福岡高等裁判所宮崎支部 昭和29年(う)528号・昭29年(う)534号・昭29年(う)530号・昭29年(う)529号・昭29年(う)533号・昭29年(う)532号・昭29年(う)531号 判決
被告人脇丸三郎、牧野重志、立田速雄、橋口栄二、橋口実は原判示各金額を、選挙運動の実費及び投票並びに投票取りまとめの報酬として一括して供与せられるものであることを知りながらこれを受領したものであり、各金額のうちその幾何が実費で、幾何が報酬であるかについてなんらの定めもなかつたことは原判決認定のとおりで、又、原審で取り調べた証拠によると、右各被告人が受領した金額のうち、幾何を選挙運動の実費として支出したかを正確に把握できないことが明らかである。かように、選挙運動の実費と報酬とを一括して供与を受けた場合、その各金額の定めがなく、又、そのうち幾何を実費として支出したかを判別し得ない場合には、受領した金額の全部が没収又は追徴の対象となるものと解すべきである。従つて、右各被告人が受領した金額から没収すべき金額を控除した残額を追徴するものとした原判決は正当で、論旨も理由がない。
(裁判長裁判官 山下辰夫 裁判官 二見虎雄 裁判官 長友文士)