福島家庭裁判所平支部 事件番号不詳 決定
小○○二こと
少年 小田原富夫(仮名) 昭和十一年三月九日生 職業 無職
本籍 神奈川県横浜市○○区○○町○二
住居 ○○少年院在院(新潟県○○郡○○村字○○)
主文
本件申請はこれを却下する。
理由
本件申請の理由は、帰住予定地不詳及び本籍不詳に基く就籍申請、就職先開拓等の環境調整を行う必要があり、更に保護者がなく身柄引取人がないので退院後相当期間保護観察を継続する必要があり、これ等の措置に備えるためと云うのであるが、当裁判所の調査の結果、○○少年院長千○○郎仙台少年鑑別所阿部満洲、当庁家庭裁判所調査官補大戸昭次及び同村田札次郎の各意見を総合すれば、少年は昭和二十九年十一月十二日当庁において、中等少年院送致決定を受け以来○○少年院に収容され、矯正教育を受けて来たが、現在処遇段階は最高の段階に達し既に仮退院の申請がなされていること。特に仙台鑑別所の鑑別結果によれば、自閉性が強く、院内行動は表面順応を示しながら結局それは皮相的順応に過ぎないこと。反応的状況から見ると矯正教育指導自体に対する強い反撥と不信があり、現在の状況においては矯正教育の対象としては不適であることが認められるだけでなく、他方少年は本件申請後間もなく本名、本籍、保護者、帰住予定地、家族関係等を自供し、これに基いて環境調整や受入態勢の整備がなされる見通しもついたので、収容継続申請の主たる理由も既に解消したものとみるべきである。
よつて本件申請は収容を継続すべき特段の事情の存しないものと認められるから主文の通り決定する。
(裁判官 福森浩)