福岡高等裁判所宮崎支部 昭和59年(う)20号 判決
刑法21条による未決勾留日数の本刑算入は,当該裁判所の裁量によりなされるものではあるが,そもそも未決勾留は刑事事件の捜査・審判を進める上で被疑者・被告人の身柄を確保する必要から行なわれるもので,それ自体はもとより刑罰そのものではないにせよ,その与える苦痛において自由刑の執行に匹敵するものがあるたあ,衡平の見地から,その日数の裁定算入をすることとしたものであるから,右の裁量については自から基準があるものというべく,少なくとも,当該事件について通常審理に要すべき期間及び被告人の責に帰すべき事由により延伸した勾留期間を控除したその余の未決勾留日数は本刑に算入すべきものであって,もし右基準に照らし,その算入・不算入が著しく妥当を欠く場合には,刑の量定不当として破棄を免れないものというべきである。