福岡高等裁判所 昭和27年(う)1381号 判決
原審における証人野添保正、同速見忠男の各証言並びに医師小野四郎作成の速見忠男に対する診断書中同人の受傷の点に関する記載を綜合すれば、乙咩太郎方軒先附近(原審検証調書附属第二図面E点附近)で、被告人は野添保正に対し、矢庭に出刃庖丁を以て突いていつたが同人が身をかわした為該庖丁がその後方に立つていた速見忠男の左胸部に突き刺さつたものと認定するを相当とすべく、右認定の妨げとなる証左はない。しからば被告人は甲なる人に斬付ける意思を以て攻撃し同じく人たる乙に傷害の結果を生ぜしめたものであるから乙に対する傷害に付傷害罪の成立あること勿論である。