福岡高等裁判所 昭和24年(つ)74号 判決 1949年7月11日
被告人
山田靜男
主文
本件控訴はこれを棄却する。
理由
前略
又被告人が昭和二十四年一月二十三日下川虎造(控訴趣意書に大川とあるのは誤記であらう)方からラヂオ等を山下信男と共謀して竊取した点については、原判決は被告人及相被告人山下信男の各原審公判廷に於ける判示同旨の供述と被害者下川虎造提出の盜難被害始末書の記載を綜合してこれを認定しているのであつて、公判廷に於ける被告人の自白が存する場合に相被告人の自白を補強証拠に用ひることは毫も差支へないところであり殊に本件においては右の通りなお下川亮造の始末書中の記載が挙示されているのであるから原判決の証拠理由に論難される点はない。
(註) 被告人は、山下信男と共謀して本件窃盜をなしたものである。