長野地方裁判所 平成7年(わ)126号 決定 1996年1月17日
本籍
長野県上田市大字諏訪形一一八〇番地二
住居
右同
漆器販売業
村上嘉道
昭和三年八月一五日生
右の者に対する所得税法違反被告事件について、次のとおり決定する。
主文
本件公訴を棄却する。
理由
本件公訴事実の要旨は、
「 被告人は、長野県上田市大字諏訪形一一八〇番地二において、漆器販売業を営むものであるが、所得税を免れようと企て、売上の領収証控を破棄改ざんするなどして売上の一部を除外するなどし、簿外の預金を設定するなどの方法により所得を秘匿した上
第一 平成二年分の実際総所得金額が四八九五万六八四八円あったにもかかわらず、平成三年三月八日、長野県上田市中央西二丁目六番二二号所在の所轄上田税務署において、同税務署長に対し、その総所得金額が八二七万四四五七円でこれに対する所得税額が九三万円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、平成二年分の正規の所得税額一九四三万三五〇〇円と右申告書税額との差額一八五〇万三五〇〇円を免れ
第二 平成三年分の実際総所得金額が三八五三万一六四九円あったにもかかわらず、平成四年三月五日、前記上田税務署において、同税務署長に対し、その総所得金額が七二一万四七三七円でこれに対する所得税額が八五万八八〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、平成三年分の正規の所得税額一四六一万七五〇〇円と右申告書税額との差額一三七五万八七〇〇円を免れ
第三 平成四年分の実際総所得金額が一億二六七七万四四五円あったにもかかわらず、平成五年三月一一日、前記上田税務署において、同税務署長に対し、その総所得金額が五九九万七四六六円でこれに対する所得税額が六八万六四〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、平成四年分の正規の所得税額五八九一万二五〇〇円と右申告書税額との差額五八二二万六一〇〇円を免れ
たものである。」
というのであるが、長野県上田市長作成の戸籍謄本によると、被告人は平成七年一二月二五日佐久市内で死亡したことが明らかであるから刑事訴訟法三三九条一項四号により本件公訴を棄却する。
(裁判官 仲宗根一郎)