大判例

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福岡高等裁判所宮崎支部 昭和26年(う)608号 判決

間接国税の犯則事件における形式的訴訟条件である税務署長又は国税局長の告発書に引用せられた適用法条は右告発者の意見に過ぎないから検察官又は裁判官がこれに拘束せられるものでないことは所論のとおりであるが知覧税務署長大蔵事務官山口国義の告発書の記載内容を見ると「その業務に関し物品税逋脱の目的を以つて昭和二三年五月日不詳より昭和二三年一二月日不詳迄の間に第二種戊類税番八八号該当の調味料二鰹節弐千四百参貫四百九拾匁製造、移出があるのにその製造移出の事実を所定の帳簿に記載しないで其の税込移出価格参百七拾万六千五百拾四円参拾銭、課税標準価格参百八万八千七百六拾壱円八拾八銭此の税額六拾壱万七千七百四拾九円のものを八拾貫此の税込移出価格拾壱万二千四百拾弐円課税標準価格九万参千七百弐円此の税額壱万八千四拾円と偽つて申告し差引弐千参百参貫四百九拾匁の税込移出価格参百五拾九万四千七拾壱円九拾銭課税標準価格弐百九拾九万五千五拾九円八拾八銭此の税額五拾九万九千九円を政府に申告しないで物品税を逋脱したものである」とありその趣旨とするところは物品税逋脱を目的として詐偽その他の不正手段により物品税を逋脱した事犯を内容とする告発と解されるのであつて、単に販売移出した数量価格を所定期日迄に政府に申告しなかつたいわゆる単純不申告犯をも併せて告発する趣旨とは解し難いだけでなく右逋脱罪告発の中に単純不申告罪の告発が内在するとの所論にはたやすく賛同することはできない。けだし逋脱罪は詐偽その他不正手段による虚偽の申告という作為を必要とするに反し単純不申告罪はただ所定の申告をしないという不作為によつて構成せられる犯罪でありその罪質、構成要件を異にするのであつて告発書の文意から見て単純不申告罪をも含まれているものと解せられない以上右単純不申告罪について適法な告発が存するものとは考えられない。しかして本件における告発書の内容をしさいに検討すると単純不申告罪をも含まれている趣旨とは難解しいのであるから原判決が公訴事実第二の事実につき形式的訴訟条件である適法な告発がないものとしてその公訴を棄却したことは相当であつて原判決には法律の解釈を誤り又は事実を誤認した違法はないから論旨は採用することはできない。

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