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福岡高等裁判所 昭和40年(く)20号 決定 1965年4月15日

少年 N・D(昭二一・一一・一五生)

主文

本件抗告を棄却する。

理由

本件抗告の理由は、少年の父である抗告人は呼出を受けた審判期日に病気のため出頭できなかつたので、立会うことができなかつたが、なお立会うことを希望するので抗告に及んだというにある。

よつて本件少年保護事件記録及び関係少年調査記録を精査して、審判手続及び原決定の当否を検討してみると、抗告人は少年に対する本件審判期日に適法な呼出を受け、且つ右期日に出頭することを電報で通知しながら、該審判期日に出頭しなかつたものであるから、抗告人が右審判に親族として在席し、又は保護者として意見を述べる機会を失つたとしても、その審判手続においては何等の違法も認められない。次に、原決定が罪となるべき事実として摘示し、且つ少年院に送致する事由として説示するところは記録に照し十分認められ、右の理由により少年を中等少年院に送致することは相当であつて、原決定を不当というべき事由は何もない。

よつて本件抗告は理由がないものとして棄却することとし、少年法三三条一項に従い主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 岡林次郎 裁判官 天野清治 裁判官 平田勝雅)

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