大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

金沢地方裁判所 昭和52年(行ウ)1号 判決 1979年10月26日

原告

オリエンタルチエン工業株式会社

右代表者代表取締役

松田耕

右訴訟代理人弁護士

門間進

清水伸郎

被告

石川県地方労働委員会

右代表者会長

松井順孝

右指定代理人

塚本昭

被告の参加人

日本労働組合総評議会全国金属労働組合石川地方本部

右代表者執行委員長

後出進一郎

被告の参加人

日本労働組合総評議会全国金属労働組合石川地方本部オリエンタルチエン工業支部

右代表者執行委員長

新田義雄

右参加人両名訴訟代理人弁護士

梨木作次郎(ほか四名)

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  原告

1  参加人両名を申立人、原告を被申立人とする石労委昭和四九年(不)第五号事件につき、被告が昭和五二年一月一一日付でした命令中、主文第一項はこれを取り消す。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

二  被告

主文と同旨

第二当事者の主張

一  原告の請求原因

1  参加人両名は被告に対し、原告を被申立人として不当労働行為救済命令を求める申立てをしたところ(石労委昭和四九年(不)第五号)、被告は昭和五二年一月一一日付をもって別紙(略)命令書記載のとおりの命令(以下「本件命令」という。)を発し、同命令書の写は同月二六日原告に送達された。

2  本件命令の違法性

本件命令は、原告が昭和四九年度年末一時金(以下「本件一時金」という。)の支給に関する参加人日本労働組合総評議会全国金属労働組合石川地方本部オリエンタルチエン工業支部(以下「支部」という。)との交渉において、支部の組合員が行なったストライキによる不就労日数を欠勤と同様に取扱うという主張をしたことを不当労働行為に該当すると判断したものであるが、これは誤って参加人日本労働組合総評議会全国金属労働組合石川地方本部(以下「地方本部」という。)の救済命令申立適格を認め、事実を誤認し、法律上の判断を誤まった結果に基づくものであるから違法であり、取り消されるべきものである。

二  請求原因に対する被告の認否

1  請求原因1項の事実は認める。

2  同2項の事実は争う。

三  被告の主張

1  被告が本件命令に際し認定した事実は、別紙命令書の理由の第一、認定した事実の項に記載のとおりである。

2  被告が右事実に基づいてなした判断は、同命令書の理由の第二、判断の項に記載のとおりである。

3  右事実の認定とこれに基づく判断について、本件命令に違法、不当の点はない。

四  参加人らの主張

原告は、支部組合員がストライキに参加したことを理由として一時金を控除するとの条件(以下「本件条件」という。)を最終回答として提示したばかりでなく、これを一方的に支部に押しつけようとして不当にこれに固執したのであるが、このような控除が賃金の法的性質からして本来許されないこと、この控除はストライキに対する報復の実質をもち、ストライキを抑制しようとするもので、団結権の不当な制限であること、また、従前の労使慣行にも反したものであること、原告が、この前後に数多くの不当労働行為をし、右条件の押しつけと併行して、支部に対する組織切崩工作とみられる働きかけが行なわれていたことなどからすると、原告は当初から支部とオリエンタルチエン工業労働組合(以下「新労」という。)との組合員間の差別を意図していたものとみられ、原告による本件条件の提示、固執は、不当労働行為を構成するものであり、これを認定した本件命令は適法である。

五  被告の主張に対する原告の認否

1  被告の別紙命令書の理由中第一の一項(当事者)(1)記載の事実は知らない。

同項(2)記載の事実中、「会社の支配介入による」との部分は否認し、その余は認める。

同項(3)記載の事実は認める。

2  第一の二項(支部の地本加盟について)記載の事実は認める。

3  第一の三項(昭和四九年度末一時金をめぐる労使関係について)(1)記載の事実は認める。

なお、支部からの団体交渉の申入れに対し、原告は、その都度、昭和四九年一一月一一日、同月一四日、同月一八日、同月二一日、同月二五日、及び同年一二月一八日に文書による回答あるいは申入れをしている。

同項(2)ないし(5)記載の事実は認める。

同項(6)記載の事実中、「そのストライキを欠勤扱いにすると本件一時金の支給率は支部組合員一人ほぼ九〇パーセントとなる」との部分は否認し、その余は認める。

右支給率は、時限ストライキを含む全てのストライキを全日欠勤とみなせば九〇パーセントになるが、原告は時限ストライキを遅刻、早退扱いとする予定であったので、これによれば支給率は九五パーセントとなる。

六  被告の主張に対する原告の反論

1  本件の救済命令申立事件は、支部の組合員に対する年末一時金に関する問題であるから、単位組合たる支部が当事者となれば足り、直接の利害関係を有しない地方本部は当事者適格がない。

2  被告は、一時金の支給に関し欠勤控除をする建前になっている場合に、ストライキによる不就労を通常の欠勤と同様に取扱うことを原告が支部に提案したこと自体は不当労働行為にあたらないとしながら、本件の場合は特段の事情があるとして、原告が右のような提案をしたことが不当労働行為に該当すると判断したのであるが、そのような特段の事情が存在しないことは、次に述べるとおりである。

(一) 被告は、特段の事情として「会社が行なった支配介入のために組合が分裂し、それをめぐる紛争時期が本件一時金査定期間内にあたること」をあげている。しかしながら、組合の分裂は、会社再建に関する組合員間の考え方の相違に根ざしたものであり、原告の支配介入によって起こったものではない。

また、昭和四九年九月八日から行なわれた支部のストライキは、分裂前の組合の闘争資金の配分に関して、分裂後、新たに結成された新労と支部との間に紛争が生じ、原告が右紛争は組合間の問題としてこれに関与しなかったために行なわれたものであり、支部の行なったストライキの理由は組合分裂問題に関するものだけではなかった。

したがって、「会社が行なった支配介入」と組合の分裂を直結し、また、支部の行なったストライキの全てを組合の分裂と結びつけた被告の判断は誤りである。

(二) 被告は、特段の事情として「新労はストライキを行なっていないのに、あえてストライキを欠勤日数に算入することを内容として妥結していること」をもあげている。この時期に、新労がストライキをしなかったことは事実であるが、原告は、組合分裂後初めての本件一時金について、両組合に同一内容の提案を行なったのであり、たまたまこの時期に新労に関してはストライキがなかったというにすぎないのであって、新労もこのストライキ控除が今後の慣行となることを認識した上で、妥結したものであり、このことを被告があえて特段の事情の一つに加えたことは、不当である。

(三) 被告は、特段の事情として、そのほかに「同四九年一二月二四日には、文書で、同年一二月三日の団体交渉での会社提案は最終回答であり、これを変更する考えはなく、これを妥結する意思でなければ団体交渉に応じないという会社の固執した態度」をあげている。しかしながら、原告が、一二月二四日に支部に文書を出したのは、組合申請のあっせんを原告が辞退したことと相まって、すでに絶対の多数組合である新労と妥結し、支給済であるため、原告は、両組合に異なった取扱いをすることができないので、支部との間でさらに団体交渉をもっても実質的に無意味であるということを示唆したにすぎない。これを支部に対する「固執した態度」とし、特段の事情として、支部の嫌悪に結びつけることは大きな誤りである。原告は、本件一時金に関し、組合分裂後の初めての提案であるために慎重に検討した結果、新労、支部の両方に対し、昭和四九年一一月三〇日会社回答を示し、新労とは、一二月二日団体交渉をもって妥結し、支部とはその要求通り一二月三日団体交渉をもったのである。支部も一時金の金額、配分については異論がなく、もっぱらストライキ控除について論議され、妥結に至らなかったものである。ストライキ控除の問題は、支部のみを念頭において提案したものではなく、組合分裂の結果、今後両組合にストライキ日数の差等が出てくることが当然予想されたため、その公平さを期するために、両組合に提案したものである。たまたま当該期間の中に、支部のみがストライキを行なっていたというにすぎないのである。

七  参加人らの主張に対する原告の反論

原告が、新労と支部の両組合に対し、ストライキは欠勤日数に算入するとの新たな条件を提示したこと自体は、前述のとおり何ら違法性のないものであり、原告にはこの提案にあたり報復や団結権制限の意図はない。

従来、一時金に対するストライキ控除はされていなかったことは事実であるが、組合分裂により、労使関係の基盤が変ったのであるから、従来の取扱いを労使慣行として主張するのは失当である。

また、不当労働行為の成否の判断にあたり、その前後に不当労働行為があったことを、その行為の性質、内容の差異を無視して考慮に入れることは許されない。

支部との間では、本件一時金についての協定を妥結するに至らなかったので、これを支給しなかったのは当然であり、その結果として、協定を妥結した新労との間に差が生じたとしても止むを得ない合理的差別である。

第三証拠(略)

理由

一  本件命令

請求原因1項記載の事実は当事者間に争いがない。

二  当事者等

原告は、肩書住所地(略)に本社工場を置き、各種チェーンの製造販売を業とし、従業員約二五〇名を有する株式会社であること、支部は、肩書住所地(略)に組合事務所を置き、原告会社の従業員をもって組織されている単位労働組合であり、上部団体である地方本部に加盟していること、及びその組合員数は、分裂前は約二二〇名であったが、被告における審理終結時においては一九名であったことは当事者間に争いがなく、また(証拠略)によれば、地方本部は、全国金属労働組合の下部組織として石川県地方の全国金属労働組合の組合員をもって組織されており、傘下に主として企業別の単位労働組合である支部を有し、肩書地(略)に組合事務所を置く労働組合法上の連合団体に該当する労働組合であることが認められる。

三  当事者適格について

地方本部が支部の上部団体であることは当事者間に争いがなく、また、(証拠略)によれば、地方本部は昭和四九年一一月一日支部と連名で本件一時金に関する要求書を提出し、同月二日、同年一二月二日、及び同月二三日それぞれ団体交渉を申入れていることが認められる。

右事実によれば、地方本部は支部の上部団体として本件救済命令を求めるにつき正当な利害関係を有していると解するのを相当とするので、地方本部の当事者適格を肯定した被告の判断は正当である。

四  本件一時金交渉以前の労使関係

(証拠略)によれば次の事実が認められ、(証拠判断略)他に右認定を左右するに足りる証拠はない。

1  原告は、昭和四六年頃から経営が悪化し、同四九年度の賃上げも実現せず、原告と支部との対立は激しくなり、原告の管理職員による、支部組合員に対する原告への協力要請、説得などが行なわれた。

これに対し、支部は、これらの行為は組合に対する支配介入であるとして原告に謝罪を求め、原告は同四九年五月一〇日には、支部に対し書面をもって、誤解を招くような事態の発生したことについて遺憾の意を表するに至った。

2  しかし、同四九年六月以降も、原告は支部を嫌い、管理職員を中心とした集団的、組織的な組合脱退勧誘が進められ、同年八月七日、支部組合員約二二〇名中一九二名が脱退し、支部、地方本部の不当労働行為提訴に反対し、原告の生産性向上に協力することなどを宣言して新労を結成し、ここに組合分裂を生じた。

3  支部と地方本部は、同四九年八月二四日、被告に対し、原告が地方本部及び支部の組合運営に介入し、組合員に脱退を勧誘したことなどを理由に救済命令の申立をし(石労委昭和四九年(不)第三号事件)、被告は同五一年三月六日、右事件につき原告の支配介入の事実を認定し、原告に対し、右事実について今後かかる行為をしないことを誓約する旨のいわゆるポストノーティスを命じる救済命令を発し、原告はこれに不満を表明しながらも、右命令を履行した。

その後も、支部は、原告の組合分裂攻撃に対する闘争と称して、同四九年九月中に七日間の全日ストライキをしたほか、数回にわたり時限ストライキを反覆し、原告と支部との関係はさらに悪化した。

五  本件一時金交渉の経過

被告の主張1項の事実中、別紙命令書の理由の第一の三項(1)ないし(6)((6)のうちストライキを欠勤扱いにした場合の本件一時金の支給率を除く。)の事実は当事者間に争いがない。

右事実と、(証拠略)によってみると、本件一時金交渉の経過は、次のとおりであることが認められる。

1  すなわち、支部は、前示四に認定したような労使の激しい対立状態のもとで、同四九年一一月一日、原告に対し本件一時金の要求をして団交を求めたところ、原告は、同年一二月一日までに回答する旨述べ、以後は支部の度重なる要求や、同年一一月一五日、一九日、二六日の時限ストライキに対しても、同様の回答をしたのみであったが、一一月三〇日に至り、前示争いのない命令書記載第一の三項(2)のとおり、

(一)  年末一時金については組合員一人平均基準内賃金の一・八か月分、別に再建協力金として一人平均同じく一か月分を支給する。

(二)  配分については基本給割七五パーセント、一律一五パーセント、調整考課一〇パーセントとする。

(三)  欠勤控除は前回どおりの率による。但しストライキは欠勤日数に算入する。

(四)  支給日は協定日の四日後とする。ことを骨子とする回答をした。

2  原告と支部との間の従来の一時金協定においても、欠勤控除の条項は存したが、スト欠勤はこれに算入しない慣行があり、これを算入する旨の条項は、右回答の数日前、原告の総務部長が思い付いて、本件一時金交渉で初めて主張されたものであり、原告としても、支部がこれを拒否するものと予想していた。

そして、支部は、かねて本件一時金の査定期間内である同四九年九月中に、七日間の全日ストライキをしたほか、時限ストライキを行なっており、スト欠勤控除をすると、一時金の支給率は支部組合員平均でほぼ九〇%になるのに対し、新労は結成されたばかりで、ストを行なっておらず、スト欠勤控除の適用の可能性がなかった。

3  同四九年一二月三日、本件一時金に関し、初めて団交が行なわれ、原告から右回答について説明がなされた。

この交渉当日、支部は一時金の支給額についてはさほど争わなかったが、スト欠勤控除の点は、従来なかった条項であり、了承できないとして争い、原告は、この条項は組合が複数になったことからその間の公平を図る必要があるためのものであると説明したが、時限ストライキの場合の取扱などの適用基準、あるいは条項の必要性についての具体的な理由の説明はしなかった。そして、当日の論議は、この条項の問題のため進展せず、結局、交渉は三〇分位で物別れとなった。

4  支部及び地方本部は、その後も、同四九年一二月一七日、二三日にさらに団体交渉の申入れをし、一方、同年一二月四日、一九日には時限ストライキを行ない、交渉妥結を求めたが、原告は、前示回答は最終回答であり、これを変更する意思はないとして、話し合いのための団体交渉を拒否し続け、同年一二月二〇日、支部が被告に労働争議あっせんを申請したのに対しても、原告はすでに一二月三日の団体交渉をしたこと及び自主解決をすることを理由に、同月二三日、あっせんを拒否した。

5  支部及び地方本部は、同年一二月二一日、被告に対し本件救済命令の申立をする一方、前示のように同月二三日さらに原告に団体交渉を申入れたが、原告は、同月二四日、会社回答をもって妥結するのであれば応ずると返答したのみで、依然として実際上団体交渉を拒否し続けた。

この間、支部は、スト欠勤控除条項だけを切り離し、その他の点について妥結することを原告に申入れたが、原告は、前示回答は最終的なもので、右条項は他の提案と一対のものであるから切り離せないと答え、その後も交渉は行なわれず、協定も成立しないままであった。

6  一方、新労は、同四九年一一月三〇日に原告から支部に対するものと同じ回答を受けていたが、同年一二月二日、これをそのまま受諾して一時金協定を結び、その支給を受けた。

7  そして、同五二年一月一一日、本件救済命令が発せられた。

六  不当労働行為の成否

1  一時金交渉において、使用者が、一時金の支給と関連づけた一定の条件を示すことは、その条件が不当労働行為を構成するような違法ないし公序良俗違反のものでない限り、違法ではなく、使用者がこのような条件付の回答を二つの労働組合に示した上、その回答を受け入れた一方の労働組合と協定を結んで一時金を支払い、これを受け入れなかった労働組合とは協定を結ばず、従って一時金を支払わないなど不利益な結果を生じさせたとしても、このことがただちに不当な差別であるということもできない。

しかし、使用者がこの条件に固執したため協定不成立ないし一時金不払の結果を生じた場合に、両組合と使用者の従来の関係、条件が付されるに至った事情、条件の内容とその実質的な必要性、交渉の経過などからみて、使用者に、一時金交渉にあたり労働者が一方の労働組合の組合員であること、もしくは正当な組合活動をしたことの故をもって不利益な取扱をする意思があったとみることのできる特段の事情が認められる場合は、使用者の行為は労働組合法七条一号の不当労働行為を構成するものである。

2  これを本件についてみると、前示のとおり、

(一)  原告は支部、地方本部の組合活動を嫌い、これに対する脱退勧誘等の支配介入をした経過があり、その後、その脱退組合員により結成された新労は、支部、地方本部の不当労働行為提訴に反対し、生産性向上をうたって結成宣言をするなど、原告と協調的な態度であることからすると、原告の両組合に対する優遇、冷遇の差別意思が存しても不自然ではない状況であり、

(二)  本件一時金の回答に、スト欠勤控除を条件として加えることは、昭和四九年一一月三〇日の回答の数日前に原告側が思いついたことであり、支部がこれを拒否することが予想されていたのに、あえてこれを提示する必要性について原告内部で慎重に検討した形跡はなく、原告がこの条項を両組合の平等取扱のため必要不可欠なものとして重視していたかどうか疑わしく、むしろ、支部の受諾しない条項を付加したことからすると、早期妥結を望んでいなかったものとも考えられ、

(三)  条件の内容については、原告と支部間では、従来の一時金協定においても、欠勤控除の条項は存在したが、スト欠勤はこれに算入しない慣行があったもので、この慣行が労働組合の自主性からみて維持すべきものかどうかは格別、スト欠勤控除の条項が協定にとり入れられると、本件一時金については、査定期間内にストライキをしていない新労組合員よりも、支部組合員の支給額が少なくなるという具体的な不利益があって、原告がこの点を認識していたことは明らかであり、

(四)  原告は、本件一時金の回答については、同四九年一二月三日に説明をしただけで、その後は事実上団体交渉を拒否し、被告によるあっせんを、自主交渉で解決するという理由で拒否しながら、同日以降の、スト欠勤控除条項切離し解決を含む支部、地方本部の団体交渉申入れに対しても、原告の回答のまま妥結するのでなければ交渉に応じないとして事実上拒否し、スト欠勤控除に固執したものであること

を総合すると、原告には、本件一時金交渉にあたって、支部組合員を新労組合員より不利益に取扱う意思があったとみるべき特段の事情があると判定されてもやむをえない事実関係にあり、被告が本件につき原告に労働組合法七条一号の不当労働行為があるとしてその救済を命じた本件命令に、事実認定上又は法律判断上違法、不当な点があるということはできない。

七  結論

以上のとおり、本件命令は適法であり、原告の本訴請求は理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条、九四条後段を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 加藤光康 裁判官 佐藤久夫 裁判官 山嵜和信)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例