福岡高等裁判所 昭和26年(う)4027号 判決
原判決はその主文において、被告人生林から金六万四百円を追徴すべき旨言渡し、これに対し刑法第百九十七条の四を適用しているのであるが、該追徴金中には、原判示第一の(二)の四万円、同(三)の四千円を包含するものと解されるところ、右第一の(二)及び(三)は当該金員を借受けその職務に関し収賄したものであるというのであるから、賄賂として収受したのは右四万円と、四千円ではなく、該金融の利益に外ならない。すると被告人から沒収乃至は追徴し得べきものは、右金額自体ではなく、これによる金融の利益に過ぎないものといわなければならない。従つて原判決は、右両者の合計金四万四千円をも追徴した点において刑法第百九十七条の四の適用を誤つたものでしかも、この誤が判決に影響を及ぼすことが明であるから、原判決は刑事訴訟法第三百九十七条に則り破棄を免れない。論旨は理由がある。