大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

青森地方裁判所鰺ケ沢支部 事件番号不詳 判決

主文

被告人を懲役一年六月に処する。

訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理由

被告人は林檎の仲買を業とする者であるが昭和二十三年三月十六日青森県西津軽郡水元村大字野木字西松虫百二十八番地の自宅で工藤佐之松に対し林檎国光五百箱を同月二十四日頃迄に貨車積として上越線沼田駅迄輸送し同駅に於て佐之松の指定した野村竜三に渡すことの条件の下に代金六十二万五千円で売買契約を為しその手附金として即日金三十二万円同月二十一日残代金三十万五千円を右自宅で受領したにも拘らず之が履行を為さなかつたため佐之松より再三の督促を受けるや同年四月十一日その履行の意思のないのに佐之松を五能線鶴泊駅に案内し同駅で寺山昇衛をして林檎四百二十二箱の貨車積を為さしめ之に上越線沼田駅行の車標を挿入せしめ恰も林檎五百箱を沼田駅迄発送の手続を完了し着荷を待つのみの如く佐之松に示してその旨同人をして誤信させ佐之松が安心して帰宅するやその履行を為さず因て債務の弁済を免れ以て財産上不法の利益を得たものである。

証拠の標目(省略)

法令の適用

法律に照らせば被告人の判示所為は刑法第二百四十六条第二項に該当するので所定刑期範囲内に於て被告人を懲役一年六月に処し訴訟費用の負担につき刑事訴訟法第百八十一条を適用して全部被告人の負担とする。

右の次第で主文の通り判決する。(昭和二六年一〇月二六日青森地方裁判所鰺ケ沢支部)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!