大判例

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福岡高等裁判所宮崎支部 昭和60年(う)8号 判決

弁護人が,被告人の所為は刑法62条所定の従犯に該当するので,同法63条によりその刑を減軽すべきである旨主張したけれども,原判決は右主張に対し特に別項をもうけて判断を示さなかったことが明らかである。しかしながら,原判決は,罪となるべき事実において,「被告人は,ほか1名と共謀のうえ,原判示日時場所において,被害者に対し,こもごも,その顔面,頭部等を手挙あるいはカラオケ用マイクで殴打し,胸部等を蹴るなどの暴行を加え,よって,同人に対し,加療約2か月間を要する左第7肋骨骨折等の傷害を負わせた。」旨判示し,被告人の本件所為はほか1名と共同して犯した暴行による傷害の実行共同正犯であると認定し,証拠の標目において,右事実を認めるに足りる証拠を挙示しているのであって,それによれば,右判示認定と相容れない,従犯である旨の弁護人の右主張を証拠により排斥していることが自ら明らかであるから,原判決は,弁護人の右主張に対し,その当否の判断を判文上明示しているものというべきである。のみならず,刑法62条所定の従犯であるとの主張は,そもそも必要的減軽事由である以前の,罪となるべき事実に関する主張であって,犯罪構成要件に該当する事実の否認の一種に過ぎないものというべきであるから,刑事訴訟法335条2項の主張にあたらないと解すべきである。(最高裁判所昭和25年2月28日判決。刑集5巻5号890頁参照。)

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