大判例

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高松高等裁判所 平成5年(う)110号 判決

論旨は要するに,原判示第2(覚せい剤約0.045グラムの所持)につき,原判決は,覚せい剤粉末1袋(以下「本件覚せい剤」という。)を証拠として採用し,これを当該原判示事実の認定に供しているが,本件覚せい剤は,警察官が,任意同行の名の下に被告人をE県警察本部(以下「県警本部」という。)まで強制的に連行したうえ,被告人に捜索差押令状を示すことなく,その所持品であるセカンドバックを捜索した結果発見,押収された違法収集証拠に当たり,証拠能力を有しないものであるから,原判決には,結局のところ,被告人の自白のみによって前記事実につき有罪を認定した訴訟手続の法令違反があり,この違反が判決に影響を及ぼすことは明らかであるというのである。よって検討するに,(中略)右事実関係によると,警察官らが,県警本部において,その着衣,所持品についての捜索差押令状を被告人に示してから,本件覚せい剤を押収するまでの手続に格別の瑕疵はなく,また,警察官らが,捜査車両への乗車を拒む被告人を,腕と足を抱えて同車に乗せ,県警本部まで同行させた行為は,その態様において問題がないとはいえないが,右にみた事情,特に,本件においては,被告人に対する前記捜索差押令状が事前に発付されており,警察官らは,現場において,その旨被告人に告げているうえ,当時,現場にいた警察官が右令状を所持していたこと,現場における被告人の言動等,当時の状況に照らし,警察官らには,右令状を緊急に執行すべき高度の必要性があったと考えられること,また,警察官らは,被告人を捜査車両に乗せるまでに,同人に対し,任意同行に応じるよう,相当粘り強い説得を続けていたことが窺われ,更に,当時,現場は人車の量も多く,被告人の態度に徴しても,前記令状を円滑に執行するためには,被告人ともども別の場所に移動する必要があったというべきであることなどの点にかんがみると,警察官らの前記行為が令状主義に反し違法であるとまではいえない。

その他,所論にかんがみ検討しても,原判決には所論のいうような訴訟手続の法令違反はない。

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