福岡高等裁判所宮崎支部 昭和29年(う)461号 判決
職業安定法第三二条第一項にいわゆる有料の職業紹介事業とは、報酬を得る目的で、継続的意思のもとに、求人及び求職の申込を受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあつ旋することをいうのであつて、報酬を得る目的のある限り、その名義数額の如何を問わず、又予めこれを受くべき旨を約することを要せず、継続的意思に基く限り、行為の回数は問うところでなく、あつ旋の事実ある限り、常に必ずしも両当事者間に雇用関係の成立したことはこれを必要としないのである。しかして、被告人が報酬を得る目的で、継続的意思のもとに、原判示第三(一)(二)の如き雇用関係の成立をあつ旋し、しかも報酬を得たことは原判決がその認定の資料として挙示する証拠によつてこれを認むるに十分であるから、これを以て右にいわゆる有料の職業紹介事業というに妨げないのである。原判決の事実誤認及び法令違背をいう所論は、証拠の判断と法令の解釈とにおいて右と異る見解に立つもので到底首肯し難い。論旨も理由がない。
(裁判長裁判官 山下辰夫 裁判官 二見虎雄 裁判官 長友文士)