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福岡地方裁判所 昭和58年(わ)21号 判決 1983年6月21日

裁判所書記官

西依清秀

本店の所在地

福岡市中央区天神一丁目一三番二八号

法人の名称

ワールドエンタープライズ株式会社

代表者の氏名

吉塚強一

本籍

福岡県糸島郡志摩町大字小金丸四一〇番地の一

住居

福岡市中央区山荘通三丁目八〇番地 コープ野村山荘四〇二号

会社役員

吉塚強一

昭和一八年一月一四日生

法人税法違反被告事件

検察官

谷宜徳 出席

主文

被告人会社ワールドエンタープライズ株式会社を罰金二、五〇〇万円に、被告人吉塚強一を懲役一年二月に各処する。

被告人吉塚強一に対し、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社ワールドエンタープライズ株式会社は、福岡市中央区天神一丁目一三番二八号に本店を置き、金地金の商品取引業を目的とする資本金六〇、〇〇〇、〇〇〇円の株式会社であり、被告人吉塚強一は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人吉塚強一は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、自己取引で得た売買利益を顧客が取引したように仮装し、あるいは金地金の現物の架空取引による売買損失を計上して簿外預金を蓄積する等の方法により所得を秘匿したうえ、昭和五五年五月一〇日から同五六年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一九七、二九〇、七七六円あったのにかかわらず、昭和五六年五月二八日、同市中央区天神四丁目八番二八号所在の所轄福岡税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三、二七四、六二三円でこれに対する法人税額が二四四、八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額七七、四七四、二〇〇円と右申告税額との差額七七、二二九、四〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

一  第一回公判調書中の被告人吉塚強一の供述部分

一  被告人吉塚強一の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する供述調書四通

一  堤富子、菅原俊明、杉原真一、中嶋一寛(三通)の検察官に対する各供述調書

一  永田信哉(二通)、松尾伴典、豊島洋、石田尾敏幸(二通)、福田好晴、川口敏郎、松岡吉文、野尻三美、田中耕二、河合治生、波多江重剛、木村清次郎、糸数清美、三戸貞男の大蔵事務官に対する各供述調書

一  大蔵事務官作成の「査察官調書」と題する書面一九通

一  大蔵事務官作成の「脱税額計算書説明資料」と題する書面

一  松浦碩、赤上昭二、小原勝彦、竹中良平、今井信夫、木村良三、久保田泰功、森弘、浅野浩司、岩井昭興、平田大各作成の各証明書

一  吉塚強一作成の「上申書」と題する書面

一  検察事務官作成の「報告書」と題する書面

一  吉塚強一作成の「報告書」と題する書面二通

一  押収してある事業年度の確定申告書(昭和五八年押第九一号の一)

(法令の適用)

被告人会社につき

法人税法一六四条一項、一五九条

被告人吉塚強一につき

法人税法一五九条一項(懲役刑選択)

刑法二五条一項

(裁判官 早舩嘉一)

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