大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

舞鶴簡易裁判所 昭和33年(ろ)78号 判決 1958年11月13日

被告人 少年A(昭一四・五・一二生)

主文

本件公訴を棄却する。

理由

本件公訴事実は、被告人は法定の除外理由がないのに昭和三十三年八月三十日午後一時五十分頃、原動機付自転車を運転して京都府○○市字××所在国鉄××の踏切を通過するに際し、安全かどうかを確認するための一時停車をしなかつたものであると謂うにあるが、本件証拠中被告人の戸籍抄本の記載によると、被告人は昭和十四年五月十二日出生にかかる者であることが認められ、しかも右記載が虚偽であることを認むるに足る証拠がないから被告人は本件記録に徴し明かな本件公訴提起のときである昭和三十三年九月三十日当時においても現在においても未だ二十歳に満たない法律上謂わゆる少年であり、一方本件公訴事実は罰金又は科料にあたる罪の事件である。従つて本件公訴提起の手続は少年法第四二条に違反し不適法のものとなるので本件公訴は公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるときに該当し、刑事訴訟法第三三八条第四号により棄却を免れない。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 白須賀佳男)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例