大判例

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青森地方裁判所 昭和25年(行モ)4号 決定

被告が青森縣南津軽郡柏木町町長解職請求代表者対馬喜作等の求めにより昭和二五年四月四日付で地方自治法施行令第九四條に則り施行した町長解職請求者署名簿と選挙人名簿との照合確認証明行爲の効力の発生およびこれに基く一切の手続ないし執行(從つて新町長選挙手続をも包含)は当裁判所昭和二五年(行)第二三号行政処分取消請求事件の判決が確定するまでこれを停止する。

二、理  由

原告代理人は主文同旨の決定を求める旨申立てその理由として陳述した事実の要旨は被告は昭和二五年一月六日付青森縣南津軽郡柏木町町長解職請求代表者対馬喜作等の求めにより同年四月四日付で地方自治法施行令第九四條に則り解職請求者署名簿と選挙名簿とを照合し、署名簿に署名捺印した者一、二八三名中一、二六二名が選挙人名簿に記載されている者であることを確認し、照合簿と署名簿に契印し、その旨証明し、なお、署名簿に署名捺印した者の総数及びその者の中で選挙人名簿に記載された者の総数を計算記載して請求代表者対馬喜作等に返付した。併し乍ら、右照合確認証明手続は適法に成立した選挙管理委員会の委員全部の合議で爲されなければならないに拘らず委員成田市太郎一人でこれを独断專行した。從つて右証明手続には重大な瑕疵欠陷があり到底取消を免れない。仮りにそうでないとしても同町総有権者は二、九七九名であるところ本件請求者一、二六二名中三〇〇名は請求書に自署捺印せず從つて残有権者八六二名では総有権者数の三分の一たる九九三名に達せず本件解職請求は地方自治法第八一條所定の要件を欠くから右証明行爲は事実に副わず到底取消を免れない。そこで原告は曩に当裁判所に右証明行爲の取消請求訴訟を提起し同事件は目下同裁判所において審理中であるが、判決の確定を俟つにおいては、不測且つ到底回復乃至補償不能の損害を被ることは必至であるから、ここに、本案判決が確定するまで右証明の効力の発生及びこれに基く一切の手続乃至執行(從つて新町長の選挙手続等をも包含する)の停止決定を求めるため本申立に及ぶというにある。

よつて一件記録を精査し、諸般の事情を考慮すれば原告の主張事実は一應理由があるものと認められるから行政事件訴訟特例法第一〇條に則り主文のように決定する。

(裁判官 中川毅 工藤健作 高沢新七)

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