高松高等裁判所 平成15年(行コ)23号 判決 2004年1月09日
控訴人 A協同組合
同代表者代表理事 甲
同訴訟代理人弁護士 南健夫
同 曽我部吉正
被控訴人 松山税務署長
山西靖彦
同指定代理人 片野正樹
同 富﨑能史
同 中川義信
同 鈴木久市
同 友澤哲郎
同 倉本幸芳
主文
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は、控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1 控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人が控訴人に対してした次の各処分をいずれも取り消す。
(1) 平成8年12月1日から平成9年11月30日までの事業年度の法人税について平成10年6月29日付でした更正及び過少申告加算税賦課決定処分のうち、寄附金損金不算入額6147万4729円、繰延資産償却費の損金不算入額1240万円及び雑収入の計上漏れ額898万円とした部分
(2) 平成9年12月1日から平成10年11月30日までの事業年度の法人税について平成13年1月26日付でした更正及び過少申告加算税賦課決定処分(平成14年11月19日付け変更決定による一部減額後のもの)のうち、繰延資産償却費の損金不算入額1240万円及び雑収入の計上漏れ額3786万4000円とした部分
(3) 平成10年12月1日から平成11年11月30日までの事業年度の法人税について平成13年1月26日付でした更正及び過少申告加算税賦課決定処分(平成13年11月7日付け異議決定による一部取消後のもの)のうち、雑収入の計上漏れ額2646万円とした部分
第2 事案の概要等及び争点
原判決の「事実及び理由」中、「第2 事案の概要等」及び「第3 争点」記載のとおりであるから、これを引用する。
第3 当裁判所の判断
当裁判所も控訴人の請求はいずれも棄却すべきものと判断する。その理由は、次のとおり付加するほかは、原判決の「事実及び理由」中「第4当裁判所の判断」記載のとおりであるから、これを引用する(ただし、3項を除く。)。
1 原判決14頁5行目の次に、改行の上、「なお、振興協会が施行令14条1項9号イの『共同的施設』に当たると解することもできない。」を加える。
2 原判決16頁17行目末尾の次に、改行の上、次のとおり加える。
「被控訴人は、「昭和63年1月ころ開催された総会で、漁業操業に悪影響を及ぼす事業所、起業者等との被害補償の交渉について、被控訴人に対し、その補償交渉、妥結及び補償金の受領等の一切の権限を委任するとの申し合わせがなされた。」旨主張し、甲69を提出するが、この事実をもって、本件漁業協力金等の支払に関する個々の契約ないし合意について、被控訴人が組合員を代理し、又は組合員の委任を受けてこれを行ったと認めることはできない。」
3 原判決18頁2行目末尾の次に、「なお、本件通達による取扱いは、国等の行う公共事業の施行に伴う共同漁業権等の消滅又は価値の減少による補償金の支払を受ける場合に限定して認められるものと解すべきである。」を加える。
第4 結論
以上のとおり、争点1及び争点2のいずれにおいても、控訴人の主張には理由がなく、本件各処分の根拠のうち、これら以外の点については、当事者間に争いがないから、本件各処分はいずれも適法であるというべきである。
よって、これと同旨の原判決は相当であり、本件控訴は理由がない。
(裁判長裁判官 松本信弘 裁判官 吉田肇 裁判官 種村好子)