大判例

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福岡地方裁判所小倉支部 昭和56年(ワ)123号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【説明】

本件は、ナショナルクレジット株式会社が、クレジット契約等の締結および集金業務等の代行店であつた訴外有限会社カワバタ電器が被告らに家電製品を売却したとして売掛代金の請求がなされたものであるが、訴外会社は既に倒産し、破産宣告がなされているような事情のもとで、被告のうち全額ローン債務を支払つていた者につき、債権の準占有者に対する支払として債務消滅の効果が認められた事情である。参考判例として最判昭37.8.21(民集一六巻九号一八〇九頁、最判解説一三二事件、判時三二一号四頁)があるが、同判決は、①債権者の代理人と称して債権を行使する者も民法四七八条にいわゆる債権の準占有者にあたる、②債権の準占有者に対する弁済が有効とされるためには、弁済者が善意かつ無過失であることを要する、とする。

この種事案の発生が多い昨今、参考となろう。

【判旨】

しかしながら、<証拠>によれば、被告園田益子は、昭和五五年四月二〇日の時点で、カワバタ電器に対し、既に本件ローン債務金の全額を支払つていること、当時カワバタ電器はナショナルクレジット等本件ローン契約の締結、及び集金業務等を、訴外会社に代つて行つていた代行店の一つであり、同被告にとつては訴外会社に直接支払う方法はありえずカワバタ電器を通じて善意で右支払いを行つたものであることを認めることができ右認定に反する証拠はなく、してみると、右被告園田益子のカワバタ電器に対する支払いは債権の準占有者に対する弁済として、同被告の、本件ローン債務を消滅させているものと解するのが相当である。

(日高乙彦)

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