大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。
官報全文検索 KANPO.ORG
月額980円・今日から使える・メール通知機能・弁護士に必須
AD

福島地方裁判所 平成12年(ワ)73号 判決 2000年11月22日

原告

福島県共済農業協同組合連合会

被告

石井陸奥雄

主文

一  被告は、原告に対し、金八六五万一八二五円及びこれに対する平成一二年三月一九日から支払済みまで年五パーセントの割合による金員を支払え。

二  訴訟費用は被告の負担とする。

三  この判決は第一項に限り仮に執行することができる。

事実

第一請求

主文と同旨

第二当事者の主張

一  請求の原因

1(一)  被告の原告他一名に対する横浜地方裁判所平成八年(ワ)第一四四五号損害賠償請求事件において、平成一〇年一月一九日、次のとおりの判決が言い渡された。

「被告ら(本件訴訟原告他一名)は、原告(本件訴訟被告)に対し、各自九九二万五七六〇円及びこれに対する平成五年四月二一日から完済まで年五分の割合による金員を支払え。」

(二)  右事件の控訴審(東京高等裁判所平成一〇年(ネ)第一〇二三号、同年(ネ)第二一四七号損害賠償請求控訴、同附帯控訴事件)において、平成一〇年九月二八日、次のとおり判決が言い渡された。

「原判決主文一項を次のとおり変更する。

被控訴人ら(本件訴訟原告他一名)は、控訴人(本件訴訟被告)に対して、各自金一六三四万三八八八円及びこれに対する平成五年四月二一日から完済まで年五分の割合による金員を支払え。」

(三)  右事件の上告審(最高裁判所平成一一年(受)第四二号)において、平成一一年一二月二〇日、次のとおり判決が言い渡された。

「上告人らの附帯控訴に基づき、第一審判決を次のとおり変更する。

上告人ら(本件訴訟原告他一名)は、被上告人(本件訴訟被告)に対し、各自金六八〇万一〇一七円及びこれに対する平成五年四月二一日から完済まで年五分の割合による金員を支払え。」

2(一)  原告は、右横浜地方裁判所言渡の判決に基づき、平成一〇年三月三日、被告に対し、一二三四万二二三四円(執行費用を含まない。)を支払った。

(二)  さらに、原告は、右東京高等裁判所言渡の判決に基づき、平成一〇年一二月二八日、被告に対し、八六五万一八二五円を支払った。

3  右最高裁判所言渡の判決において、2(一)の支払分については、「被上告人(本件訴訟被告)は、上告人福島県共済農業協同組合連合会(本件訴訟原告)に対し、三八八万五六八二円及びこれに対する平成一〇年三月三日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。」との民事訴訟法二六〇条二項の裁判がなされている。

以上のとおり、1(二)の東京高等裁判所の判決は1(三)の最高裁判所の判決により変更されたので、2(二)の支払八六五万一八二五円分については、法律上の原因に基づかず被告が利得したものというべきであるから、原告は、被告に対し、不当利得返還請求権に基づき、金八六五万一八二五円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成一二年三月一九日から支払済みまで年五パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める。

二  請求の原因に対する認否

1  請求の原因1の事実は認める。

2(一)  同2(一)の事実は認める。

(二)  同2(二)の事実を否認する。

理由

一  請求の原因1及び2(一)の各事実は当事者間に争いがない。

二  甲七の2、5によれば、請求の原因2(二)の事実が認められる。

三  以上のとおりであるから、八六五万一八二五円については法律上の原因に基づかず被告が利得したものというべきであり、原告の本訴請求は理由があるのでこれを認容し、主文のとおり判決する。

(裁判官 生島弘康)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例