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福岡家庭裁判所 昭和29年(家)2097号 審判 1954年12月22日

国籍

アメリカ(ミシシツピー州)

住所

福岡県○○郡○○米空軍基地○○○○○号住宅

申立人

マーク・ピカツト(仮名) 外一名

国籍

日本

住所

福岡県○○郡○○米軍基地○○○○○号住宅

事件本人

江上一郎(仮名)

右申立人の養子縁組許可申立事件につき、当裁判所は審問を終え、申立を相当と認め、且養親たるべき申立人等の本国法に依る縁組の要件をも具備することを確認した上、左のよう審判をする。

主文

申立人等が未成年者江上一郎を養子とすることを許可する。本縁組に依り未成年者の新氏名を「チヤーレス・ウエイン・ワード」と称するものとする。

(家事審判官 徳田基)

申立の趣旨

申立人等が未成年者江上一郎を養子とすることを許可する。右養子縁組により江上一郎は申立人の氏を称し、同人等の嫡出子としての平等の相続権を取得する。

右趣旨の御審判を求めます。

申立の理由

一、申立人等は一九四四年六月二十四日アメリカ合衆国ミシシツピー州で婚姻したアメリカ合衆国市民で現在肩書地に居住しているが今日迄子供ができない。

二、未成年者江上一郎はその母江上キヨとアメリカ人との間に生れた混血児であるが、親権者たる江上キヨの同意を得て申立人方に於て現在養育中であつて、今般養子縁組をするにつき親権者の同意を得た。

三、申立人等の本国法たるミシシツピー州法によれば、申立人は養子に与ふべき贈物遺産等を申出ることになつて居り、養子の養親に対する相続権は養親が養子縁組の際これを与える事を申立てなければ発生しないことになつているので、申立人等が養子に申立人等の相続権を与えることが申立人等の本国法により、養子縁組の効果として認められるよう、申立趣旨記載の如き御審判を仰ぎたく、本申立に及ぶ次第である。

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