大判例

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福岡高等裁判所 昭和27年(う)741号 判決

記録を調査するに、原判決が挙示する被告人の判示不法入国の事実を認定した証拠が被告人の原審公判廷における供述のほかは、被告人に対する現行犯人逮捕手続書、及び押収されている朴東銀名義の外国人登録証明書並びに上県地区警察署長の事実調査方照会に対する尼崎市長の回答書の各記載であり、しかも前記外国人登録証明書は朴東銀名義の外国人登録証明書に被告人の写真が貼布され恰も登録証明書の名義人が被告人であるごとく仮装されておること及び前記回答書は朴東銀が昭和二十六年三月十九日大阪方面で登録証明書を紛失した届出をして尼崎市長より再交付を受けていることを明かにしたものであり、また前記現行犯人逮捕手続書は被告人が右偽造された外国人登録証明書を行使した罪の現行犯人として逮捕された事実を内容とするものであること所論のとおりである。しかし被告人の自白以外の前記各証拠はそれ自体からすると、被告人の不法入国の事実を直接に認定する資料となし難いものと観えるようではあるが、被告人が他人の外国人登録証明書を自己の証明書のごとく装うて携帯していたことは、とりもなおさず、被告人において正規の登録の申請をしていないことを示すものであり、これにより必ずしもその不法入国の事実を窺い得ないものということはできないので、前記被告人の自白を補強する証拠とするに足りるものと解するを相当とする。

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