高松地方裁判所 昭和49年(わ)198号 判決 1974年12月26日
本店所在地
香川県善通寺市上吉田町三六五番地の二
株式会社田組
(右代表者氏名 田組孟)
本籍
同県三豊郡三野町大字下高瀬七六九番地の二
住居
同県三豊郡三野町大字下高瀬七六九番地の二
家具販売業
田組孟
大正三年七月二〇日生
右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官忠海弘一出席のうえ審理し、次のとおり判決する。
主文
被告人株式会社田組を罰金五〇〇万円に、
被告人田組孟を懲役一〇月に
各処する。
ただし、被告人田組孟に対し、この裁判確定の日から二年間、右刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人株式会社田組は、香川県善通寺市上吉田町三六五番地の二に本店を置き、綜合家具の販売業を営んでいるもの、被告人田組孟は、同会社の代表取締役でその業務全般を統括しているものであるが、同被告人は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て
第一、被告会社の昭和四五年六月一日から同四六年五月三一日までの事業年度において、その所得金額が三、四三七万〇、七四四円で、これに対する法人税額が一、一八九万〇、七〇〇円であるのにかかわらず、公表経理上売上及び棚卸資座の一部を除外し、これによつて得た資金を架空名義の預金にするなどの方法により、右所得金額中二、〇六一万八、五二九円を秘匿したうえ、昭和四六年七月三一日、丸亀市大手町三番地所在丸亀税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が一、三七五万二、二一五円で、これに対する法人税額は四三四万一、六〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって、不正の行為により法人税七五四万九、一〇〇円を免れ、
第二、被告会社の昭和四六年六月一日から同四七年五月三一日までの事業年度において、その所得金額が三、一三二万七、〇四五円で、これに対する法人税額が一、〇七八万一、七〇〇円であるのにかかわらず、前同様の方法により、右所得金額中二、一七二万八、八一九円を秘匿したうえ、昭和四七年七月三一日、前記丸亀税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が九五九万八、二二六円で、これに対する法人税額は二八三万九、五〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により法人税七九四万二、二〇〇円を免れ、
第三、被告会社の昭和四七年六月一日から同四八年五月三一日までの事業年度において、その所得金額が四、一六六万七、一一一円で、これに対する法人税額が一、四五四万九、二〇〇円であるのにかかわらず、前同様の方法により、右所得金額中三、二四一万〇、一八〇円を秘匿したうえ、昭和四八年七月三一日、前記丸亀税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が九二五万六、九三一円で、これに対する法人税額二六八万八、五〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により法人税一、一八六万〇、七〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
一、被告人兼被告会社代表者田組孟の当公判廷における供述並びに同人の高松国税局収税官吏大蔵事務官久枝勝に対する質問てん末書五通及び検察官に対する供述調書一通
一、前記久枝勝作成の「脱税額計算書」三通
一、同人作成の「査察官調書」と題する書面
一、株式会社中国銀行善通寺支店支店長川向忠良ほか一名、百十四銀行高松支店支店長橋本良弘ほか一名(「その一」及び「その二」の二通)、観音寺信用金庫高瀬支店支店長岡田康男ほか二名及び岡山地方貯金局局長岩岡進作成の各「証明書」と題する書面
一、前記久枝勝作成の「現金、預金、有価証券、印鑑等の確認書」と題する書面
一、田組弘子、田組キヌヱ及び松浦貞夫の検察官に対する各供述調書
(法令の適用)
被告人田組孟の判示各所為につき、法人税法一五九条一項(各懲役刑選択)
併合罪と刑の加重等につき、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重いと認める判示第三の罪の刑に法定の加重)
同被告人に対する刑の執行猶予につき、同法二五条一項
被告人株式会社田組につき、法人税法一六四条一項
併合罪の処理につき、刑法四五条前段、四八条
よつて、主文のとおり判決する。
(裁判官 角谷三千夫)