福岡高等裁判所 昭和29年(う)773号 判決
サツカリン又はヅルチン原料とする調味用固型人工甘味料の製造者は、その原料として使用したサツカリン又はヅルチンについて、既に物品税法所定の物品税が賦課されていると否とを問わず、製造場から移出される当該調味用固型人工甘味に使用されたサツカリン又はヅルチンの量に応じ、物品税法所定の物品税を納付すべき義務を負うものと解すべきである。けだし、物品税法第四条には、サツカリン又はヅルチンを原料とする調味用固型人工甘味料に対する物品税は、製造場から移出された当該調味用固型人工甘味料に使用されたサツカリン又はヅルチンの量に応じ、製造者からこれを徴収する旨を規定していて、原料として使用されたサツカリン又はヅルチンについて、既に物品税法所定の物品税が既に賦課されている場合とそうでない場合とを区別していないのみでなく、物品税法第一二条、同法施行規則第二二条の二、第二四条には、本件のように原料として使用される物品に対する物品税免除の方法を特に規定しているのであつて、この免税の方法があるのにかかわらず、敢えて免税の方法の講じられることなくして課税された物品を、原料として製品を製造する者について、徴税の実務上ほとんど判定不能の場合もあり得るものと思料される、原料に対する課税の有無を判定した上、製品に対する納税義務の有無を決すべきものとすることは、甚だ不条理であるといわねばならないからである。
(裁判長裁判官 筒井義彦 裁判官 柳原幸雄 裁判官 岡林次郎)