長崎地方裁判所 昭和41年(ワ)206号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕被告が非法人であることは、当事者間に争いがなく、法人ではない社団または財団であつても、代表者または管理人の定めのあるものは、その名において訴え、または訴えられることができるものであることは、民事訴訟法第四六条の規定上いうまでもないが、右の社団に属するものとなし得るがためには、それが法人に類する一定の組織を具有し、かつそれ自体独立した固有の目的を有する団体として継続的に存在し、しかもそれ自身の独立した財産を有するものでなければならないものと解するのを相当とするところ、被告代表者平岡豊輔本人尋問の結果に弁論の全趣旨を総合すると、被告は、(昭和三二年ごろ、)自動車整備修繕業者(長崎市内、大村市内、北高来郡内、南高来郡内および西彼杵郡時津町内存住の右業者)をもつて組織された団体であつて、その会員である業者に対して修繕料金等の支払いをしない常習悪質顧客につき、会員の通知によつて備付けの不良顧客者名簿に登載し、かつ登載されたその顧客名を全会員に周知せしめて、もつて当該顧客の爾後の修繕等の依頼を拒否するとともに、会員のために修繕料金等の回収の促進を図ることをその目的(なお会員相互の親睦の目的)とし(もつとも、以上の事実は、括弧内の部分を除き、当事者間に争いがない。)、極めて簡単ではあるけれども一応の会則を有し、さらに会長、副会長等の定めもあつて、現在その会員数は一一〇名程度であるが、会費制度をとつていないため、会自身の独立した財産とゆうようなものは全くなく、会長・副会長等も全くの無報酬であつて専任の従業員もいないことが明らかであるから、被告は、前記法条にいうところの社団(財団はもとより)には該当せず、したがつて、当事者能力は有しないものというほかない。(桑原宗朝 原政俊 水谷厚生)