福岡高等裁判所那覇支部 平成4年(行コ)1号 判決 1995年12月21日
沖縄県那覇市前島三丁目二六番一四号
控訴人
有限会社沖伊興商
右代表者代表取締役
赤嶺清良
右訴訟代理人弁護士
新里恵二
右訴訟復代理人弁護士
三宅俊司
同県同市旭町九番地
被控訴人
那覇税務署長 町田宗伴
右指定代理人
小澤正義
同
阿部幸夫
同
浦田重男
同
宮城安
同
屋良朝郎
同
大城守男
同
桃原仁
同
宮里勝也
同
松田昌
同
新元等
主文
一 原判決中、被控訴人が控訴人に対し昭和五八年五月二三日付けでした控訴人の昭和五四年四月一日から昭和五五年三月三一日までの事業年度及び昭和五六年四月一日から昭和五七年三月三一日までの事業年度の各法人税の更正及び重加算税賦課決定の取消請求に関する部分を次のとおり変更する。
「 被控訴人が控訴人に対し昭和五八年五月二三日付けでした、
1 控訴人の昭和五四年四月一日から昭和五五年三月三一日までの事業年度の法人税の更正のうち所得金額四八一八万六二九七円を超える部分及び右部分に係る重加算税賦課決定
2 控訴人の昭和五六年四月一日から昭和五七年三月三一日までの事業年度の法人税の更正のうち所得金額七八九二万九一三八円を超える部分及び右部分に係る重加算税賦課決定
をいずれも取り消す。」
二 控訴人その余の請求に関する部分の控訴を棄却する。
三 訴訟費用は、第一、二審とも控訴人の負担とする。
事実及び理由
第一控訴の趣旨
一 原判決中、控訴人敗訴の部分を取り消す。
二 被控訴人が控訴人に対し昭和五八年五月二三日付けでした。
(一) 控訴人の昭和五二年四月一日から昭和五三年三月三一日までの事業年度の法人税の更正のうち所得金額三九一万八九四六円を超える部分及び右部分に係る重加算税賦課決定
(二) 控訴人の昭和五三年四月一日から昭和五四年三月三一日までの事業年度の法人税の更正のうち所得金額六七九万三五九六円を超える部分及び右部分に係る重加算税賦課決定
(三) 控訴人の昭和五四年四月一日から昭和五五年三月三一日までの事業年度の法人税の更正のうち所得金額一一六万六〇五四円を超える部分及び右部分に係る重加算税賦課決定
(四) 控訴人の昭和五五年四月一日から昭和五六年三月三一日までの事業年度の法人税の更正及び重加算税賦課決定
(五) 控訴人の昭和五六年四月一日から昭和五七年三月三一日までの事業年度の法人税の更正及び重加算税賦課決定
をいずれも取り消す。
三 被控訴人が控訴人に対し昭和五八年五月二三日付けでした控訴人の昭和五六年四月一日から昭和五七年三月三一日までの事業年度以後の法人税の青色申告承認を取り消した処分を取り消す。
第二事案の概要
次のとおり付加・訂正するほかは、原判決事実及び理由欄の「第二 事案の概要」(原判決二枚目裏八行目から同六枚目表九行目まで)に記載のとおりである。
一 原判決三枚目表八行目の「取消した」を「取り消した」に、同裏三行目の「決定」を「等」にそれぞれ改め、同八行目の「三月期」(二箇所)の次に「分」を加え、同一〇行目の「更正処分等をした。」を「更正処分等をし、控訴人は、同月二四日、右通知を受けた。」に改め、同一一行目の「二五日」の次に「(月曜日)」を加え、同末行の「決定を受けた。」を「決定がされ、控訴人は、同月二一日、右決定書謄本の送達を受けた。」に、同四枚目表二行目の「沖縄事務所首席国税不服審判官」を「長」に、同三行目の「同庁は昭和六二年七月一日」を「同所長は昭和六二年六月三〇日」に、同五行目の「受けた。」を「受け、同年一〇月二日、本件訴訟を提起した。」にそれぞれ改め、同裏九行目の「そして、」の次に「その推定に当たっては、」を加え、同五枚目表九行目の「収入金額」を「益金の額の一部」に改める。
二 同六枚目表四行目から同九行目までを次のとおり改める。
「(二) 控訴人は、昭和五八年五月本件更正処分等の前に、控訴人の顧問税理士である國吉隆を介して、被控訴人に対し既に提出したもの以外の昭和五三年三月期分ないし昭和五七年三月期分の本件預金口座に関する入出金伝票及び現金出納簿を提出しており、これによれば本件係争事業年度における本件預金口座に係る受入利息の実額を確定することが可能であったから、推計の必要性はなかった。また、被控訴人の推計方法は合理性を欠く。
(三) よって、本件更正処分等及び本件青色申告承認取消処分は違法であり、取り消されるべきである。
3 したがって、本件の争点は、<1>本件預金口座の控訴人への帰属の有無、特に伊是名の個人事業の存否、<2>本件預金口座に入金された受取利息及び預金利息の額、推計による部分については推計の必要性及び合理性の有無である。」
第三争点に対する判断
一 次のとおり付加・訂正するほかは、原判決事実及び理由欄の「第二 争点に対する判断」(原判決六枚目表一一行目から同二六枚目表九行目まで)に記載のとおりである。
1 同六枚目表一二行目から同一〇枚目表一一行目までを次のとおり改める。
「1 <1><2><5><6>の預金口座の帰属について(伊是名の個人事業の存否)
(一) 証拠(甲一二の1、2、一三、一五の1、2、一九、二一の1、2、二二の1ないし3、二三、三一、六〇、六三、六五、乙一の1、2、二の1ないし8、三ないし一〇の各1、2、一三五、一四三、五〇二ないし五〇五の各1、2、五〇六、原審証人伊是名興徳、芳賀充、当審証人伊是名興宜)及び弁論の全趣旨によれば次の事実が認められる。
(1) 控訴人は、昭和五〇年五月一日、伊是名により設立された貸金業を営む有限会社であり、昭和六二年八月まで伊是名が代表取締役を努めていた。控訴人の資本総額は昭和五六年三月期までは三〇〇万円、昭和五七年三月期は一二〇〇万円で、うち伊是名の出資金額はそれぞれ二〇〇万円、六〇〇万円であり、控訴人はいわゆる伊是名の同族会社である。
伊是名は以前から個人で貸金業を営んでおり、税務対策上の配慮からこれを会社組織とすることとし、控訴人を設立したものである。
(2) <5>の預金口座は伊是名の内縁の妻我謝和子の名義となっているが、同人に帰属するものではない。<1>の預金口座は昭和五七年一月二一日解約され、その預金残高の大半が同日開設された<5>の預金口座に入金された。また、<6>の預金口座は伊是名の長男の伊是名興昌の名義となっているが、同人に帰属するものではない。<2>の預金口座は昭和五七年二月五日解約されたが、その預金残高は同月四日に開設された<6>の預金口座に入金された。
(3) 本件係争事業年度において、<1><2><5><6>の預金口座は貸付業務に利用され、右貸付業務及び同口座の管理業務は控訴人名義の預金口座に係るそれとともに控訴人の事務所において同所に勤務する従業員によって行われていた。
(4) <1><2><5><6>の預金口座と控訴人名義の預金口座については別個にこれに対応する現金出納帳が作成され、ある時期には、その記帳事務は、複数の女性事務員がそれぞれ主に担当する預金口座を決めながらも共同して行っていた。
(5) 伊是名の兄伊是名興宜の所有に係る建物の三階部分が控訴人の事務所として使用されているが、その昭和五五年六月一日付け賃貸借契約書では借主名義は控訴人となっており、少なくともそれ以降昭和五七年三月までは控訴人がその賃料全額を支払い、伊是名興宜も控訴人宛の領収証を発行していた。控訴人の事務所にある事務用消耗品費や同事務所に勤務する従業員の厚生費等の経費は控訴人が負担していた。
(6) 国税調査官は、昭和五八年一月二一日、控訴人の事務所において税務調査を行った。控訴人の当時の経理責任者赤嶺清良(現控訴人代表者)は、控訴人代表者であった伊是名に代わりこれに対応したが、調査官に対し、格別控訴人の事業のほかに伊是名の個人事業があることは話しておらず、控訴人の事務所に勤務する従業員について控訴人の従業員と伊是名の従業員との区別があることにも触れることなく各従業員の担当業務について、例えば宮城絹枝は貸付関係の帳簿への記帳を、宮城克子は預金の入出金関係を担当しているなどと説明した。宮城絹枝は調査官に対し同所の備品はすべて控訴人の業務に使用している旨説明した。右調査の際、宮城克子の机の引出しに本件預金口座の口座番号が記載されたメモ書きが貼ってあるのが発覚し、被控訴人において本件預金口座の存在を知るところとなった。なお、同調査の際には、伊是名の個人事業の存在について言及する者はなかった。
(7) <1><2>の預金口座及び<2>の預金口座が開設された際に解約された伊是名名義の預金口座(以下「A預金口座」という。)から出金され貸付がされたものについては控訴人を貸主とする借用証書が作成されている。
(8) 伊是名は、個人で貸金業を営むについて、監督官庁への届出をしておらず、税務申告もしたことはない。
(二) 右認定事実に徴すると、控訴人の事務所で行われている事業については控訴人の事業とは別個に伊是名個人の事業は存在せず、控訴人の事務所における貸金業に使用されている<1><2><5><6>の預金口座は控訴人に帰属するものと認められる。伊是名は、原審において、控訴人とは別に伊是名個人でも金融業を営んでおり、<1><2><5><6>の預金口座は個人事業のために使用されており、伊是名個人に帰属するものであると供述するが、右認定事実に照らし、信用できない。原審において、座間味は、伊是名個人が貸すか控訴人が貸すかは伊是名自身が決めると供述し、伊是名は、控訴人に資金があるときは控訴人が貸し、控訴人に資金がないときは伊是名個人が貸していたと供述するところ、右供述によっても控訴人の事業と伊是名の個人事業との区別はあいまいであり、結局同人らの供述するところは控訴人が貸付をするに当たりどの預金口座の預金を利用するかという問題にすぎない。
(三) また、伊是名は、控訴人の従業員とは別に伊是名個人が雇用している従業員がおり、賃金台帳も別個に存在する旨供述し、控訴人は、控訴人の事業に係る賃金台帳(昭和五五年一月分ないし昭和五六年三月分)として甲七の1ないし8、甲二八の1の1ないし14を、伊是名の個人事業に係る賃金台帳(昭和五五年四月分ないし昭和六一年一月分)として甲二八の2の1ないし40を証拠として提出している。
しかしながら、伊是名の原審における供述をみると同人は個人事業の従業員が誰であったかについて明確な記憶がない上、この点についての賃金台帳の記載、控訴人代表者の認識(原審における控訴人代表者)と座間味の認識(原審証人座間味)との間には大きな食い違いがある。また、賃金台帳上伊是名の個人事業の従業員となっている者も個人事業の従業員として採用するとは言われていないし、個人事業の仕事をしていたとの認識はない(乙一の1、2)。座間味は、原審において、昭和五三年三、四月ころ、「伊是名個人に雇われ、一年後からは控訴人に雇われるようになった。」と供述するが、他方で「当初個人の仕事をしていることはわからなかった。控訴人の仕事も個人事業の仕事も一緒にしていた。」旨供述しており、現に座間味は、昭和五五年夏ころから昭和五七年夏ころまでの、控訴人が個人事業のものと主張する賃金台帳の検印欄押印しており(甲二八の2の17ないし35)、また控訴人が個人事業のものと主張する入金伝票の承認印欄等にも押印しているのである(乙一九ないし一三四)。そのほか、前記の認定事実をも総合すると、仮に控訴人が主張するように賃金台帳が二つに分けられていたとしても、それはただ控訴人の便宜上従業員を二つのグループに分けていただけのことであり、そのことから控訴人の事業とは別個に伊是名の個人事業が存在していたとまで認めることはできない。右賃金台帳をみると、一方の台帳では従業員の賃金から所得税のみ控除されているのに対し、他方の台帳では所得税、住民税とも控除されていないが、仮に従業員の二つのグループの間でこのような違いがあったとしても、控訴人の便宜からこのような処理がされているにすぎず、前記判断を左右するものではない。
(四) ところで、<1>の預金口座は控訴人が設立された昭和五〇年五月一日より前の昭和四九年七月二四日に開設されたものであり(甲一八の1、2)、開設当時は右預金口座は伊是名個人に帰属するものであったというほかなく、また、<2>の預金口座は、昭和五四年一一月二二日に解約されたA預金口座の残高が入金されて同日開設されたものであり、A預金口座は、昭和五三年五月二二日に伊是名個人名義の他の預金口座から払い戻された五〇〇〇万円が入金されて同日開設されたものであるが(甲一〇ないし一二の各1、2、一三)、前記認定のとおり、<1><2>の預金口座は、控訴人の事務所で控訴人の従業員により管理され、右口座の預金が控訴人による貸付業務に利用されていたのであるから、少なくとも本件係争事業年度においては、右預金口座は控訴人に帰属していたと解するのが相当であり、<1><2>の預金口座開設の経緯に関する右事実は前記判断を左右するものではない。
また、伊是名は、原審において、経理の現金出納簿や入出金伝票も控訴人の事業と伊是名の個人事業とで区別されていたと供述し、控訴人は当審において、両者の入出金伝票等(甲三五ないし五二、五六、五七(以上枝番号省略))を証拠として提出しているが、所得税の納税義務は暦年の終了時に成立するものであるから個人事業に係る現金出納簿は一月から始まり一二月で終わる形式で作成されるのが通常であるところ、控訴人が伊是名の個人事業に係るものと主張する現金出納簿(甲五一、五二)は概ね控訴人の事業年度に符合するように四月一日から始まり翌年の三月三一日に終わる形式で作成されていることやこれまでの説示に照らすと、控訴人名義の預金口座に関する伝票等と本件預金口座に関する伝票等が区別されていたとしても、控訴人が本件預金口座を簿外預金口座として管理するために便宜このように区別して伝票等を作成していたにすぎず、これをもって控訴人の事業と伊是名の個人事業が存在したことまで認めることはできない。」
2 同一一枚目表三行目の「1(二)(5)」を「1(一)」に改め、同四行目の「とから、」の次に「右預金口座は」を加え、同一三枚目表九行目の「1(二)(5)」を「1(一)」に改め、同裏九行目の「字」を削除し、同一五枚目表一行目の「第一三四号証)」の後に「。」を付し、同一六枚目表二行目の「そうして」を「そして」に、同一九枚目裏一行目の「元本の」を「元本が」にそれぞれ改める。
3 同一八枚目裏五行目の次に改行の上次のとおり加える。
「 ところで、当審証人國吉隆は、「昭和五八年五月当時本件係争事業年度における伊是名の個人事業に係る伝票類は被控訴人に提出したものを含め控訴人の事務所に控訴人の事業に係るそれとはっきり区別して保管されており、自分は、本件更正処分等の前である同月一七日、国税調査官らに対し、右伊是名の個人事業に係る伝票類(甲三五ないし五二(枝番号は省略))を示し、これを調べてほしいと話したが、調査官らは右伝票類を調べようとはしなかった。」と供述し、同人の平成六年一一月一〇日付け陳述書(甲五八)にも同旨の記載があり、そして、前記のとおり、控訴人は甲三五ないし五二(枝番号は省略)がその伝票類であるとしてこれを提出している。しかしながら、國吉隆は控訴人の顧問税理士である(同証人)にもかかわらず、伊是名個人名義の口座に係る伝票類の存在という本件更正処分の適否を判断するに当たり極めて重要なことがらについて、國吉隆が控訴人の代理人として作成した異議申立書(甲三の1)及び審査請求書(甲五の1)おにいて何ら触れることはなく、また原審で提出された國吉隆作成の陳述書(甲二七)においても言及することはなかったものであり、当審で初めて右の点について供述したものであること、昭和五八年当時控訴人の代表者であった伊是名は、原審において、昭和五五年に控訴人の事務所を移転した際に伊是名個人名義の口座に係る伝票類を自宅に持ち帰っていたのか、自宅を探してみたところ、昭和六三年の三月か五月ころ、自宅の物置で右伝票類が見つかった旨供述していること、そのほか、原審証人芳賀充の反対趣旨の証言などに照らすと、本件更正処分等の前に本件係争事業年度の伊是名個人名義の口座に係る伝票類が存在することを国税調査官らに話してこれを示した旨の前記の國吉隆の供述等は到底信用できず、右供述等に係る事実を前提とする推計課税の必要性がなかったとの控訴人の主張は採用できない。」
4 同二一枚目表三行目から同五行目までを「乙一三八の1、一三九の1、2、一四〇の1ないし3、一四一の1ないし4、一四二の1ないし3、5、6)」に、同六行目から同七行目を「これを本件預金口座の入金状況(乙五〇〇の8ないし139、147ないし179、194ないし200)と対比す」にそれぞれ改める。
5 同二二枚目表九行目から同裏二行目までを次のとおり改める。
「 (う) 昭和五五年一月一〇日に五万円の、同月二一日一〇万円の各受取利息の入金を認定している(乙一四〇の1)が、いずれも同口座への入金ではなく、同口座からの出金である(乙五〇〇の44)。
したがって、同月の合計は四四六万四一〇〇円となる。」
6 同二四枚目表二行目の「、一六八」を削除し、同7行目の「し5」の次に「(ただし、原判決添付別表(12)-3は別表(12)-6に差し替える。)」を加える。
7 同二四枚目裏七行目及び同一二行目の各「別表(13)-1、2」を「別表(13)-3、4」に改め、同末行の「(二)(6)及び(10)」を削除し、同二五枚目表三行目の「別表(14)」を「別表(16)」に、同九行目の「別表(13)-2」を「別表(13)-4」に、同行目から同一〇行目にかけての「別表(15)」を「別表(17)」に、同一一行目の「五〇二」を「五〇一」にそれぞれ改め、同裏一行目の「預金利息」の次に「の一部」を加え、同七行目の「四八二三万六二九七円」を「四八一八万六二九七円」に、同行目から同八行目にかけての「四六七六万五九五四円」を「四六七七万一九五四円」に、同行目から同九行目にかけての「七八九二万九八五八円」を「七八九二万九一三八円」にそれぞれ改める。
二 結論
よって、控訴人の請求は、被控訴人が控訴人に対し昭和五八年五月二三日付けでした控訴人の昭和五四年四月一日から昭和五五年三月三一日までの事業年度の法人税の更正のうち所得金額四八一八万六二九七円を超える部分及び右部分に係る重加算税賦課決定並びに昭和五六年四月一日から昭和五七年三月三一日までの事業年度の法人税の更正のうち所得金額七八九二万九一三八円を超える部分及び右部分に係る重加算税賦課決定を取り消す限度で理由があるのでこれを認容すべきであり、控訴人のその余の請求は理由がなくこれを棄却すべきであるから、これと異なる原判決を主文のとおり変更することとし(なお、昭和五六年四月一日から昭和五七年三月三一日までの事業年度の法人税の更正及び重加算税賦課決定の取消請求部分については、原判決との所得金額の差は七二〇円にすぎないが、留保税額を含む法人税額が異なる。)、訴訟費用の負担につき行訴法七条、民訴法九六条、九二条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 大塚一郎 裁判官 坂井満 裁判官 伊名波宏仁)
別表(12)-6 (昭和55年3月期分)
昭和54年4月1日~昭和55年3月31日事業年度分受取利息認定額集計表
<省略>
別表(13)-3
所得金額の計算
<省略>
別表(13)-4
<省略>
別表(16)
未納事業税の計算(調査額) (地方税法72条の22)
<省略>
別表(17)
寄付金の損金算入額等の計算
<省略>