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鎌倉簡易裁判所 昭和35年(ろ)35号 判決 1960年8月18日

被告人 清水善美子

大一四・九・七生 無職

主文

被告人を罰金弐千円に処する。

右罰金を完納することができないときは金五百円を壱日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

理由

一、罪となるべき事実

被告人は法令に定められた運転の資格を持たないで昭和三十五年五月八日午後五時頃藤沢市辻堂五〇七一番地附近道路において、小型乗用自動車を運転して、無謀な操縦をしたものである。

一、証拠の標目(略)

被告人はその際自動車がエンジンストツプを起し発進しなかつたのであるから無謀操縦にはならないと主張するが、凡そ自動車の操縦といい運転というは必ずしも自動車の運行中の操作のみを指すものではなくエンジン始動後発進に至るまでの準備操作をも含むものと解すべく其時被告人がエンジン始動中の自動車の操縦席に座りクラツチを踏み、ギヤーを入れ、発進の操作にかかつたのであるが単に被告人のクラツチの離し方が早かつたためエンジンストツプを起し発進をしなかつたものであることは被告人もこれを自認するところであるからその操作は自動車の操縦であり運転というに何等差支ないものである。

随つて被告人の右の主張は採用の余地がない。

一、法律の適用

道路交通取締法第七条一項第二項第二号第九条第一項第二十八条第一号

罰金等臨時措置法第二条

刑法第十八条

(裁判官 大畑宗二)

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