福岡高等裁判所宮崎支部 昭和25年(う)55号 判決
よつて、記録を精査すると、原審弁護人は、原審第一回公判において、犯行当時被告人に精神障害があつた旨主張し、被告人の精神状態につき鑑定の請求をしたところ、原審裁判所は、右証拠の採否を一応留保したまま、右採否の決定をすることなく且証拠調をしないで、結審して判決を言い渡したことは所論のとおりである。しかるに、刑事訴訟規則第一九〇条第一項には証拠調又は証拠調の請求の却下は、決定でこれをしなければならない旨規定しているのであるから、原審が弁護人の証拠調の請求に対し採否の決定をしなかつたのは、その訴訟手続に法令違反があることは勿論であつて、しかも右の違反は事実の確定に影響を及ぼすことがあるおそれ明白であると思われるので、原判決はこの点で破棄を免れない。