大判例

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福岡高等裁判所宮崎支部 昭和25年(う)268号 判決

衆議院議員選挙法第一一二条第一項第一号にいわゆる財産上の利益とは、有形的であると無形的であると、はたまた直接的な利益であると間接的な利益であるとを問はないものと解するから、債務の免除、債務の引受は勿論、債務の立替をすることも、ここにいわゆる財産上の利益とみるのが相当である。そこで、今、本件につき原判示第一の( )の(イ)乃至(ホ)掲記の事実につき、原判決の挙示する証拠を綜合すれば、被告人は、同事実掲記の各選挙人等が、疾病のため選挙当日自ら投票所に行つて投票ができない際は、その旨の証明を得、郵便で特別投票ができることを知つていて、自己に当選を得る目的をもつて、元来、前示選挙人等が支出負担すべき、前示投票のための診察料及び証明料を原判示のとおり立替支出したいきさつが認められ、しかも、それ等選挙人等は、いずれも被告人からその料金の立替支払を受けたことの認識があることも窺い得られるところである。さすれば、原判文の措辞いささか妥当でないきらいがないでもないが、その趣旨とするところは、結局前説示のとおりであることが認められるので、被告人は原判示選挙人等に対し、その判示各料金相当額の財産上の利益を供与したことになり、前掲選挙法条項違反の罪責を免れることはできないものといわざるを得ない。さすれば論旨は理由がない。

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