長崎地方裁判所 昭和43年(ワ)238号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕よつて右損害額の算定に入ることとし、先ず逸失利益を見るに、<証拠>を合わせると、原告は大学生であるが、春休暇を利用して右西山方に傭われ自動車内装や部品取付のアルバイトを始めていたこと、原告は高校卒業後約一年数ケ月同種仕事の経験があつて、或る程度同仕事に対する技術を身につけていること、そしてその仕事は一日おきにあること等が認められる。しかしその従事する期間、稼働日数、金額については原告主張によつても(事故当日の三月三日高島に帰省していることは自認するところであるから、最も早い日で)同月五日以降仮に四月一杯迄隔日に仕事があるとしても五五日間の半分二八日となつてこの点において既に原告の主張する三五日間と計算違いがあるし、その従事するアルバイト内容が特殊の技術を要するものと思われず(精々自動車工業の下請作業)、且つ又平均賃金というのは労働基準法、労災保険法上、過去三ケ月間の収入の平均をいうことは当裁判所に顕著であるところ、前掲各証拠を以つてしては未だ平均賃金が原告主張の通りであるとの心証を惹起することは到底困難で、仮に偶々五日間その主張の収入があつたとしてもそれは通常人の予想し得ない法外の収入というべく、本件事故と相当因果関係ある損害と謂うを得ず前記原告の過失を斟酌すれば被告に対し賠償を求め得る損害は精々一日二千円の二八日分計五万六千円とするを相当とする。(山下進)