福岡高等裁判所 昭和26年(う)2909号・昭26年(う)2910号 判決
原判決が罪証に供した、被告人作成の家蓄死亡廃用共済保険金請求書獣医師佐藤枝作成の検案書、津留崎林太郎作成名義の保険金請求書の各証拠物についての証拠調は公判廷において検察官から被告人にこれを呈示したのみで所定の朗読の手続がなされていないこと所論のとおりであるが、右各書面はその内容から観て被告人はこれを一見しただけで、その書面の意義を諒解し得られるものと思われるし、右の証拠調に対し被告人及び弁護人より異議の申立がなされた形跡は記録上見当らないので右のごとき証拠調手続の瑕疵は治療され適法な証拠調を経たものとして事実認定の資料に供し得るものと解するを相当とする。
(後略)