大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

福岡高等裁判所 昭和27年(う)804号・昭27年(う)805号 判決

覚せい剤の所持者から、その所持にかかる覚せい剤の携行を依頼されたものが、自からこれを支配する意思なくして、その依頼に応じその依頼者に随伴してこれを携行した所為は覚せい剤取締法第十四条第一項第四十一条第一項第二号所定の所持罪を構成することなく、同罪の幇助罪を構成するものである。けだし、物の所持とは人が物を実力的に支配する状態を指称するものであるから、物を実力的に支配している者からこれが携行を依頼されてこれに随伴してその物を携行する場合、その物に対する実力的支配は依然としてその依頼者に存し、依頼を受けたものにおいてこれを自ら支配する意思がない限り、その物に対する実力的支配関係を設定するものでなく、単に依頼者のその物に対する実力的支配を容易ならしめているに過ぎないからである。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!