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長野地方裁判所 昭和53年(行ウ)2号 判決 1981年10月29日

長野県松本市渚二丁目四番二三号

原告

新井貞雄

右訴訟代理人弁護士

久保田嘉信

杉下秀之

長野県松本市城西二丁目一番二〇号

被告

松本税務署長

右指定代理人

平賀俊明

佐藤恭一

山本宏一

神田富雄

塩井幸雄

六馬二郎

曲渕公一

主文

一  原告の請求をいずれも棄却する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  請求の趣旨

1  被告が、昭和五〇年一一月二六日付で、原告の、(一)昭和四七年分所得税についてした更正処分のうち総所得金額三〇〇万円、税額三二万二四〇〇円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分並びに(二)昭和四八年分所得税についてした更正処分のうち総所得金額四二八万円、税額六三万二八〇〇円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分(但し、国税不服審判所長が昭和五三年三月一七日付裁決で取消した部分を除く。)並びに(三)昭和四九年分所得税についてした更正処分のうち総所得金額一五〇〇万円、税額四一七万四五〇〇円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分(但し、国税不服審判所長が昭和五三年三月一七日付裁決で取消した部分を除く。)、をいずれも取消す。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

二  請求の趣旨に対する答弁

主文同旨

第二当事者の主張

一  請求原因

1  処分の経緯

(一) 原告は新井商店の屋号で自動車解体、製鋼原料回収等の業を営んでいるものである。

(二) 原告は、被告に対し、(1)昭和四七年分所得税について所得金額三〇〇万円、所得税額三二万二四〇〇円とする確定申告を、(2)昭和四八年分所得税について所得金額四二八万円、所得税額六三万二八〇〇円とする確定申告を、(3)昭和四九年分所得税について所得金額一五〇〇万円、所得税額四一七万四五〇〇円とする確定申告を、いずれも法定申告期限までにした。

(三) ところが、被告は、昭和五〇年一一月二六日付で、(1)昭和四七年分所得税について所得金額五五三万五〇〇〇円、所得税額一〇〇万六五〇〇円、過少申告加算税三万四二〇〇円とする更正及び賦課決定の各処分をなし、(2)昭和四八年分所得税について所得金額三八六六万五〇〇〇円、所得税額一九四五万一二〇〇円、過少申告加算税九四万〇九〇〇円とする更正及び賦課決定の各処分をなし、(3)昭和四九年分所得税について所得金額四一六三万八〇〇〇円、所得税額一九一二万〇八〇〇円、過少申告加算税七四万七三〇〇円とする更正及び賦課決定の各処分をなし、いずれもそのころ原告に対して右通知をした。

(四) 原告は、昭和五一年一月二一日、被告に対し、右各処分(以下、「本件各処分」という。)につき異議の申立をしたが、被告は同年四月一六日右申立をいずれも棄却した。

(五) そこで原告は、同年五月一七日、本件各処分につき、本件各処分は調査によらず単なる推計により原告の所得を過大に認定し見込み課税をしたとして、国税不服審判所長に審査請求をしたところ、国税不服審判所長は、昭和五三年三月一七日付で左記裁決をし、原告は同年五月二日右裁決書の送達を受けた。

(1) 昭和四七年分所得税について審査請求を棄却する。

(2) 昭和四八年分所得税について、原処分の本税の額のうち三一一万六四〇〇円及び加算税の額のうち一五万五八〇〇円、合計三二七万二二〇〇円を取消す。

(3) 昭和四九年分所得税について、原処分の本税の額のうち五二五万九六〇〇円及び加算税の額のうち二六万三〇〇〇円、合計五五二万二六〇〇円を取消す。

2  しかしながら、原告の所得金額は昭和四七年分が三〇〇万円、同四八年分が四二八万円、同四九年分が一五〇〇万円であるから、被告の前記各更正処分中右各金額を超える部分及び各過少申告加算税賦課決定処分(但し、国税不服審判所長が昭和五三年三月一七日付裁決で取消した部分を除く)は、いずれも原告の所得を過大に認定した違法がある。よって、請求の趣旨記載の判決を求める。

二  請求原因に対する認否

1  請求原因1の事実は認める。

なお、本件課税処分の経過は、別表一の(一)、(二)、(三)記載のとおりである。

2  請求原因2の主張は争う。

三  被告の主張

1  本件課税処分の経緯

(一) 原告は、屑金卸売業を営む白色申告者であったが、昭和四七年ないし同四九年所得税について、別表一の(一)、(二)、(三)の確定申告欄記載のとおり、確定申告をした。

(二) 被告は、原告の所有する機械の状況や原告が大町市方面で約一、〇〇〇坪の土地を購入していることなどからみて、過少申告であると推定されたので、原告の係争年分における所得税の調査を行った。

(三) 被告所部の係官(以下係官という。)が、昭和五〇年一月二一日原告方に臨場して調査したところ、原告方では、自動車その他の鉄屑、ダライ粉(鋳物の削りくず)、非鉄金属を取扱い、従業員は、解体工場に三名、本工場に一四名、事務員一名と臨時雇いがおり、プレス機、切断機、大型自動ハカリ(四〇トンまで計量可能)各一台、フォークリフト二台、四トン積みトラック四台を備え、解体工場で解体したものを本工場で計量分類したうえ、プレス或は切断して販売していることがわかった。

(四) 係官が、同月二二日原告方に臨場し、資料の提示を求めたところ、原告は、昭和四八年及び昭和四九年分の仕入及び売上の集計綴と伝票類を提示したが、売上、仕入、経費などを整理した帳簿は作成していないとして、提示しなかった。

(五) 係官が、同年三月一〇日原告と面接して調査したところ、原告は、事業用資産取得の詳細は調べていないこと、たな卸はやったことがないこと、古自動車は松本電鉄から仕入れていることなどを供述したが、その根拠となる資料は提出しなかった。

(六) 係官が、同年五月二六日原告と面接したが、原告は、調査に必要なその余の資料を提出しなかった。

(七) 以上のとおり、原告は、本件係争年分における所得金額計算の基礎となる資料の一部を提出したのみで、その余の資料を提出しなかったので、所得税法一五六条により、推計の方法によって、原告の事業所得金額を算定するほかはなかった。

2  原告の事業所得金額の計算根拠

本件係争年分における被告主張額の計算根拠は、次のとおりである。なお、昭和四七年分及び同四八年分は、昭和四九年分の計数を用いて推計しているので、まず、昭和四九年分について述べる。

(一) 昭和四九年 一億三〇二七万八一六六円

事業所得の金額は、原告の営む屑金卸売業にかかるものであり、その計算根拠は、別表二のとおりであって、その項目別の詳細は次のとおりである。

(1) 売上金額 一〇億九五七六万二一〇九円

原告提示による売上集計綴に基づいて算定したもので、売上数量は二万六九八九・八八九トンである。

(2) 仕入金額 八億〇三九八万五九〇二円

原告が提示した資料のうち、仕入集計綴によって算定した七億九六〇三万八六三二円と古自動車の仕入金額七九四万七二七〇円との合計額である。

(ア) 原告が提示した資料によるものは七億九六〇三万八六三二円(仕入トン数二万六四〇〇・八三二トン)である。

(イ) 古自動車の仕入金額 七九四万七二七〇円

(a) 松電自動車工業株式会社からの古自動車仕入金額七五四万円

原告は、古自動車を「松本電鉄」から仕入れていると申立てているが、被告の調査によると松本電気鉄道株式会社(略称「松本電鉄」)は廃棄された自動車を直接屑金卸売業者に販売することをせずに、松本電気鉄道株式会社の傍系会社である松電自動車工業株式会社(以下「松電自動車」という。)を通して屑金卸売業者に販売しているので、その松電自動東を調査したところ、右の古自動車仕入金額が把握された。

(b) その他の古自動車仕入金額 四〇万七二七〇円

原告が提示した資料のうちの領収書(仕入伝票の受領書を除く。)綴りの中に「仕入」と記載されているものの合計額である。

(3) たな卸減少金額 一〇〇九万三二三一円

原告は、たな卸についての資料を何ら提示しないので、被告は次の方法により、たな卸の減少金額を推計した。

(ア) 在庫減少トン数 三三四・七四五トン

後記(a)で述べるとおり、本年分の仕入トン数は二万六六五五・一四四トンであり、前記(1)で述べたとおり、本年分の売上トン数は仕入トン数より多い二万六九八九・八八九トンであるので、売上トン数と仕入トン数との差である三三四・七四五トンだけ、期末在庫が期首在庫に比較して減少していることになる。

(a) 仕入トン数 二万六六五五・一四四トン

原告提示の資料に基づいて算定した二万六四〇〇・八三二トンと古自動車の仕入トン数二五四・三一二トンとの合計額である。

<1> 原告提示の資料に基づいて算定した仕入トン数 二万六四〇〇・八三二トン

前記(2)の(ア)で述べた仕入トン数の合計額である。

<2> 古自動車の仕入トン数 二五四・三一二トン

原告は(2)の(イ)で述べたとおり、古自動車を七九四万七二七〇円仕入れているが、原告の申立てによると当時購入したバスは一台あたり二〇万円の取引となっており、一台あたりの重量は約八トンであるから、一トンあたりの単価は二万五〇〇〇円となる。

そこで、松電自動車以外から仕入れたその他の古自動車の仕入重量についても、バスの重量に換算して、古自動車の仕入金額七九四万七二七〇円を一トンあたりの単価二万五〇〇〇円で除して古自動車の仕入トン数を三一七・八九〇トンと算出した。

ところで、原告は調査の際に古自動車の仕入れについては、最高二〇パーセントの目減りがあると申し立てているので、目減りを減算したトン数である二五四・三一二トンを古自動車の仕入トン数としたものである。

(b) 売上トン数 二万六九八九・八八九トン

前記(1)で述べた売上トン数の合計額である。

(イ) 在庫減少金額 一〇〇九万三二三一円

(ア)により算定した期末在庫減少トン数三三四・七四五トンに、本年分の平均仕入トンあたり単価三万〇一五二円を乗じて算定した。

右平均単価は、前記(2)の(ア)で述べた本年分の総仕入金額七億九六〇三万八六三二円を、同年の総仕入トン数二万六四〇〇・八三二トンで除した三万〇一五二円である。

(4) 売上原価 八億一四〇七万九一三三円

(2)の仕入金額八億三九八万五九〇二円に、(3)のたな卸減少金額一〇〇九万三二三一円を加算したものである。

(5) 差益金額 二億八一六八万二九七六円

(1)の売上金額一〇億九五七六万二一〇九円から(4)の売上原価八億一四〇七万九一三三円を控除した金額である。

(6) 別表二の順号(6)ないし(16)記載の各金額については、原告が提示した資料のうち、経費領収書等に記載されているものを書き抜き集計したものである。

(7) 減価償却費(建物以外に係るもの) 一五五八万八九四五円

原告は、本件原処分時においては機械設備の取得年月・取得金額についての資料をなんら提示しなかったが、昭和五二年二月八日に至って関東信越国税不服審判所長野支所の担当者に対して、原告の事業を引継いで法人組織になった株式会社新井商店(以下「訴外会社」という。)の所有する機械設備の取得年月・取得金額・耐用年数等を記載した一覧表を提出した。ところで、訴外会社が原告から機械設備を引継ぐと、当然その機械・設備は耐用年数を一部経過したいわゆる中古資産となるものであるが、その提出された一覧表では新品と同様の耐用年数が記載されていた。

したがって、その提出された一覧表では原告の所有してた機械・設備を把握することができなかったので、被告は本件係争年分当時も訴外会社が設立された当時に所有する機械設備と同一のものを原告が所有していたとみなして、減価償却費を計算した。

(8) 雑費 一〇五万六二七九円

算定方法は(6)と同様である。

(9) 一般経費計 一億〇一九二万六六四六円

原告が支出した売上原価以外の必要経費のうち、その業種に一般的と認められる経費(すなわち、後述する「特別経費」を除いたもの。)であり、本件の場合は別表二の順号(6)の租税公課から(18)の雑費までの合計金額である。

(10) 算出所得金額 一億七九七五万六三三〇円

(5)の差益金額から(9)の一般経費計を控除した金額である。

(11) 給料賃金 二九〇五万三六三八円

原告の提示した資料のうち源泉所得税一人別徴収簿及び賃金台帳に記載されている給料賃金の金額から、原告本人の分を除外して算定したものである。

(12) 借入金利子割引料 一四七八万九一四七円

原告が提示した資料及び銀行調査により算定したものである。

(13) 建物減価償却費 二五万五二五三円

建物の減価償却費の算定には、取得年月・構造及び取得金額を確定する必要があるが、原告は、昭和四九年三月に改築した事務所(以下「新事務所」という。)の建築に関する資料を提示したが、それ以外の資料はなんら提示しなかったので、改築前の事務所(以下「旧事務所」という。)と工場については、やむを得ず固定資産課税台帳によって確認した事項に基いて算定した。

(14) 地代家賃 三〇万円

算定方法は(6)と同様である。

解体費 四九一万四九一一円

算定方法は(6)と同様である。

(15) 建物除却損 一六万五二一五円

(13)で述べたとおり、旧事務所は昭和四九年に除却されたので、その未償却残高を建物除却損と算定した。

(16) 特別経費計 四九四七万八一六四円

別表二の順号(21)給料賃金から(26)建物除却損までの合計額である。

(17) 特別経費控除後の所得金額 一億三〇二七万八一六六円

別表二の順号(20)の算出所得金額から(27)の特別経費計を控除した金額である。

(二) 昭和四八年分 七九九二万三六二一円

事業所得の金額は、原告の営む屑金卸売業に係るものであり、その計算根拠は別表三のとおりであって、その項目別の詳細は次のとおりである。

(1) 売上金額 五億七七〇九万一三八三円

原告提示の売上集計綴に基づくが、七月分については資料の提示がなかったので、その余の月の平均売上数量及び金額により推計し算定した。なお売上トン数は二万三三三七・一一一トンである。

(2) 仕入金額 四億四三五一万九五四五円

算定方法は昭和四九年分と同様である。

(ア) 原告が提示した資料によるものは、四億三九七六万四一四三円(仕入トン数二万四八〇一・八六八トン)である。

(イ) 古自動車の仕入金額 三七五万五四〇二円

(a) 松電自動車工業株式会社(以下「松電自動車」という。)からの古自動車仕入金額 三五六万三〇〇〇円算定方法は、昭和四九年分と同様である。

(b) 松電自動車以外からの古自動車仕入金額 一九万二四〇二円

原告は、古自動車の仕入先は松本電鉄(正しくは「松電自動車」である。)であると申し立てているが、昭和四九年分に松電自動車以外からも仕入れていることからして、昭和四八年分も同様に松電自動車以外からも仕入れているとみなして、その仕入金額を次のように推計した。

すなわち、前記(一)の(2)の(イ)で述べたように、昭和四九年分の松電自動車からの古自動車の仕入金額は七五四万円であり、同年分の松電自動車以外からの古自動車仕入金額は四〇万七二七〇円である。

そこで、本年分の松電自動車からの古自動車仕入金額三五六万三〇〇〇円に、昭和四九年分についての「その他の古自動車仕入金額」の「松電自動車からの古自動車仕入金額」に対する割合(五・四〇パーセント)を乗じ、本年分の松電自動車以外からの古自動車仕入金額を算定した。

(3) たな卸増加金額 二九五九万五三七九円

算定方法は、昭和四九年分と同様である。

(ア) 在庫増加トン数 一六六九・一三二トン

後記(a)で述べるとおり、本年分の仕入トン数は二万五〇〇六・二四三トンであり、(1)で述べたとおり本年分の売上トン数は仕入トン数より少ない二万三三三七・一一一トンであるので、仕入トン数と売上トン数との差である一六六九・一三二トンだけ、期末在庫が期首在庫に比較して増加していることになる。

(a) 仕入トン数 二万五〇〇六・二四三トン

原告提示の資料に基づいて算定した二万四八〇一・八六八トンと古自動車の仕入トン数二〇四・三七五トンとの合計額である。

<1> 原告提示の資料に基づいて算定した仕入トン数 二万四八〇一・八六八トン

(2)の(ア)で述べた仕入トン数の合計額である。

<2> 古自動車の仕入トン数 二〇四・三七五トン

原告は前記(2)の(イ)で述べたとおり、古自動車を三七五万五四〇二円仕入れていると推定され、その仕入金額を古自動車一トン当たりの推計仕入単価一万四七〇〇円で除して、古自動車の仕入トン数を二五五・四六九トンと仮に算定し、更に昭和四九年分と同様に二〇%の目減りを減算して、古自動車の仕入トン数二〇四・三七五トンを算出した。

古自動車の一トン当たりの仕入推計単価 一万四七〇〇円

本年分の古自動車の一トン当りの仕入単価は不明であるが、この単価は古自動車以外の一般の仕入単価の値動きに、ほぼ比例して変動するものと考えられるので、次の方法によって推計した。

すなわち、昭和四九年分の古自動車の一トン当たりの仕入単価二万五〇〇〇円に、後記(イ)の後段で述べる本年分の平均仕入トン当たり単価一万七七三一円の昭和四九年分の同単価三万一五二円に対する割合五八・八〇%を乗じて算定した。

(b) 売上トン数 二万三三三七・一一一トン

前記(1)で述べた売上トン数の合計額である。

(イ) 在庫増額金額 二九五九万五三七九円

(ア)により算定した期末在庫増加トン数一、六六九・一三二トンに、本年分の平均仕入トン当たり単価一万七七三一円を乗じて算定した。なお、右平均トン当たり単価は、前記(2)の(ア)で述べた本年分の古自動車以外の仕入金額四億三九七六万四一四三円を、同年分の古自動車以外の仕入数量二万四八〇一・八六トンで除して算定した。

(4) 売上原価 四億一三九二万四一六六円

(2)の仕入金額四億四三五一万九五四五円から、(3)のたな卸増加金額二九五九万七三七九円を控除したものである。

(5) 差益金額 一億六三一六万七二一七円

(1)の売上金額五億七七〇九万一三八三円から、(4)の売上原価四億一三九二万四一六六円を控除した金額である。

(6) 一般経費 五三六六万九四九八円

原告が提示した資料のうち本年分の経費の領収書は7月分、10ないし12月分のものしかなかったので(1)の売上金額五億七七〇九万一三八三円に昭和四九年分の一般経費率九・三〇パーセントを乗じて本年分の一般経費を算定した。なお、昭和四九年の一般経費率は、昭和四九年分の一般経費計一億一九二万六六四六円の、同年分の売上金額一〇億九五七六万二一〇九円に対する割合である。

(7) 算出所得金額 一億〇九四九万二七一九円

(5)の差益金額一億六三一六万七二一七円から(6)の一般経費五三六六万九四九八円を控除した金額である。

(8) 借入金利子割引料 一一四三万四三六三円

算定方法は、昭和四九年分と同様である。

(9) 建物減価償却費 一三万四四八四円

算定方法は、昭和四九年分と同様である。

(10) その他の特別経費 一八〇〇万五二五一円

特別経費のうち、給料賃金・地代家賃・解体費については、その算定の根拠となる資料が原告から提示されなかったが、昭和四九年分においてはこれらの経費が支出されているところから、本年分においても同様に支出されていることが推定されたので次の方法によって算出した。

すなわち、(1)の売上金額に、昭和四九年分の給料賃金・地代家賃・解体費の合計額の同年分の売上金額に対する割合(以下「その他の特別経費率」という。)三・一二パーセントを乗じて算定した。なお、その他の特別経費率は、昭和四九年分の給料賃金二九〇五万三六三八円、地代家賃三〇万円及び解体費四九一万四九一一円の合計額三四二六万八五四九円を、同年分の売上金額一億九五七六万二一〇九円で除して算定した。

(11) 特別経費計 二九五七万四〇九八円

(8)の借入金利子割引料一一四三万四三六三円と(9)の建物減価償却費一三万四四八四円及び(10)のその他の特別経費一八〇〇万五二五一円との合計額である。

(12) 特別経費控除後の所得金額 七九九二万三六二一円

(7)の算出所得金額一億九四九万七七一九円から(11)の特別経費計二九五七万四〇九八円を控除した金額である。

(三) 昭和四七年分 一七三八万八八一八円

事業所得の金額は、原告の営む屑金卸売業に係るものであり、その計算根拠は別表四の(一)のとおりであって、その項目別の詳細は次のとおりである。

(1) 売上金額 一億七三四一万二五八八円

原告が提示した資料の中には、本年分の売上に関するものが含まれていなかったので、原告の提示した資料に基づいて行った取引先に対する反面調査及び銀行調査並びに本人の申立てにより、本年分の売上金額を算定した。その内訳は次のとおりである。

(ア) 反面調査で確認した売上金額 一億一〇八一万六〇〇八円

(右の内訳は別表四の(二)(1)記載のとおり。)

(イ) 銀行調査及び本人の申立てにより算定した売上金額 六二五九万六五八〇円

(右の内容は同表(2)記載のとおり。)

(2) 算出所得金額 三〇六五万九三四五円

原告が提示した資料のみでは、仕入金額、売上原価及び一般経費を算定することができなかったので、次の方法により本年分の算出所得金額を算定した。

すなわち、(1)で述べた本年分の売上金額一億七三四一万二五八八円に、昭和四九年分と昭和四八年分の算出所得率(算出所得金額の売上金額に対する割合)の平均一七・六八パーセントを乗じて算定した。

(ア) 本年分の売上金額 一億七三四一万二五八八円

(1)で述べた売上金額である。

(イ) 算出所得率の平均 一七・六八パーセント

(a) 昭和四九年分の算出所得率 一六・四〇パーセント

昭和四九年分の算出所得金額一億七九七五万六三三〇円を、同年分の売上金額一〇億九五七六万二一〇九円で除して算定した。

(b) 昭和四八年分の算出所得率 一八・九七パーセント

昭和四八年分の算出所得金額一億九四九万七七一九円を、同年分の売上金額五億七七〇九万一三八三円で除して算定した。

(c) 平均算出所得率 一七・六八パーセント

(a)と(b)との平均である。

(ウ) 算出所得金額 三〇六五万九三四五円

(ア)の売上金額に(イ)の平均算出所得率一七・六八パーセントを乗じて算定した。

(3) 借入金利子割引料 七七二万五五七〇円

算定方法は、昭和四九年分と同様である。

(4) 建物減価償却費 一三万四四八四円

算定方法は、昭和四九年分と同様である。

(5) その他の特別経費 五四一万〇〇四七円

昭和四八年分と同様に次の方法によって算定した。

すなわち、(1)の売上金額一億七三四一万二五八八円に、前述((二)の(10))のその他の特別経費率三・一二パーセントを乗じて算定した。

(6) 特別経費計 一三二七万〇五二七円

(3)と(4)及び(5)の合計額である。

(7) 特別経費控除後の所得金額 一七三八万八八一八円

(2)の算出所得金額三〇六五万九三四五円から(6)の特別経費計一三二七万〇五二七円を控除した金額である。

(四) 売上原価の正当性について

(1) 昭和四九年分について

(ア) 被告が計算した売上原価の額は、八億一四〇七万九一三三円で、その売上金額一〇億九五七六万二一〇九円に対する割合(以下「原価率」という。)は七四・二九パーセントである。

(イ) ところで原告は、本件係争年分の約半年後である昭和五〇年六月一〇日に訴外会社を設立し、同時点をもって個人事業を廃止してその事業を右訴外会社に引継いでいる。

そして、右訴外会社の第一事業年度である昭和五〇年六月一〇から昭和五一年三月三一日までの事業年度(事業期間約一〇ケ月間)の法人税確定申告書を、昭和五一年五月三一日に被告に提出しているのであるが、当該申告書に添付された右訴外会社の右事業年度分の損益計算書によれば、商品売上高三億八九七一万五七七八円、売上原価二億五四九三万六七〇三円と計算されているが、この計算に基づく原価率は六五・四二パーセントである。

(ウ) 訴外会社は、従来原告が個人で経営していた屑鉄卸売の事業を引継ぎ、いわゆる個人から法人成りして設立されたものであるから、本件係争各年分における個人事業と訴外会社の事業内容は、実態的に変更がないと認められるのであるが、右訴外会社の損益計算中、営業活動の基本部分たる売上から売上原価算定に至るまでの計数に基づく財務比率は、右訴外会社の前身である原告の本件係争各年分における損益計算において比準適用しても極めて合理性が高いというべきである。

(エ) よって、前述の訴外会社の確定申告に基づく原価率六五・四二パーセントを適用して、本件係争年分の売上原価を算定すると七億一六八四万七五七二円となるが、被告の主張する売上原価の額はこれを上廻る八億一四〇七万九一三三円と計算しているのであるから、被告の主張に違法はない。

(2) 昭和四八年分について

昭和四八年分の売上原価についても、右1と同様の理由により原価率六五・四二パーセントを適用して算定すると、三億七七五三万三一八三円となるが、被告の主張する売上原価の額は、これを上廻る四億一三九二万四一六六円と計算しているのであるから、被告の主張に違法はない。

3  事業所得金額についての予備的主張

(一) 原告は、昭和五〇年六月一〇日訴外会社を設立し、個人事業を右訴外会社に引継ぎ事業を継続しているものであり、右訴外会社の第一事業年度である昭和五〇年六月一〇から昭和五一年三月三一日までの事業年度の法人税確定申告書を昭和五一年五月三一日に被告あて提出しているところ、同申告書に添付された損益計算書を要約すると別表五記載のとおりである。(同表は、訴外会社の右損益計算書を本件の事業所得の計算と対比し易いように、各科目を配列しなおしたものである。)

(二) 別表五によれば、特別経費の額及び法人税特有の経費の額(個人事業者にあっては、必要経費に算入されない経費を抽出したものである。)を控除する前の算出所得金額(同表番号8)は六一〇一万三九四二円であり、売上金額(同表番号1)三億八九七一万五七七八円に対する割合(以下「算出所得率」という。)は一五・六五パーセント(同表番号8の対売上比率)である。

(三) 訴外会社は本件係争年分の約半年後に設立され、原告の営んでいた個人事業をそのまま引継いで事業を継続しているのであるから、単に企業の人格が変更したのみで営業の実態は従前と全く同一と認められる。してみれば、右訴外会社の損益計算書に基づく財務比率を原告の本件係争各年分の所得金額の計算上比準的に適用することは、極めて合理性の高いものである。

(四) よって、(二)で述べた訴外会社の算出所得率一五・六五パーセントを本件係争各年分に適用して算出所得金額を算定すると別表六記載のとおりである。

4  本件過少申告加算税の賦課決定処分の根拠

本件更正処分により納付すべき昭和四七年分、同四八年分及び同四九年分の所得税額の各計算の基礎となった事実のうちには、いずれの年分においても国税通則法六五条二項に規定する「正当な理由」があるとは認められなかった。そこで被告は、同法同条一項の規定に基づき本件更正により納付すべき右各年分の所得税額(国税通則法一一八条三項の規定に基づき一〇〇〇円未満の端数金額切捨て)にそれぞれ一〇〇分の五の割合を乗じて計算した金額(国税通則法一一九条四項の規定に基づき一〇〇円未満の端数金額切捨て)を過少申告加算税として賦課決定したものである。

5  本件課税処分の適法性

被告が本訴で主張する本件更正処分の根拠である本件係争各年分の原告の事業所得金額は本件課税処分に係る所得金額(裁決で一部取消のあったものはその取消し後の金額)をいずれも上回るものであり、また本件賦課決定処分も前記4のとおり法律の規定にしたがって適法になされたものであるから、本件更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分には何らの違法はない。

四  被告の主張に対する原告の認否

1  被告の主張記載1(1)ないし(六)の事実は認める。

2  同1の(七)の事実のうち、原告が本件係争各年分の所得金額計算の基礎となる資料のうち一部を提示しただけであったことは認め、その余は知らない。

3  被告の主張記載2(一)の事実について、昭和四九年分の事業所得金額、(3)たな卸減少額及びこれに関連する(4)売上原価、(5)差益金額、(10)算出所得金額、(17)特別経費控除後の所得金額は争い、その余は認める。

4  同(二)の事実について、昭和四八年分の事業所得金額、(3)たな卸減少額及びこれに関連する(4)売上原価、(5)差益金額、(7)算出所得金額、(12)特別経費控除後の所得金額は争い、その余は認める。

5  同(三)の事実について、昭和四七年分の事業所得金額、(1)売上金額につき、別表四の(二)の(2)中、順号1のうち四八万八三六五円、順号2、6、14の各金額、(2)算出所得金額、(7)特別経費控除後の所得金額は争い、その余は認める。

6  同(四)の事実は争う。なお、訴外会社の事業内容には実態的にも変更があり、個人事業のときと比較すれば営業形態も著しく変っており、営業規模も大きくなっている。

7  被告の主張3記載の事実について、(一)、(二)は認め、その余は争う。なお、訴外会社の事業内容には実態的にも変更があり、個人事業のときと比較すれば営業形態も著しく変っており、営業規模も大きくなっている。

8  同4記載の事実について、本件更正処分により納付すべき昭和四七年分、同四八年分及び同四九年分の所得税額の各計算の基礎となった事実のうちには、いずれの年分においても国税通則法六五条二項に規定する「正当な理由」が認められなかったことは知らない、その余は認める。

9  同5記載の事実は違う。

五  原告の反論

1  被告は原告がたな卸について、なんら資料を提示しなかったので、たな卸減少金額を推計したと主張しているが、右推計は以下の点を考慮していない不正確なものである。

(一) 原告は主として古自動車を仕入れて鉄屑製品を製造しているが、古自動車にはタイヤ、シート、ガラス、油泥等の鉄以外のものが約二〇パーセント存在している。

(二) 被告は、古自動車の仕入トン数の算定についてのみ目減り二〇パーセントを考慮しているが、目減りがあることは在庫品や原告が提示した資料の合計数二万六四〇〇・八三二トンについても同様であるので、これらについても目減りを考慮して原材料トン数を算定しなければならない。

(三) 原告の仕入れにおける古自動車と、その他の鉄屑原材料の割合は、古自動車が七〇パーセント、その他が三〇パーセントであり、目減り率は古自動車が二〇パーセント、その他が五パーセントである。

2  昭和四九年分の事業所得金額について

(一) 売上トン数の鉄屑製品を産出するに必要な仕入トン数は、左記のとおり三万一九四〇・六九七トンである。

売上トン数 二万六九八九・八八九トン

仕入割合 七〇パーセント(古自動車)、三〇パーセント(その他)

目減り率 二〇パーセント(古自動車)、五パーセント(その他)

仕入トン数 xとする

(古自動車の売上トン数) (その他の売上トン数)

〇・七x×(一-〇・二)+〇・三x×(一-〇・〇五)=

(売上トン数) (売上産出に必要な仕入トン数)

二万六九八九・八八九トンx=三万一九四〇・六九七トン

(古自動車の仕入トン数)

三万一九四〇・六九七×〇・七=二万二三五八・四八八トン

(その他の仕入トン数)

三万一九四〇・六九七×〇・三=九五八二・二〇九トン

(二) 原告の在庫減少トン数は、左記のとおり五二二一・九七五トンである。

(売上産出に必要な仕入トン数)(原告提示資料) (その他) (在庫減少トン数)

三万一九四〇・六九七トン-(二万六四〇〇・八三二トン+三一七・八九〇トン)=五二二一・九七五トン

(三) 原告の在庫減少金額は一億二五三二万七四〇〇円である。

(1) 在庫減少トン数一トンあたりの単価は二万四〇〇〇円である。昭和四九年当時は、右油ショック後の異常物価時代であり、またたな卸資産の評価は取得原価によるとの原則から、昭和四八年度の仕入単価も考慮されなければならない。しかるとき、一トンあたりの単価は昭和四八年度と昭和四九年度の中間に設定すべきである。

(昭和四九年度単価)(昭和四八年度単価)

(三万〇一五二円+一万七七三一円)÷二=二万三九四二円

(2) 原告の在庫減少金額は、左記のとおり一億二五三二万七四〇〇円である。

(在庫減少トン数) (平均単価) (在庫減少金額)

五二二一・九七五×二万四〇〇〇円=一億二五三二万七四〇〇円

(四) 原告の特別経費控除後の所得金額は、左記のとおり一五〇四万三九九七円である。

(仕入金額) (たな卸減少額) (売上原価)

(1) 八億〇三九八万五九〇二円+一億二五三二万七四〇〇円=九億二九三一万三三〇二円

(売上金額) (売上原価) (差益金額)

(2) 一〇億九五七六万二一〇九円-九億二九三一万三三〇二円=一億六六四四万八八〇七円

(差益金額) (一般経費) (算出所得金額)

(3) 一億六六四四万八八〇七円-一億〇一九二万六六四六円=六四五二万二一六一円

(算出所得金額) (特別経費) (特別経費控除後の所得金額)

(4) 六四五二万二一六一円-四九四七万八一六四円=一五〇四万三九九七円

3  昭和四八年分の事業所得金額について

(一) 売上トン数の鉄屑製品を算出するに必要な仕入トン数は、左記のとおり二万七六一七・八八三トンである。

売上トン数 二万三三三七・一一一トン

仕入割合、目減り率は前記2(一)に同じ。

仕入トン数 xとする。

(古自動車の売上トン数) (その他の売上トン数)

〇・七x×(一-〇・二)+〇・三x×(一-〇・〇五)

(売上トン数) (売上産出に必要な仕入トン数)

=二万三三三七・一一一トンx=二万七六一七・八八三トン

(古自動車の仕入トン数)

二万七六一七・八八三×〇・七=一万九三三二・五一八トン

(その他の仕入トン数)

二万七六一七・八八三×〇・三=八二八五・三六五トン

(二) 原告の在庫減少トン数は、左記のとおり二五六〇・五四六トンである。

(売上産出に必要な仕入トン数)(原告提示資料) (その他) (在庫減少トン数)

二万七六一七・八八三トン-(二四八〇一・八六八トン+二五五・四六九トン)=二五六〇・五四六トン

(三) 原告の在庫減少金額は四五四〇万一〇四一円である。

(1) 在庫減少トン数一トンあたりの単価は一万七七三一円である。昭和四七年分の平均仕入トン数あたりの単価を考慮すべきであるが、右単価は不明であり、当時は石油ショックによる物価騰貴以前であるので、昭和四八年度の仕入単価一万七七三一円が在庫減少トン数一トンあたりの単価として妥当である。

(2) 原告の在庫減少金額は、左記のとおり四五四〇万一〇四一円である。

(在庫減少トン数) (平均単価) (在庫減少金額)

二五六〇・五四六×一万七七三一円=四五四〇万一〇四一円

(四) 原告の特別経費控除後の所得金額は、左記のとおり四九二万七二〇一円である。

(仕入金額) (たな卸減少額) (売上原価)

(1) 四億四三五一万九五四五円+四五四〇万一〇四一円=四億八八九二万〇五八六円

(売上金額) (売上原価) (差益金額)

(2) 五億七七〇九万一三八三円-四億八八九二万〇五八六円=八八一七万〇七九七円

(差益金額) (一般経費) (算出所得金額)

(3) 八八一七万〇七九七円-五三六六万九四九八円=三四五〇万一二九九円

(算出所得金額) (特別経費) (特別経費控除後の所得金額)

(4) 三四五〇万一二九九円-二九五七万四〇九八円=四九二万七二〇一円

4  昭和四七年分の事業所得金額について

(一) 売上金額は次のとおり一億七〇六〇万五六五四円である。

(1) 被告の主張2(三)(1)(イ)記載別表四の(二)の(2)の順号2大和製作所六二万四二四〇円は、訴外大和管業有限会社からの手形による借入金である。

(2) 同表順号6、カガ一六九万二八二九円は、訴外加賀商事株式会社のことであるが、同社は東海銀行本店を通じて原告方に買掛金を入金しており、同表順号7、トウカイ四〇五万八三九五円に含まれるもので、これと重複している。

(3) 同表順号14、スズヨ一五〇〇円は、原告の燃料仕入先である訴外株式会社鈴与から原告が過払いした燃料代金の戻し代金である。

(4) 同表順号1、武仁三五一万八一五五円のうち四八万八三六五円は、原告が、原材料を購入させるために仮払いした金額であるところ、結局原材料の購入がなされなかったため、原告の銀行口座へ戻されたものである。

(5) したがって、右の合計金員は被告主張の売上金額から控除すべきであるので、原告の売上金額は左記のとおり一億七〇六〇万五六五四円である。

(被告主張の売上金額) ((1)の分) ((2)の分) ((3)の分) ((4)の分)

一億七三四一万二五八八円-(六二万四二四〇円+一六九万二八二九円+一五〇〇円+四八万八三六五円)

(売上金額)

=一億七〇六〇万五六五四円

(二) 原告の使用する油圧式切断機は、他の業者が使用するプレス式機械に比して、廃棄物が多く発生するために仕入品の消耗率が高いのである。右事実を勘案した原告の所得は、前述したとおり、昭和四九年度が一五〇四万三九九七円、昭和四八年度が四九二万七二〇一円である。したがって、両年度の平均算出所得率は、左記のとおり一・一一パーセントである。

(1) 昭和四九年度 一・三七パーセント

(特別経費控除後の所得金額)(売上金額)

一五〇四万三九九七円÷一〇億九五七六万二一〇九円=一・三七パーセント

(2) 昭和四八年度 〇・八五パーセント

(特別経費控除後の所得金額)(売上金額)

四九二万七二〇一円÷五億七七〇九万一三八三円=〇・八五パーセント

(3) 平均算出所得率 一・一一パーセント

(昭和四九年度) (昭和四八年度)

(一・三七パーセント+〇・八五パーセント)÷二=一・一一パーセント

(三) したがって、原告の特別経費接除後の所得金額は、左記のとおり一八九万三七二三円である。

(売上金額) (平均算出所得率) (特別経費控除後の所得金額)

一億七〇六〇万五六五四円×一・一一パーセント=一八九万三七二三円

六  原告の反論に対する認否

1  原告の反論1記載の事実について

(一) 冒頭の主張は争う。

(二) (一)は争う。

(三) (二)は争う。原告が提示した資料に基づいて算定した昭和四九年分の仕入トン数二万六四〇〇・八三二トンは、すべて鉄屑の種類別に区分され、原告方の台貫によってその種類ごとに重量を計量したものの合計である。そして、目減りを考慮して計量された重量に鉄屑の単価を掛けた金額が、仕入代金として支払われているのであるから、鉄屑についてまで目減りを考慮する必要はない。

(四) (三)は争う。

2  同記2記載の主張は争う。

3  同3記載の主張は争う。

4  同4記載の事実について

(一) (一)(1)は否認する。原告は訴外大和管業有限会社からの手形による借入金である旨主張するが、被告の主張は、訴外株式会社大和製作所が昭和四七年二月二五日原告に対し振出した約束手形(額面金額六二万四二四〇円)について、原告が訴外株式会社新潟相互銀行松本支店で割引き同行同支店の原告名義の当座預金口座(口座番号〇〇三六六七)に入金した事実をいうのであって、右金額六二万四二四〇円は昭和四七年分の売上である。なお右手形の割引により支払った割引料の額は、昭和四七年分の割引料の額二八六万〇八二三円のうちに算入されている。

(二) (一)(2)は否認する。被告の主張する順号6、カガ及び順号7、トウカイに対する売上金額は、別表七記載のとおり、訴外株式会社八十二銀行松本支店の原告名義の当座預金口座(口座番号二-〇〇八-二五四)に振込入金された金額から算定したものであり、重複計上はない。

(三) (一)(3)は否認する。右振込入金額一五〇〇円は、原告が訴外鈴与株式会社に対し、タイヤのホイルを販売した代金である。そして、右金額は同社が訴外八十二銀行松本支店の原告名義の前記当座預金口座に振込入金したものであって、昭和四七年分の売上金額である。

(四) (一)(4)は否認する。右金額は、武仁振出の手形について、原告が、訴外株式会社新潟鉄行松本支店において割引き、同支店の原告名義の当座預金口座(口座番号〇〇三六六七)入金したものである。

(五) その余は争う。

第三証拠

一  原告

1  甲第一号証の一ないし二三、第二号証の一ないし三

2  原告本人

3  乙号各証の成立はいずれも認める。

二  被告

1  乙第一号証の一ないし五、第二、第三号証、第四号証の一ないし四、第五ないし第一六号証、第一七号証の一、二、第一八号証の一ないし七、第一九号証

2  証人見田栄助、同小川廣海

3  甲第一号証の一ないし二三の成立は認める。その余の甲号各証の成立は知らない。

理由

一  本件課税処分の経緯

(一)  請求原因1の(一)ないし(五)の各事実及び被告の主張1の(一)ないし(六)の各事実は、当事者間に争いがない。

(二)  右争いのない事実によれば、被告が原告の本件係争年度における事業所得金額の計算につき、所得税法一五六条に基づく推計の方法によらざるをえなかったことは、やむをえなかったものといえる。

(三)  そこで、原告の各係争年度における所得金額の計算の当否を判断するが、被告は昭和四九年分の計数をその余の年度における推計の資料としているので、まず昭和四九年分から検討を加える。

二  昭和四九年分の事業所得金額について

(一)  原告は、別表二のうち、順号3のたな卸減少金額を争う結果、同表の順号4、5、20、28の各金額をも争っているが、その余の同表記載の金額は争っていないので、以下右争点であるたな卸減少額について判断する。

(二)  証人見田栄助の証言(以下見田証言という。)によると、原告は、本件各係争年度の年初及び年末における在庫品のたな卸を行っていなかったことが認められる。従って、被告がたな卸減少額を知ることができず、ひいては売上原価を実額で把握することができなかったことは、明らかであり、これを推計により算定したことは、やむをえなかったものといえる。

(三)  ところで、売上原価は、年初のたな卸金額に年中における仕入金額を加算した金額から、年末におけるたな卸金額を控除することによって、その実額が得られるから、原告の場合屑金の年間販売重量から、年間仕入重量を控除することによって、その年のたな卸重量の増減分が算出され、これに屑金の平均仕入単価を乗ずることにより、年初におけるたな卸減少額又は年末におけるたな卸増加額を推計できる筋合である。

(四)  原告提示の売上集計綴に基づく屑金の販売量は二万六九八九・八八九トンで、その金額は一〇億九五七六万二一〇九円であり、原告提示の仕入集計綴に基づく屑金の仕入重量は二万六四〇〇・八三二トンで、その金額は七億九六〇三万八六三二円であり、原告の仕入れた古自動車の金額は、松電自動車分が七五四万円、その他の分が四〇万七二七〇円であることは、見田証言及び弁論の全趣旨により認めることができる。

(五)  前示のとおり、古自動車の仕入重量は、明らかでないから、右仕入金額から推計するほかはない。見田証言によれば、原告が松電自動車から仕入れた古自動車(バス)は、重量が八トン位で代金が二〇万円位であったことが認められるから、トン当り単価は二万五〇〇〇円位であったことが推認される。その他の古自動車の重量や価格を認めるに足りる資料のないことは、弁論の全趣旨に照らして明らかであるから、これについても前記と同じ単価で推計したことは、やむをえないものといえる。右単価で古自動車の仕入金額七九四万七二七〇円を除すると、その仕入重量は三一七・八九〇トンと推認される。

(六)  見田証言及び原告本人尋問の結果によると、古自動車には、金属部分以外のガラス、タイヤ、ビニールなどが含まれていて、その割合は二〇パーセントを下らないことが認められるので、前記仕入重量の八〇パーセントである二五四・三一二トンが金属部分の仕入重量となる。

(七)  以上によれば、昭和四九年における屑金の仕入重量の総額は、二万六六五五・一四四トンと推計されるが、これに対して同年における売上重量の総額は、前示のとおり二万六九八九・八八九トンであるから、その差額三三四・七四五トンは、前年末における在庫すなわち、たな卸量を減少させているものと推認される。

(八)  前示のように、古自動車以外の屑金の仕入重量及び金額は実額であるので、その金額七億九六〇三万八六三二円をその重量二万六四〇〇・八三二トンで除すると、昭和四九年における平均仕入単価は三万〇一五二円となるから、前示たな卸減少部分と推計される重量三三四・七四五トンに右単価を乗ずると、昭和四九年におけるたな卸減少額は一〇〇九万三二三一円となり、争点となっている昭和四九年における売上原価は、前示仕入金額とたな卸減少金額との合計八億一四〇七万九一三三円と推計される。

三  昭和四八年分の事業所得金額

(一)  原告は、別表三のうち、順号3のたな卸増加金額を争う結果、同表の順号4、5、7、12の各金額をも争うが、その余の金額は争っていないので、以下右争点について判断する。

(二)  前示のとおり、原告は年末におけるたな卸を行っていなかったので、たな卸増減金額ひいては売上原価を実額で把握することができなかったことは明らかであるから、これを推計の方法によって算出したことは、やむをえなかったものといえる。

(三)  原告の提示した売上集計綴に基づく屑金の売上数量は二万三三三七・一一一トン(ただし、七月分は推計による。)で、その金額は五億七七〇九万一三八三円であり、原告提示の仕入集計綴に基づく仕入数量は二万四八〇一・八六八トンで、その金額は四億三九七六万四一四三円であり、古自動車の仕入金額は松電自動車分が三五六万三〇〇〇円であるが、それ以外の者からの仕入分については資料がないので、昭和四九年における両者の比率五・四パーセントによって推計した金額が一九万二四〇二円であることは、見田証言及び弁論の全趣旨により認めることができる。

(四)  前示のとおり、古自動車の仕入数量が不明であるから、その仕入金額から推計するほかはないが、昭和四九年のように古自動車一台当りの仕入単価も明らかでないところから、昭和四九年における古自動車一トン当りの仕入単価二万五〇〇〇円に、昭和四九年における屑金の平均仕入単価三万〇一五二円に対する昭和四八年における屑金の平均仕入単価一万七七三一円の比率五八・八パーセントを乗じた一万四七〇〇円をもって、昭和四八年における古自動車一トン当りの単価と推計することもやむをえないものと考えられる。

(五)  古自動車の一トン当り単価一万四七〇〇円をもって、昭和四八年における古自動車の仕入金額三七五万五四〇二円を除すると、古自動車の仕入数量として、二五五・四六九トンが算定される。これに前示昭和四九年におけると同様二〇パーセントの目減率を乗ずると、古自動車の仕入数量は二〇四・三七五トンが推計される。

(六)  前示仕入集計綴に基づく仕入数量二万四八〇一・八六八トンに古自動車の仕入数量二〇四・三七五トンを加えた数量は、前示売上数量二万三三三七・一一一トンより、一六六九・一三二トンだけ多いから、この分だけ昭和四八年における期末在庫が期首在庫より増加していることになる。これに昭和四八年における平均仕入単価トン当り一万七七三一円を乗じた二九五九万五三七九円が昭和四八年末におけるたな卸増加金額となる。右金額を前示仕入金額四億四三五一万九五四五円から控除すると、その残額四億一三九二万四一六六円が売上原価となる筋合である。

四  昭和四七年の事業所得金額

(一)  原告は、別表四の(一)のうち、順号1、2の売上金額及び算出所得金額を争う結果、同表の順号7の特別経費控除後の所得金額を争うので、右争点について以下判断する。

(二)  見田証言によると、原告は、昭和四七年分の売上に関する資料を係官に提出しなかったので、原告の提示したその他の資料に基づき、原告の取引先に対する反面調査及び銀行調査並びに原告の申立により、売上金額を算定したことが認められる。

(三)  原告は、昭和四七年の売上金額のうち、別表四の(二)の(2)中、順号1(ただし、四八万八三六五円のみ)、2、6、14の各金額を争うが、その金額及び別表四の(二)の(1)の各金額は争っていないので、以下右争点について検討をする。

(四)  順号1武仁に対する四八万八三六五円

原告は、右金額につき仮払金を戻したものであると主張している。しかし、成立に争いのない乙第一八号証の一、六、七、第一九号証によると、原告は、昭和四七年八月一八日武仁振出にかかる額面四八万八三六五円の手形を、原告の取引銀行で割引いていることが認められるから、原告が仮払金を戻したものでないことは明らかである。原告が武仁に対して販売取引していたことは、弁論の全趣旨により明らかであるから、右手形金も又右取引に基づく売上金であると推認するのが相当である。

(五)  順号2大和製作所に対する六二万四二四〇円

原告は、右金額につき、訴外大和管業有限会社からの手形による借受金であると主張する。そして、成立に争いのない乙第三号証、第四号証の一ないし四、第五号証によると、原告は、大和製作所振出にかかる額面六二万四二四〇円、振出日昭和四七年二月二五日、支払期月同年八月三一日、受取人原告と記載ある約束手形を同年四月六日取引銀行で割引き、支払期日に決済されていることが認められる。しかし、右認定事実に照らすと、右手形金は取引に基づく受取手形の形式をとっていることが推認されるから、原告において借受金であることにつき特段の立証をしない本件では、右手形金を売上金であると推測すべきである。

(六)  順号6カガに対する一六九万二八二九円

原告は、右金額につき、順号7と重複計上されている旨主張する。しかし、成立に争いのない乙第六ないし一四号証によると、順号6、7の各金額は、別表七のとおり、各振込人から原告の取引銀行における原告名義の預金口座に振込まれていることが認められるから、原告の右主張は失当であって、右金額は原告の売上と推認される。

(七)  順号14、スズヨに対する一五〇〇円

原告は、右金額につき、過払金の返還をうけたものであると主張する。しかし、成立に争いのない乙第一五、一六号証、第一七号証の一、二によると、原告は、昭和四七年四月二六日ころ、鈴与株式会社に対して、中古タイヤホイルを一五〇〇円で売却していることが認められるから、右金額が原告の売上金であることは明らかである。

(八)  以上によると、原告の昭和四七年分の売上金額は一億七三四一万二五八八円であることが認められるところ、見田証言によると、原告は、昭和四七年分の仕入金額、売上金額及び一般経費に関する資料を提示しなかったことが認められるから、被告が右売上金額に前示昭和四八年及び同四九年における平均所得率一七・六八パーセントを乗じて、原告の昭和四七年における所得金額を三〇六五万九三四五円を算出したことは、やむをえないものであると考えられる。

五  被告の主張の当否

以上認定したところでは、原告の争点について、すべて被告の主張する推計金額が認められるから、その余の争いがない金額を基準として計算した結果、被告の主張するとおり、原告の本件係争年度における事業所得の金額が算定されることは計数上明らかである。

六  原告の反論に対する判断

(一)  原告は昭和四八年及び同四九年における仕入集計綴には、(A)、古自動車と(B)、その他の屑金原材料が含まれており、右(A)、(B)の比率は七対三であるとし、その製品化過程における目減率は、(A)が二〇パーセントであり、(B)が五パーセントであると反論している。しかし、見田証言によると、原告は、屑金業者から、屑鉄二級、ブリキ、ダライ粉、砲金などの種類別に区分したものを計量して仕入れ、仕入伝票や仕入集計綴にその数量と金額を記載しており、これを切断或はプレスする場合には目減りすることは考えられないことが認められるのであり、また原告本人尋問の結果によると、原告は、古自動車を買入れる場合、一台当りいくらかで買い、計量していなかったこと及び屑金自体が切断プレス過程で目減りすることがないことを認めることができるから、右原告の反論は採用できない。

(二)  原告が右(一)で主張する計算方法で算出したところによると、昭和四八年の在庫減少量が二五六〇・五四六トンであり、昭和四九年の在庫減少量が五二二一・九七五トンとなるから、昭和四七年末における在庫量が七七八二・五二一トン以上あったことになる。原告主張のように、右在庫量の七割が古自動車であるとすると、古自動車の昭和四七年末における在庫量が五四四七・七六四トン以上となり、昭和四八年末における在庫量は三六五五・三八二トン以上となる。しかし、前示のとおりバス一台当りの重量は八トン位あり、乗用車の一台当りの重量が八〇〇キログラム余であること(原告本人尋問の結果による。)を考えると、これを保管するために非常に広大な土地が必要であるところ、原告の解体場の面積は二五〇〇平方メートル余であること(弁論の全趣旨による。)を基礎とするかぎり、前記の在庫量を保管することは、不可能であると推測されるのであって、この点からみても、原告の前記主張が誤っていることを容意に推認することができる。

七  推計の合理性

(一)  被告の行った前示推計の方法は、昭和四八年及び同四九年分については、原告の売上及び仕入の金額の全部とその数量の大部分を実額で把握するものであり、また昭和四七年分については、その売上金額を取引先や銀行調査及び原告の申立に基づいて算定したもので、大部分の金額につき原告の争わないところであって、これらの金額を基準としてなされた売上原価及び事業所得の金額の算定についても、前示のとおり、推計の方法に不合理な点は見出しえない。

(二)  さらに、成立に争いのない乙第一号証の一ないし五、第二号証及び小川廣海の証言によると、(1)、原告は、個人で経営していた屑金卸売業を昭和五〇年六月一〇日株式会社新井商店(訴外会社)に引継いでいること。(2)、訴外会社の第一事業年度(前同日から昭和五一年三月三一日まで)における業種、機械等の設備の状況、売上及び仕入の方法、作業方法や従業員数などの事業内容は、原告の本件係争各年度の個人事業とあまり変らないこと。(3)、訴外会社の第一事業年度における法人税確定申告書添付の損益計算書によると、商品売上高は三億八九七一万五七七八円で、売上原価は二億五四九三万六七〇三円であること。以上の各事実を認めることができる。

(三)  右認定事実によると、訴外会社における第一事業年度の売上原価の売上高に対する比率すなわち、売上原価率は六五・四二パーセントであり、訴外会社における業態と原告の個人事業における係争各年度のそれとは、おおむね変りがないものと推認されるところ、前示原告の売上高に対する売上原価の比率は、昭和四八年及び同四九年分とも、訴外会社の前示売上原価率を上回っていることが認められ、利益率を低く見積っている点で、本件推計の合理性を裏付けるものと推認されるのであり、右両年度における所得率を基準とする昭和四七年分についても、同様のことが推測しえられる。

八  以上のとおり、本件更正処分の根拠である本件係争各年分の原告の事業所得金額は、本件課税処分に係る所得金額(裁決で一部取消のあったものはその取消し後の金額)をいずれも上回るものであると推計されるのであって、右課税処分に原告主張のような違法はなく、また、前記認定した事実によれば、本件更正処分によって納付すべき本件各所得税額の計算の基礎となった事実のうちに、国税通則法六五条二項に規定する正当な事由がないものと認めることができるから、本件過少申告加算税の賦課決定処分にも違法はない。

九  以上によれば、原告の本訴請求は理由がないので、いずれもこれを棄却し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 安田実 裁判官 松本哲泓 裁判官 岡本岳)

(一) 昭和四七年分

<省略>

(二) 昭和四八年分

<省略>

(三) 昭和四九年分

<省略>

昭和四九年分事業所得の計算根拠

<省略>

<省略>

別表三

昭和四八年分事業所得の計算根拠

<省略>

別表四の(一)

昭和四七年分事業所得の計算根拠

<省略>

別表四の(二)

(1) 昭和四七年分売上金額(反面調査により確認したもの)

<省略>

(2) 昭和四七年分売上金額(銀行調査及び原告申立によるもの)

<省略>

別表 五

(株)新井商店の自昭和50年6月10日 至昭和51年3月31日事業年度の損益計算の分析表

<省略>

別表六

(株)新井商店の算出所得率による係争年度の所得金額

<省略>

別表七

加賀商事(株)及び東海銀行本店に対する売上金額

<省略>

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