大判例

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青森家庭裁判所弘前支部 事件番号不詳 判決

被告人 木村久男

主文

被告人を罰金五千円に処する。

右罰金を完納することができないときは金五百円を壱日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

訴訟費用は全部被告人の負担とする。

本件公訴事実中R子に対する労働基準法違反の点は無罪。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は昭和三十一年十一月頃から肩書住居においてカフエー「みつわ」を経営しているものであるが、昭和三十二年十二月下旬から翌三十三年二月二十四日頃迄の間雇人のS子(昭和十五年三月二十七日生)を同女は満十八歳に満たない者であつて酒席に侍する業務に就労せしめることはできないのに拘らず、これを知り乍ら同所において年少者の福祉に有害なる客の酒席に侍する業務に就労させたものである。

(証拠)

右の判示事実は

一、証人S子の当公廷における供述

一、証人成田昌次の当公廷における供述

一、S子の司法警察員に対する昭和三十三年二月二十五日附供述調書

一、青森県東津軽郡今別町役場の五所川原警察署宛嘱託回答書

一、被告人の司法警察員に対する同年二月二十五日附供述調書及び検察官に対する昭和三十二年十月三十一日附昭和三十三年五月十二日附各供述調書

を総合して認め得られるからその証明十分である。

(法令の適用)

法律に照すと被告人の判示所為は労働基準法第六十三条第二項第四項、第百十九条第一号、女子年少者労働基準規則第八条第四十四号罰金等臨時措置法第二条に該当するから所定刑中罰金刑を選択しその所定金額の範囲内において被告人を罰金五千円に処し、刑法第十八条により右罰金を完納することができないときは金五百円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置することとし、訴訟費用は刑事訴訟法第百八十一条第一項に則り被告人をして全部負担させることとする。

なお本件公訴事実中、被告人は昭和三十三年二月四日頃から同月二十四日頃までの間満十八歳にみたない雇人R子(昭和十七年三月十七日生)を被告人の経営しているカフェー「みつわ」において客の酒席に侍らせたとの事実については被告人においてR子を客の酒席に侍らせるに当り同女が満十八歳に満たない者であることの認識があることが犯意の成立要件であると解するところ、検察官提出の提出の証拠を以てしては被告人に右の認識があつたことを認定することはできず他に右事実を認めるに足る証拠のない本件においては結局犯罪の証明がないことに帰し刑事訴訟法第三百三十六条により被告人は無罪たるを免れない。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 太中茂)

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