大判例

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福岡高等裁判所宮崎支部 昭和29年(う)494号・昭29年(う)495号・昭29年(う)496号 判決

所論に鑑み、原判決を調べてみれば、原判決は、被告人三名は、いずれも、原判示選挙に際し、原判示各日時・場所において、原判示各選挙人に対し、宮崎県第一区から佐藤重遠が立候補した上は、同人に投票して欲しい旨を依頼し、その報酬として、原判示各酒肴を提供して饗応し、もつて、立候補届出前の選挙運動をしたものである。と認定しながら、右被告人三名の所為に対し、単に、公職選挙法第一二九条・第二三九条第一号の規定を適用して処断していることが明らかである。しかるに、原判決認定の被告人三名の立候補届出前の選挙運動すなわち事前運動の所為と、饗応の所為とは、刑法第五四条第一項前段の一所為数法の関係にあるから、本件においては、なお、饗応の所為につき公職選挙法第二二一条第一項第一号の規定おも適用し、刑法第一〇条に則り、重い饗応罪について定めてある刑に従つて処断すべき筋合であること、まことに所論のとおりである。さすれば、原判決の叙上の措置は、結局、法令の適用に誤りがあることになり、その誤は、判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、原判決は到底破棄を免れない。論旨は理由がある。

(裁判長裁判官 山下辰夫 裁判官 二見虎雄 裁判官 長友文士)

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