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福岡高等裁判所宮崎支部 平成17年(ネ)119号 判決 2006年6月30日

主文

1  本件各控訴をいずれも棄却する。

2  控訴費用は控訴人らの負担とする。

3  原判決8頁番号23の原告欄に「A1」とあるのを「A」と,9頁番号18の被告欄に「B1」とあるのを「B」と,番号19の被告欄に「C1」とあるのを「C」と,番号21の被告欄に「D1」とあるのを「D」と,番号23の被告欄に「E1」とあるのを「E」とそれぞれ更正する。

事実及び理由

第1控訴の趣旨

1  原判決を取り消す。

2  本件を鹿児島地方裁判所に差し戻す。

第2事案の概要

1  請求,争点及び各審級における判断の概要

本件(平成14年9月2日訴え提起)は,控訴人X1を除くその余の控訴人ら25名及び承継前相原告X3(以下「控訴人X2ら訴え提起当時の原告26名」という。)が,原判決別紙物件目録記載の4筆の土地(以下「本件各土地」といい,個別には,同目録記載の番号に合わせ,「本件土地1」などという。)について,被控訴人Y1,同Y2,同Y3,同Y4(以下「被控訴人Y4」という。),同Y5,同Y6,同Y7及び同Y8を除く被控訴人ら33名並びに承継前相被控訴人D,同Y9及び同Y10(以下「被控訴人Y11ら訴え提起当時の被告36名」といい,控訴人X2ら訴え提起当時の原告26名と合わせた62名を「塰泊浦集落住民」という。)とともに共有の性質を有する入会権(以下「本件入会権」という。)を有する旨主張し,これを争う被控訴人馬毛島開発株式会社(以下「被控訴人馬毛島開発」という。)及び本件訴えの提起に同調しない被控訴人Y11ら訴え提起当時の被告36名を被告として,塰泊浦集落住民が本件各土地について本件入会権を有することの確認を求めた事案である(なお,本件訴えの提起後,承継前相原告X3,承継前相被控訴人D,同Y9及び同Y10について,いずれも死亡を原因とする訴訟承継が生じたことは,後記のとおりであり,現在の本件訴えは,控訴人らが被控訴人らとの間において,控訴人ら及び被控訴人馬毛島開発を除くその余の被控訴人ら(以下「被控訴人Y11ら」という。)が本件各土地について本件入会権を有することの確認を求めるものである。)。

本件の争点は,(1)原告適格の有無及び(2)塰泊浦集落住民が本件各土地について本件入会権を有するかであるが,原判決(平成17年4月12日言渡し)は,争点(1)について,入会権確認訴訟は固有必要的共同訴訟であり,入会権者の一部の者によって提起された本件訴えは,原告適格を欠くものとして不適法である旨の判断をし,本件訴えをいずれも却下した。

そこで,控訴人らが本件各控訴に及んだものであるが,本判決も,争点(1)について原判決と同旨の判断をし,本件訴えはいずれも不適法であり却下を免れないものとして,控訴人らの本件各控訴をいずれも棄却するものである。

2  争いのない事実等及び争点

この点は,原判決2頁3行目の「原告ら及び被告Y2ら」を「控訴人X2ら訴え提起当時の原告26名及び被控訴人Y11ら訴え提起当時の被告36名」と,14行目の「共有者持分全部移転登記」を「共有者全員持分全部移転登記」と,17行目の「本件土地1ないし4」を「本件各土地」と,24行目の「本件土地1ないし4」から同行目末尾までを「本件各土地について本件入会権を有するか。」とそれぞれ改め,21行目の次に行を改めて次のとおり加えるほかは,原判決の「第2 事案の概要」の「1 争いのない事実等」及び「2 争点」に記載のとおりであるから,これを,ここに引用する。

「(5) 訴訟承継

ア  承継前相原告X3は,平成15年3月9日,死亡し,控訴人X1が相続により,その訴訟上の地位を承継した。

イ  承継前相被控訴人Dは,平成18年1月14日,死亡し,被控訴人Y1が相続により,その訴訟上の地位を承継した。

ウ  承継前相被控訴人Y9は,平成15年6月28日,死亡し,被控訴人Y11,同Y2,同Y3,同Y4,同Y5,同Y6及び同Y7が相続により,その訴訟上の地位を承継した。

エ  承継前相被控訴人Y10は,平成17年2月2日,死亡し,被控訴人Y8が相続により,その訴訟上の地位を承継した。

(6) 争いの存在

被控訴人らは,控訴人らが本件各土地について本件入会権を有することを争っている。」

第3争点に対する当事者の主張

この点は,次のとおり訂正するほかは,原判決の「第3 争点に対する当事者の主張」に記載のとおりであるから,これを,ここに引用する。

1  原判決3頁1行目の「被告馬毛島開発」を「被控訴人Y4を除くその余の被控訴人ら」と改め,5行目の「被告馬毛島開発に対する」を削り,7行目から8行目にかけて,15行目及び25行目の各「被告Y2ら」をいずれも「被控訴人Y11ら」と,14行目の「本件訴訟判決」を「本件についての本案判決」とそれぞれ改める。

2  原判決4頁1行目及び10行目の各「被告馬毛島開発」をいずれも「被控訴人Y4を除くその余の被控訴人ら」と,2行目の「否定する」を「否定する旨の主張をする」と,11行目の「本件土地1ないし4についての入会権」を「本件件各土地について本件入会権」と,18行目の「塰泊浦集落住民らは,本件土地1ないし4」を「塰泊浦集落住民は,本件各土地」と,23行目の「被告Y2らは入会権を否定する」を「被控訴人らは塰泊浦集落住民が本件各土地について本件入会権を有することを否定する旨の主張をする」とそれぞれ改める。

3  原判決5頁1行目の「本件土地1ないし4についての入会権」を「本件各土地について本件入会権」と,3行目の「被告Y2ら」を「被控訴人ら」と,4行目の「本件土地1ないし4」から5行目末尾までを「本件各土地について本件入会権を有するとの控訴人らの主張は争う。」とそれぞれ改める。

第4当裁判所の判断

当裁判所も,控訴人らの本件訴えはいずれも不適法であり却下を免れないものと判断するが,その理由は,次のとおり付加・訂正するほかは,原判決の「第4 判断」に記載のとおりであるから,これを,ここに引用する。

1  原判決5頁12行目の「本件土地1ないし4の各土地」を「本件各土地」と改め,20行目の「原告らは」の次に「,上記結論によれば」を加え,21行目の「入会権者保護」から22行目の「原告らが」までを「また,控訴人らは」と,23行目から24行目にかけての「被告Y2ら」を「被控訴人Y11ら」と,同行目の「提起しており」を「提起しているところ,固有必要的共同訴訟において訴えの提起に同調しない者がいる場合に関し」とそれぞれ改める。

2  原判決6頁2行目の「存する」から4行目末尾までを「存するところである。」と,6行目の「特質」を「非訟事件的特質」とそれぞれ改め,14行目の「,非同調者に対する主文」及び20行目から25行目までをいずれも削り,26行目の「結論」を「小括」と改める。

第5結論

よって,当裁判所の上記判断と同旨の原判決は相当であるから,本件各控訴をいずれも棄却し,なお,原判決中,原告A,被告B,同C,同D及び同Eの各氏名にいずれも明白な誤りがあるから,これらを更正することとして,主文のとおり判決する。

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