福岡高等裁判所 昭和28年(ネ)144号 判決
「本件売買の目的たる宅地建物は、根抵当権設定者たる控訴人の根抵当権者株式会社福岡銀行に対する極度額六五〇万円の根抵当権の目的物となつて、右売買契約当時既にその登記の存在したことは当時者間に争がないので、特別の事情も認められない本件にあつては、買主たる被控訴人は売主たる控訴人に対し民法第五七七条の規定に準じ残代金の支払を拒みうることは明白であつて、たとえ控訴人主張のように、右根抵当権がただちに抹消しうる事情にあるとしても、現実にその抹消登記をしない以上は、単に実質上抹消登記を請求しうる権利が発生しているということのみによつて、被控訴人の代金支払拒絶権が消滅することはないのである。」