大判例

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福岡高等裁判所 昭和28年(う)2866号・昭28年(う)2865号 判決

是に由り之を観ると、右平山久之助の副検事並びに検察官に対する、辻田初一、中島駒作に対し各金二千円を供与した旨の供述は元来副検事某の被供与者の氏名を表白してもこれを起訴しない旨の約束に基きなされたいわゆる約束による自白であり、被告人辻田初一、同中島駒作の司法警察員、検察官に対する右の点に関する自白も亦約束による自白といわなければならない。ところで検察官の不起訴処分に附する旨の約束に基く自白は任意になされたものでない疑のある自白と解すべきでこれを任意になされたものと解することは到底是認しえない。従つて、かかる自白を採つて以て罪証に供することは採証則に違反するものといわなければならない。尤も検察官が一たび、不起訴処分を約束したからといい、他の捜査官憲に対する当該関係者の同一事項に関する自白が常にことごとく不任意に出たものと論断するものでないことは多言を要しないところであり、かかる自白はそれが以前の検察官の不起訴処分の約束に基因するものか否かの観点に立脚してこれを論結するを妥当とする。

(後略)

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