年八月二六日生

右法人及び右の者に対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官塩谷安男出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告人会社を罰金六〇〇万円に、被告人小松を懲役六月に各処する。

被告人小松に対し、この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社小松総業株式会社は、福岡県北九州市小倉北区京町三丁目一三番一二号に本店を置き、貸金業等を目的とする資本金一〇〇〇万円の株式会社であり、被告人小松茂雄は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人小松茂雄は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、利息収入の一部を除外して簿外預金を蓄積する等の方法により所得を秘匿したうえ、

第一  昭和五二年三月一日から同五三年二月二八日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が三一、七六二、六〇八円あったのにかかわらず、昭和五三年五月一日、福岡県北九州市小倉北区萩崎町一番一〇号所在の所轄小倉税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三、一九二、六七六円でこれに対する法人税額が七三四、〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額一一、七〇五、一〇〇円と右申告税額との差額一〇、九七一、一〇〇円を免れ

第二  昭和五三年三月一日から同五四年二月二八日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二七、三九八、七五〇円あったのにかかわらず、昭和五四年五月一日、前記小倉税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二、八六九、九三〇円でこれに対する法人税額が七七二、五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額一〇、〇八八、四〇〇円と右申告税額との差額九、三一五、九〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

一  第一回公判調書中被告人の供述部分

一  検察官証拠等関係カード記載の番号14ないし45、47の各書証

一  押収してある法人税確定申告書綴二冊(昭和五六年押第七二号の一、二)

(法令の適用)

被告人小松の判示各所為は、いずれも被告人小松に関しては法人税法一五九条一項、二項に該当し、被告人会社に関しては同法一六四条一項、一五九条一項、二項に該当するが、被告人小松に関する罪につき所定刑中懲役刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、被告人会社に対し同法四八条二項により各罪所定の罰金の合算額の範囲内で、被告人小松に対し同法四七条本文、一〇条により判示第一の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で、被告人会社を罰金六〇〇万円に、被告人小松を懲役六月に処し、被告人小松に対し情状により同法二五条一項を適用して、本裁判確定の日から三年間同被告人の懲役刑の執行を猶予することとする。

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 赤塚健)

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